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soul journey#3 カナダ【let's have a tea】

最初は緊張でいっぱいだった学校にも、クラスのみんなに助けられて次第に打ち解けていった

実技も回数をこなすごとに慣れていき、最初はぎこちなかったフェイシャルマッサージやリフレクソロジーも、放課後クラスメイトとのたくさんの練習のおかげで次第に自信をつけていった。

ただ、やっぱり英語には苦戦して、毎日学校以外の時間は図書館で、学校でもらったテキストと翻訳辞書を片手に奮闘していた(特に大変だったのは難しい言葉だらけの解剖学の授業)


カナダで学校に通うようになり、私はその後の自分の人生に大きな影響を与えるようになる様々なことに出会っていった。

学校では、週に一度瞑想のクラスがあったのだけど、この時初めて“ホワイトセージ”の存在を知って、なんて心が落ち着くのだろうと感動した。それはまるで静かな寺院で瞑想をしているみたいだった。

先生は、以前自宅の一室を貸していた時、住人が夜中までエレキギターを弾いてうるさくて困っていたが、その部屋に届くようにホワイトセイジを焚くと、不思議とおさまっていたと話していたっけ。

今でこそ、日本でもわりとすぐに手に入るけれどスマホもなく、アマゾンも一般的じゃなかった当時、帰国時にはたくさん買って帰った。

自然療法やマッサージを学ぶ学校だったということもあり、学校の生徒たちはヴィーガンやベジタリアン、ナチュラル志向の人が多く、彼女たちの影響で2008年当時の私は見たこともなかったライスミルクやキヌアなどのヘルシーな食材を知る様になっていった。

トロントの様々な場所に、自然食品やナチュラルケアのプロダクトを扱う店があり、そういうお店に通うことが私にとって、楽しみになっていった。

中でもお気に入りの場所はケンジントンマーケットという地区。

派手なペイントの建物や鮮やかな看板が立ち並ぶその街は古着屋やアートギャラリー、カフェ、自然食品店、ドライフルーツやナッツの量り売り、あらゆるお茶が個包装で1つから買えるお店などユニークなお店が並ぶ、文化的でナチュラル志向なボヘミアコミュニティだ。

ケンジントンマーケットの中にある、あるお店がとても好きでよく通っていた。店の中にはオーガニック食品や様々なハーブティー、精油、石鹸、あらゆるナチュラルケア商品、エコな洗剤などが所狭しギュウギュウと並んでいた。

店に並ぶもの全てがヘルシーでエコで、人にも環境にも優しく、すごく興味深くて、当時の自分には全てがすごく新鮮で、足繁く通っていた。学校ではアロマも習っていたので、この店でもよく精油やキャリアオイルを買っていた(日本よりも量が多くて安かった)とにかくこの店に行くことは心がワクワク湧き立つことだった。

それから、私はとにかくお茶を飲むことが大好きなのだが、お茶が大好きになったきっかけもこの時のカナダでの暮らしがきっかけだった。

自然食品の店にも、スーパーにもたくさんの種類のハーブティーが並んでいたし、学校で出来た友達の家に行くとみんな毎回とびきり美味しいハーブティーを振る舞ってくれていた(なかでもチョコレートチャイが大好きだった!)

20歳そこそこの私は、日本で友人とハーブティーを飲む習慣なんてなかったけれど、カナダで私は、友人と一緒にゆっくり語らいながらお茶をするという時間が大好きになっていった。

一緒にお茶を飲みながら話した、国も年齢も文化も違う彼女たちのバックグラウンドは時に衝撃的で、心を揺さぶられることもあった。

バスで話しかけてくれた赤髪のアリーの過去の話も例外ではなかった。けれどどんな話を聞いても、決してジャッジしないでいようと思っていた。

時に自宅に招待してもらい、時にカフェで、時にビーチを歩きながら、私たちはお茶を飲みながら何時間もいろんな話をした。

みんなそれぞれに、いろいろなことを抱えていて、けれど前向きに、健やかで幸せでありたい、人生を楽しみたいと願っていた。

そんな彼女たちの笑顔は美しかった。





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