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【映画レビュー】2021年夏のイチオシはこの映画だよ!『サイダーのように言葉が湧き上がる』

出遅れての紹介になって申し訳ないのですが、この夏休みシーズン、ぜひこれを観ておけというオススメの映画を聞かれたら、私はこれをあげるかな......という作品です。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』のざっくりとした感想

『サイダーのように言葉が湧き上がる』を観てきましたよ!

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サイダーのように言葉が湧き上がる
制作年:2021年 / 制作国:日本
監督:イシグロキョウヘイ

アニメ音楽レーベル「フライングドッグ」の設立10周年記念作品として、2020年5月15日公開予定でしたが、1年以上の延期を経てついに劇場公開。
コミュニケーションが苦手なチェリーと、養子にコンプレックスを持つスマイルの男女二人が出会う青春ストーリー。

監督を務めるのは、長編作品は今回が初となるイシグロキョウヘイ監督。脚本には『エウレカセブン』『鉄拳ブラッド・ベンジェンス』の佐藤大さんが名を連ねています。主要キャストには声優初挑戦の八代目市川染五郎さんと、『メアリと魔女の花』のメアリ役でも有名な杉咲花さんです。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと.....

傑作!!

ポンポさん、肉子ちゃん、竜そばと面白いアニメ映画が続くなぁと思っていたら、まだ終わっていなかった!ビビットな色合いで描かれた郊外に暮らすとある見事な男女の青春恋愛物語という素朴な内容を、こうも新鮮に見せられるとは!と想像以上の好きに溢れてました。

もう少しく詳しく掘り下げていきます。

素朴すぎる.....だからこそグッとくる

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この映画、世界を救ったり、誰かが命の危機に陥ったりはしないのですが、“ティーンズには「いいね」の一つだって大事件なんだ!”って感じの事件の置かれ方が愛おしかったです。

日常の小さな出来事だけど、それにもすごく大事な意味や気持ちがこもっていたりするよ.....というメッセージが私、大好物なのでたまらなかったです。

序盤で男子サイドと女子サイドで、ビデオ通話をすることで対面するシーンやTwiitterのようなサービスや動画配信サービスを登場人物が自然に使っているところなど、意外にも現代的で新鮮でした。

そしてネットとの距離感がとても現代的な一方で、キーアイテムが俳句だったりレコードだったりと、新旧の文化が入り混じる具合も心地よかったです。デジタル世代とかアナログ世代とか、どうしても世代ごとに断絶しがちな昨今で、自然にその壁を取り払ってくれるところが素敵です。

ちなみに本作の脚本を担当した佐藤大さんについてはこちらの記事で詳しくピックアップしています。

タギング演出もHIPHOP好きにはグッときたよ

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俳句の見せ方がまた良い。

冒頭から不自然なぐらい街中に俳句の落書きが溢れていて、あまりに強引なその理由に最初こそビビるのですが、随所でその役回りを体験すると納得の好演出にバケるのだからたまらないですね。

そもそもタギング.....というかHIPHOPの一文化として“グラフィティ”があるのですが、自己主張や存在証明のような形である種暴力的ではあるのだけど、強すぎる世間への反骨精神のようなものが個人的には大好きで、少なくともその思想感を思うと『サイダーのように言葉が湧き上がる』での使われ方は嬉しかったです。

落書きはダメだよー、という意見もあるだろうし、それは最もなんですが、ちゃんとエンドロール後に「落書きはダメだよ」って出るから、PTAの皆様も許して。

夏休み映画に絶好のおすすめ作品だ

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そして、1年延期して夏公開にしたのが偉い!!
『竜そば』とかち合っちゃったのは、かわいそうだけど、全編夏を舞台にした作品なので、これは確かに夏の映画館でかけるべきです。

青い空、緑の自然。季節も相まってこそ、この映画で湧き上がってくる気持ちというのも3割から4割増してくるんじゃないでしょうか。

美術、音楽、シナリオ......その三拍子揃っている、この夏イチオシの一本です。デートムービーにこっちを選ぶの全然ありですよ、学生諸君。

ちなみにYoutube「サイコトちゃんねる」では、公式で制作背景について詳しく紹介してくれているので、おすすめです。この企画、本当に素晴らしいので、いろんな映画でやって欲しいですよ。

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