透明人間/東京事変

嫌いな人が好きだった曲。

1年上のボーカルの先輩。
彼女は音楽に真面目で一生懸命な人だった。
合唱部と軽音部を掛け持ちするぐらいだから

一緒にバンドを組んだこともあったはず。
ただ、彼女の病欠でそれも無くなった。

そんな彼女が好きだった曲。
この曲を聴くたび、彼女を思い出す。
2017年の夏ライブ、アンコールでの彼女の歌声

いい先輩だったはず。
全部は思い出せないけど。

彼女を嫌いになったのは些細なことだった。
合唱部を優先した軽音部に来なかったこと
文化部発表会の曲決めで彼女がごねたこと

私はそんな彼女が気に食わなかった。
今思えば、先輩だから彼女の行動は間違ってなかった。

ただあの時の私は気づかなかった。
気づきたくもなかった。
自分を正当化したかったから。

彼女は部活を去っても、私たちの演奏を聞いてくれた。
彼女は私たちにこの曲を演奏して欲しかったみたいだ。
部活の伝統にしたかったのだろう。

ただ、当時の私はそんなことはしたくなかった。
目の敵にしてたから
彼女の色に染めたくなかったから
私たちの部活だったから

実は練習していた。本当は披露したかった。
彼女も残念がってたのかも。
そんな部活も今では廃部になっているが、

彼女は今、何をしているのだろう。
たまに気になる。もう会うことはないだろうけど。
彼女に会って、過去の態度を謝罪したいと思うことがある。

ただ、会えないならこのままでいいのかな。
このまま逃げたいのかな。

聞けば聞くほど、好きになる曲。
聞けば聞くほど、あの時の自分が嫌いになってしまう曲。

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