ビデオ通話

突然かかってきたビデオ通話。

焦ってイヤホンつけて
カメラオフのまま出てみた。


職場の人と話していて
通話が繋がっていることに
気がついてない…

え?これはどうしたらいいの?

しばらく天井が写っていて
彼を含む男性たちの声がするだけ。


間違いか…酔ってるんだな…

本当は私じゃない誰かに
かけたかったのかもしれない…


すると、彼の姿が。


『あれ?俺、誰かに電話かけてたわ(笑)』

って彼が同僚に言って、通話を切られた。


…だよね、酔ってるだけで
私にわざわざかけるなんてしないよね(笑)

舞い上がりそうだった気持ちを
しっかりおさえて
偶然でも繋いでくれたことを喜んだ。


「突然でびっくりしたよ(笑)」

とだけ、LINEを入れておいた。


すると、数分後にまたかかってきた。


『ぼるちゃーん!カメラオフになってるよ?』
『あれ?出らんないのかなぁ。』

彼と同僚が2人で画面を見てる。

え、私って分かっててかけて…る???

とりあえず待たれてるっぽいし
カメラをオンにしてみた。


『おー!ぼるちゃん!』

と、全力で手を振ってくる。

なにそれ、ずるすぎるよ…


同僚『え?なになに?ぽるちゃん?』

って感じで一文字違いの名前を言われた。


『は?ちげーよ!ぼるちゃんだよ(怒)』

訂正する彼。なにそれ、とことん沼る。


そして彼が私の説明を始める。

セフレって言ってしまわないか
そわそわしたけど
そこは仕事柄なのか
酔っ払っていても余計なことは言わず(笑)

私の仕事について話して

『ぼるちゃんは凄い子なんだよ』

って。


同僚『てか、ぼるちゃん…超美人ですよね!?』


何を言い出すかと思ったら(笑)

でも悪い気はしないよね。
そんなことないよ、ありがとう、と
ジェスチャーした(笑)

家族がいて声出せなかったから。


そしたら沼がとなりで

『だろ?』とでも言いたげに
満更でもない顔をしてて…

私が褒められて喜んでた。

可愛いやつめ。笑


そのあと

同僚『ところで、なんで話せないの?』


家庭の事情だなんて
アラサーにもなって言えないし

実家が厳しくてとも言えないし

まず、声出せないし説明できない…

って困っていたら

『ぼるちゃん、今は都合わりぃんだよな!』

って彼が同僚に言って
深いことは聞かれる前に
話をそらしてくれた。


そして私に向けて

『いいよ、何も言わなくて良い。』

って言ってきたの。


そのあとは男同士のわちゃわちゃに
ひたすら笑わされて
おやすみってバイバイした。


物理的に離れてみて
心も離れてしまうかと思ったけど…

むしろ惚れさせられる一方だった。

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