見出し画像

Soul Journey#2カナダ【自然療法の学校へ】

2008年、わたしは再びカナダに戻ってきた。

語学留学を経験した次の目標として、現地の人と一緒に机を並べて学んでみたいという思いがずっとあった。

それで今回の留学では、自然療法やマッサージなどを学ぶ小さな専門学校に通うことにした。

10代の頃から、何だか疲れやすく、常にどこかに不調があって頭痛薬やお腹の薬を手放せないでいたことから、興味のあったアロマやマッサージで自然に身体をケアする方法を学んでみたかったのだ。

英語力はまだ日常会話程度しか出来なかったので、留学生も受け入れている小さな小さな専門学校を選んだ。

語学留学時代に居たバンクーバーに比べて、何だか都会に見えたトロントに少し圧倒されていたけれど、なんとかルームシェアのアパートも見つかり、いよいよ学校がスタートした。

登校初日、ドキドキしながらアロマフェイシャルのクラスに足を運ぶ

私の他にも数名日本人留学生がいると聞いていたけど、そのクラスでは日本人は私1人だった。前のセメスターからこの学校で学んでいて、すでに顔見知り同士の生徒たちもいるようで、みんな楽しそうにおしゃべりをしている。

緊張と人見知りが発動してただただ静かに座っていた。

午前中の授業は座学だったが、緊張もあって英語が全然頭に入ってこない、、専門用語も全く分からない、、

こんなので、やっていけるのだろうか、、急に不安が押し寄せて胸がギュッとなる(わたしの英語力ではまだ難しすぎたのかも、、)

休憩時間、先生に「私、英語ついていけないかも、、」と不安げにこぼすと
「大丈夫、マッサージなんて見よう見真似なんだから!誰でもできるわよ」と軽く返された。
(このイギリス人の先生はずいぶんいい加減なところも多い先生だったが、知識はしっかりある先生だった。)

ランチタイム。私ともう1人の女性以外はみんな外へと食べに行った。

私は学校の周辺に何があるのかも分からなかったから念のためランチを用意していた。もう1人の彼女もランチを持ってきていた。

2人きりのクラスルーム。勇気を出して彼女と話してみる。

ドレッドヘアで、タトゥーが見事な彼女は小さな子がいるシングルマザーで、普段は料理の仕事をしながらこの学校に通っている、いずれはセラピストの仕事をしたいと言っていた。他の授業に日本人の子がいて、とても良いこだよ、とも教えてくれた。

私の片言の英語で、初めてちゃんとクラスメイトと話ができて、すごく嬉しかった。

午後は実技の授業。実際、先生の言っていたとおり、見様見真似でなんとか乗り越えた。

緊張していて最初は疎外感を感じていたけれど、クラスメイトたちは、実際どの人も本当に良い人たちばかりだと気がついた。

学校で最年少、片言の英語しか話せないわたしに、みんなとても優しくしてくれた。

授業初日を終えての帰り道、同じバスに乗ったクラスメイトのアリーが声をかけてくれた。

「あなたはそんなに若いのに、たった一人で外国で学ぶなんてとっても勇気があるわ!一緒の船に乗った者同士、楽しみましょうね!」

赤髪の彼女の素敵な笑顔に、ここでならなんとかやって行けるかもと心がホッとした。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?