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【注目】『家をめぐる3つの物語』の3人の監督とは?

先ほど、2022年1月14日の夕方よりNetflixにて『家をめぐる3つの物語』の配信がスタートしました。

家をめぐる3つの物語(原題:THE HOUSE)
制作年:2022年 / 制作国:ベルギー、イギリス、スウェーデン
監督:マーク・ジェイムス・ロエルズ&エマ・デ・スウェフ、ニキ・リンドロス・フォン・バール、パロマ・バエサ

短編ものを想像していたのですがガッツリ中編3本立てで、普通に新作映画リストに入れるべき案件でしたね。また、足しておきます。

本作は絵をテーマに3組のストップモーションアニメーション作家が、中編を手がけたオムニバス形式の作品となっており、可愛いルックに反して悪趣味めなところとか、大人向けで良い感じの嫌な味付けとなっておりました

さすがNetflixというべきか、この企画を手がけることになった3作家とも、昨今のアニメーション賞で高い評価を得た面々となっております。そこで、それらの監督がどんな人でどんな作品を手がけてきたのかを紹介します。

I.『内側で聞こえて紡がれるウソ』

スタートを切るのは、異様に顔のパーツが中央に寄った人間たちの、不気味な物語。本作の監督を務めたのは、ベルギーの古都ゲントにて活動するストップモーションアニメーション作家のタッグが、マーク・ジェイムス・ロエルズさん(Marc James Roels)エマ・デ・スウェフさん(Emma de Swaef)のお二人です。

今回唯一、本作以前から存在を知っていたデュオでして、それもそのはず2018年の第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭で、この二人の監督作『This Magnificent Cake!』が長編グランプリを受賞。そこで私も本作を鑑賞していたのでした。

お二人の作品の特徴はやはり、顔のパーツがやたら中央に集中したキャラクターたちとウール素材の人形たち。加えて、しれっとかます悪趣味ぶりかな?と思いきや、今回の中編ではじんわりと見せてくる感じでしたね。

Ⅱ. 『敗北の真理にたどり着けない』

2本目はネズミの不動産屋が主人公のお話。悪趣味な感じはすごい好きなんですけど、すみません。私は虫描写がほんとダメでして、その点で致命的にアウトなお話でした。話は最高。

そんな本作の監督は、ニキ・リンドロス・フォン・バール(Niki Lindroth von Bahr)さん。
スウェーデンのストックホルムで活動している女性のストップモーションアニメーション作家です。短編作品で活躍されていた方でして、映画祭などでこれまでの短編が日本上陸を果たしています。

人の身体で動物の頭を持ったキャラクターの作品を多く制作しています。
今作は割とデザイン的には動物に寄せたものとなっていましたね。

Ⅲ.『もう一度 耳を傾けて 太陽を目指して』

最後は人型の猫たちのちょっと変わった世界観の送る物語。
ダークコメディ3作の最後を飾るにふさわしい、清々しい幕引きを担う「あぁ、よかったな」という気分で終わらせてくれる今作の良心。

そんな本作の監督は、実は女優という顔も持っているイギリス生まれメキシコ育ちのパロマ・バエサ(Paloma Baeza)さん

アニメーションでは、英国アカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞した『シロクマとグリズリー(Poles Apart)』で知られる方ですね。

本作はショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)にも選出されており、J-WAVEアワードを受賞。その際には日本にもいらしていたようです。

パロマさんはアニメーションだけでなく実写作品も制作していたりと、かなり器用な方。ちなみに、夫は『エクス・マキナ』『ジャッジ・ドレッド』のアレックス・ガーランド監督。パロマさんは、そんなアレックス氏脚本の『The Toymaker’s Secret(原題)』というCG・実写のハイブリット長編映画や、フリーダ・カーロの一部実写要素も含むアニメーション作品の監督も内定していたりと忙しそうな状態です。つくづく、よく本作を作る時間ありましたよ、ホント。

ちなみにキャラクターの見た目から『ファンタスティックMr.FOX』を思い出させられますが、あれは今回全然関わってないウェス・アンダーソン監督の映画ですのでご注意を。


以上、3組のストップモーションアニメーション監督陣を紹介しましたが、改めて、よくぞまぁこんな企画を打ち出したとNetflixさんにも感心するばかり。虫描写はほんと苦手なんですが、どうしても嫌いになれない愛おしさを秘めたアニメーションとなりました。Netflixの隠れた傑作として『家をめぐる3つの物語』を語り継いでいくので、皆さんも布教をよろしくお願いします。

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