読書8『マネーの公理』2005年出版、マックス・ギュンター著

『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』を読了しましたので感想を書きたいと思います。基本ルールばかりで収斂された奥深い言葉に思わずハッとします。

チューリッヒの公理は12の重要な公理と16の副公理から成り立っている。

【第1の公理:リスクについて】
金持ちになるにはリスクを取る必要がある。今、自分に『心配』なことがなければ、その人生はリスクをとっていないことになる。常にリスクをとって心配してアンテナを張っていれば、良い情報に巡り合い、いつか金持ちになりやすい。いい緊張感はいいパフォーマンスを生む。

副公理1:いつも意味のある勝負に出ること
「失敗しても良いお金で投資をする」のはダメ。投資もすべては投機。少額を投機しても金持ちにはならないので意味はない。

副公理2:分散投資の誘惑に負けないこと
利益と損失を相殺し合う。三つ以下がベスト。

【第2の公理 強欲について(常に最速で利食いする)】
とにかく欲張らないこと。買う前に売るときのことをちゃんとかんがえなければならない。良いシナリオ、悪いシナリオ両方想定しなければならない。良いシナリオ通りいって自分が買う前に想定していた利益が出たら欲張らず機械的に脳死で売る。もし途中でもっと良いシナリオが出てくれば修正すればよい。

副公理3:予めどれだけ利益がほしいか決める。それを手に入れたら、投機から手を引け
ゴールを定め、達したら機械のように終える。しかし実際はなかなかできないので褒美を設けるなどすると良い。即換金できる状態だと尚良い。勝利は続かないと考える。
第3の公理希望について船が沈み始めたら祈るな。飛び込め。
自分が保有している間につけた最高値から10-20%下落したら売り時。
損切りするときは3つの障害が立ちはだかる。後悔、投資の一部を断念する、自分が間違っていることを認めること。ガチホして勝っても意味はない。
副公理4:小さな損失は人生の現実として受け止める。大きな利益を待つ間何回か経験する。
利益は運、損は実力という言葉を肝に銘じる。

【第4の公理 予測ー人間の行動は予測できない。予測に基づいて投機はするな。】

【第5の定理 パターン。カオスは、見え始めない限り危険でない。注目される前に割安なものを見つけること。】

副公理5:歴史家の罠に気をつけろ
歴史が繰り返されないこともある。

副公理6:チャーチスト 幻想に気をつけろ。株式市場にパターンはない。
いろいろなツールが開発されているが、結局は市場全体の流れと各銘柄の決算情報だけで十分。

副公理7:相関と因果関係の妄想に気をつけろ。人間は関連付けたがるが、全ては偶然が重なっただけ。

副公理8:ギャンブラーのファラシーに注意。特別ラッキーな日は存在しない。
自分が興味のある投機は徹底的に調べるべき。

【第6の公理 機動力。根を下ろしてはいけない。】
買った銘柄を好きになってはいけない。すべては事実に基づくべき。決算情報、ニュースから類推すべき。

副公理9:感情のせいで、下落相場に捕まってはいけない。

副公理10:より魅力的な投機があれば、すぐ切り替えること。
愛着は人だけに持つべき。報われることを待ってはいけない。過去の栄光、利益は無視しなければならない。「あー、この前利益確定した銘柄がまだ上がってるー」とか、「この前買おうと思ってた株がやっぱり上がってたー」とかはなるべく無視しなければならない。

【第7の公理 直観】
説明できれば信頼できる。軽視も盲信もいけない。識別が必要。本来は確固たる情報に基づいたもの。わからないなりにどんどん経験を積んでいけば、判断が正確になっていくので、直観もあなどれない時期が現れる。

副公理11:直観と希望を混同するな

【第8の公理 宗教とオカルト】
漫然と信用してはいけない。すべて捨てる必要もない。とにかく客観的にみる。「ふーん、そういう事実もあるのか」というふうにとらえる。

副公理12:占星術師も信用しない
副公理13:迷信を追い払う必要はない。適当なところに置くことができれば楽しめる。

【第9の公理 楽観と悲観】
楽観は危険。もし楽観的になったら、事実に基づいているか判断すること。週一回とか月一回とか定期的に、自分の考えは合っているのか、今どのくらいの損益になっているのか冷静にチェックする。

【第10の公理 コンセンサス。大多数の意見は無視すべき】
真実は多くの人でなく、少ない人に発見される(byデカルト)。

副公理14:投機の流行は追うな。
何かを買う最高のときは誰も望まないとき。群衆の圧力が正しければ一緒に乗ればよいが、一人で十分に考えたかどうか最重要。

【第11の公理 執着】
もし最初にうまく行かなければ、忘れろ。
副公理15:ナンピン買いで悪い投資を何とかしようとするな

【第12の公理 計画には重きを置かないことが重要】
やるべきは勉強と投機の改善

副公理16:長期投資は避けよ
楽したいための投機はダメ。少なくとも3ヶ月ごとに再評価すべき。
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長かったですが、永遠と語り継がれるような基本ルールばかりでした。投資に限らず、いろいろな場面で役に立つこともあり面白かったです。一回読むだけでは十分理解・実行できませんので定期的に読んでいきたいと思います。

どなたかの参考になれば幸いです。

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