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『宿命のブラッドバーン』アリスという女について③

続きです。
前回はこちら↓

(以下、作品のネタバレも含みます)





■アリスの過去

 彼女の過去については、本番期間中も含めて色々修正を加えましたが、最終的にはこのような感じになりました。あくまでも私のざっくりとした想像なので、脚本家の意図や公式設定とは違う部分もある可能性がありますし、細部は適当です。共演者と擦り合わせもしておりません。その旨はご了承ください。
 もはや二次創作に近いかもしれません。そして長いです。


 生まれは大陸の北西部・カサンデル。
 ホーリーランド家はノースランドの聖職者の血筋だが、アリスの祖父にあたる人物が家を飛び出し、カサンデルで起業した。質屋として成功し、その息子(アリスの父)の代でも変わらず繁盛する。

 しかし、まだアリスが幼いころにカサンデルとノースランドの戦争が勃発。ノースランド系であることから近隣住民から迫害や嫌がらせを受け、商売が立ち行かなくなる。夜逃げに近い状態で店を捨て、一家総出でノースランドへ国外逃亡する。ホーリーランド本家を頼ろうとするものの、裏切り者とみなされ追い返されてしまう。行き場を失い辺境をさまよううち、アリスは疫病にかかる。さらに軍の襲撃に巻き込まれたことで一家は離散、アリスは病のまま一人取り残される。

 気づくとアリスは病床に横たわっていた。戦地に赴いていた看護師にたまたま拾われ、ノースランドの僻地の小児科病院で治療を受けていたのだった。看護師の献身的な看護と投薬により、アリスは奇跡的に疫病から回復する。恩義を感じたアリスは病院で看護師の手伝いに励む。時間があるときには病院内にある本を読みあさり、その際に「ヴァンパイア」に関する伝承や、「呪われた島」の存在を知る。また、看護師から薬に関する知識も教わる。
 この病院で正式に働きたい、とアリスが思い始めた頃に事態が急変する。この病院で非人道的な治験や人体実験が行われていたことが判明し、医師や看護師がノースランド軍に連行されていった。アリスはにわかに信じがたかったが、地下の実験場を見せつけられ、その凄惨さに怯え驚愕する。アリス自身も治験の成功例に過ぎず、知識を教えられていたのも、聡明なアリスにいずれ実験に協力させるためだったとのこと。この出来事により、実験体のような凄惨な死に方ではなく、何がなんでも五体満足で生き延びてやると決意し、他人を容易に信用しないようになる。

 その後、アリスは被害者として軍に保護されるも、一部の下衆な軍人の慰み者にされてしまう。なんとか軍から逃げ出し、火事場泥棒や闇市での転売で生き延びていく。
 そんな時、闇市でヴァンパイアハンターを名乗る男と出会う。アリスがホーリーランド(聖職者)の血筋であり、薬の知識もあることを知り、仕事仲間にならないかと勧誘をしてきたのだ。最初は胡散臭さから適当にあしらって断っていたが、銃の腕や体術に長けていること、報酬も出ること、人たらしであることから自分の身を守ることにもなるだろうと判断し、またアリス自身も不死身であるヴァンパイアに興味を抱き、その男・ウォーレンに協力するようになる。
 当初はヴァンパイアに惨殺された被害者を見るばかりで、手がかりが殆ど掴めなかった。殺害方法が人間となんら変わりない手口であることに違和感を覚えたアリスはある日、ウォーレンが殺人を犯している現場に遭遇する。実は今までの被害者は賞金首で、ウォーレンは暗殺することで金を稼いでいた。ヴァンパイアの殺害だとでっち上げていたのはカモフラージュに過ぎなかった。真実を知ったアリスは、逆により精巧なでっち上げをウォーレンに提案する。薬で眠らせた後、歯形の器具で頸動脈を切るという方法だ。
 そして、アリスはヴァンパイアの手がかりとなる「呪われた島」の伝説を思い出す。調べるうち、その島のモデルとなった島があることを知る。毒薬に耐性のある住民もいるという噂も耳にし、ヴァンパイアの存在に真実味が増す。
 その道すがら、殺害した賞金首の娘であるシャロン、殺害現場を目撃されたことで始末した女の弟であるカーティスも仲間として引き入れ、賞金稼ぎをしつつ「呪われた島」へと向かうのだった。


■反省点

 …と、過去の勝手な空想を繰り広げましたが、先述した通りこうなったのは本番期間中で、それ以前はかなり漠然とした設定でした。
 なので、これを反映した上でのキャラクターを100%完成させることができず、そして前回に書いた通り、アリスに対するネイティとしての「嫌い」という個人的な感情を拭いきれなかった影響もあり、しっくり来ない部分をも抱えたまま千穐楽を迎えました。そこが悔しい。
 叶うならば、再演があるならば、(勝手であることは重々承知してますが)またアリスをやりたいと願っております。なんだかんだ言いつつ、今までで一番やりがいのあるキャラクターでしたので。


 さて、アリスという女に関しては以上になります。ただ、作品に関してまだお話したいところがありますので、それはまた次回。次回で最後にしますから。

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