見出し画像

母の願いがこもった刺繍


こんにちは。こあらです。
最近はお日様が暖かくて、ほのぼのしますね!

さて、皆さんは「背守り」をご存知ですか?
赤ちゃんの着物の背中についているお守りです。
私はお着物の講義でこの内容が一番印象に残っているので、
是非noteでご紹介したいと思います!

本題の前に少し子供の着物について説明をします!
なぜ背中に御守り?と想像しながら、読んでみてくださいね!


⬛︎布の裁ち方
子供の着物は、布の裁ち方が

‘‘一つ身、三つ身、四つ身’’

があります。
大人の着物が一反なので、

大人→1反
一つ身(〜3歳) →1/3反
三つ身(3歳〜5歳) →1/2反
四つ身(5歳〜12歳)→2/3〜1/2反
(だいたいの年齢です。)

とわかれています。
大きめの寸法で仕立てておき、
体の寸法に合わせ‘‘肩上げや腰上げ’’をします。


⬛︎繰り回し
着物は解くと元の一枚の布に戻るため
「繰り回し」と言われる仕立て直しができます。


昔は子供服のお店はないので、
お母さんが子供の服を作っていたそうです。
裁断の仕方もとても合理的ですよね?
三つ身ならば、2人分または2着作れますし、
成長したら、また一反にして、大人用のお着物が仕立てられます。


しかも着物のすごいところはこれだけではなく、
解いた(一枚の布に戻した)着物を洗った後に、
また地色を染め替えたり(着物の色を変える)、
模様を変えたりできます。
着物を大事にしながら、そのときの自分に合った物を着る。

粋というか、
おしゃれを楽しむことも忘れず、
物も大事にしている姿勢がとても素敵です。




では、本題に入ります。

「背守り」は一つ身のお着物につけます。
なぜか、、、

それは大人の着物は後身頃を2枚で仕立てますが、
一つ身は1枚です。

つまり縫い「目」がない。
後ろに「目」がない。
「後ろから悪いものに悪さをされないよう」に、
お守りを刺繍したり、立派な背守りをつけます。


種類はたくさんあって、
うさぎとか鶴とか亀とか、、動物以外もあります。
カタチによって、お願い事もそれぞれ違います。
(たとえば「ウサギ」の場合、
月にすむうさぎがついてるのは、元々は「お餅」ではなく、「不老不死の仙薬」だったそうです。元気の出る御守りですね!)




今のような便利なものがなく、栄養や医療もまだまだ整っていなかった頃、
着物を作ることさえ大変なのに、
時間を見つけては
身につけるものに心配りをし、
その子の成長を願って作っていたと思うと
昔のお母さん達はとても偉大だなと思います。
(どの時代も偉大ですけどね!)

そして今私がここにいるのも
そういった時代を支えてきた先祖、人々がいるからこそだなと思うと、
本当にありがたいことです。




背守りいかがだったでしょうか。

背守りのお話を聞いた時、
心が暖かくなったのを今でも思い出します。
母の愛で昔の子供たちの着物はできているんだな〜と。

洗濯から食事、今のような洗濯機もコンロもない時代。
全て1から始めなければならない家事は大変だったことでしょう。
(私だったらへこたれる。)

いくら大変でも、
背守りがなくても着れるけれど、
時間を見つけて

「願いを刺繍する」

って本当に素敵ですよね。

私も昔の人たちのように
日々、目の前のことをコツコツと頑張れる人でありたいなあ〜



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
優しい毎日が過ごせますように。

こあら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?