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論理療法の効果

論理療法の考え方


私が大学時代に学んできた論理療法は、認知行動療法の一つの方法であり、心理療法の一種です。論理療法では、悩みのきっかけとなる出来事が直接ネガティブな感情を引き起こすのではなく、出来事を非論理的な考えで捉えるによってネガティブな感情が起こると考えます。論理療法の目的は、人々が負の思考パターンを変え、健康的な思考パターンを構築し、その結果、感情や行動に対する健康的な反応を促進することです。

例えば、渋滞という出来事に対し、怒りをあらわにする人と、そうでない人がいます。同じ出来事であるにもかかわらず、違う感情や行動が結果として引き起こされるということは、「渋滞」というきっかけの出来事をどのように捉えているかの違いがあるわけです。怒りを覚える人は、会社に遅刻しそうで、「会社に絶対遅れてはならない!」という考えをしているかもしれません。一方、なんとも思わない人は、パートナーとのデートの帰りで、「渋滞のおかげで、一緒に長くいられる」と考えているかもしれません。

このようにいうと、状況が違うのだから、遅刻しそうな人は、怒っても仕方がないと思うかもしれませんが、同じように遅刻しそうな人でも、怒りを覚えない人もいます。遅刻しそうだとしても、「会社に遅刻しそうだけど、渋滞だから仕方がない。事情を説明すれば大丈夫だから、今は安全に運転しよう。」というように考えられたらどうでしょうか。渋滞で困るけれども、怒りというネガティブな感情まで生じないことが分かると思います。

このように、論理療法では、きっかけとなる出来事に対する考えを変えることによって、ネガティブな感情を低減していくのです。上記の例でいくと、怒りの感情が高ぶったまま運転を続けていくと、危険な運転に繋がり、自分や他者を巻き込むような事故を引き起こしかねません。また、怒りの感情は心身の健康にも悪影響を与えることが分かっています。そこで、出来事自体は変わらないけれども、現実的に今変えることのできる思考を変えていこうというアプローチをとるということになります。

論理療法の具体的な効果とは

論理療法は、うつ病、不安症、パニック障害、摂食障害、依存症、自己価値の低さ、関係問題など、さまざまな心理的問題に有効なことが示されています。具体的には、論理療法は以下のような効果が報告されています。

  1. 症状の改善:論理療法は、うつ病や不安症などの症状を改善することが示されています。特に、論理療法を受けた人々は、症状の重症度が軽減され、回復が早くなると報告されています。

  2. 心理的ストレスの軽減:論理療法は、ストレスを軽減することにも役立ちます。論理療法を受けた人々は、ストレスに対する対処方法を学び、ストレスの原因となる負の思考パターンを変えることができます。

  3. 自己効力感の向上:論理療法は、自己効力感を高めることができます。論理療法を受けた人々は、問題解決のスキルを身に付け、自己改善のための手段を発見することができます。これにより、自己効力感が向上し、健康的な行動につながることが報告されています。

  4. 継続的な効果:論理療法は、治療後にも効果が持続することが示されています。論理療法を受けた人々は、治療後も健康的な思考パターンを維持し、問題解決のスキルを継続して使用することができます。

総合的に、論理療法は、さまざまな心理的問題に対する有効な治療法の一つであることが示されています。論理療法は、認知行動療法の中でも、特に理論的なアプローチに基づいたものであり、根本的な思考パターンの変化を目指すことが特徴です。

また、論理療法は、患者の主体性を尊重することで知られています。論理療法では、患者が自己解決能力を身に付けることが重視されており、治療者はあくまでも支援役割を担います。このアプローチにより、患者は自分自身で問題を解決することができるようになり、治療の持続性が高まります。

ただし、論理療法は、すべての患者に効果的であるわけではありません。論理療法は、認知的スキルの開発に重点を置いた治療法であり、個々の症状に合わせた適切な治療法を選択することが重要です。また、重度の精神障害や自殺リスクが高い場合には、論理療法だけでなく、医療専門家の指導下で適切な治療が必要となります。

以上のように、論理療法は、認知的スキルの開発に焦点を当てた心理療法の一種であり、うつ病や不安症などの心理的問題に対して有効であることが示されています。しかし、個人差があるため、適切な治療法を選択することが重要です。

具体的に、どのように、考えを変えていくのかということを後程解説したいと思いますので、フォローしておいていただけると嬉しいです!
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