読書記録(2022/11~2023/1/15) #15

昨日、今日と、大学入学共通テストが行われていました。受験生の皆さん、本当にお疲れさまでした。今後個別の大学の試験が行われるものと思いますが、くれぐれも体調第一で臨んでほしいと思います。

こんにちは、ねぎとろです。さて、この記事を受験生は見ているのでしょうか(笑)
今回は読書記録。11月から昨日1/14までに読んだ3冊をご紹介します。

教育相談の理論と方法 ―中学校・高校編

編著: 原田眞理/初版発行: 2015年5月/発行: 玉川大学出版部
※図書館のバーコードにあたる部分を加工しています。

「教員養成の玉川」ともいわれる玉川大学が発行する、教職専門シリーズのうちの1冊。教育相談や生徒理解の基礎的事項から解説されており、学校内で発生する各種問題や、中高生に特有の疾患、特別支援教育にもつながる障害についても解説されています。
前回から学生目線の記録が続いていますが、こちらも学生目線の解説を。教育実習の中心はやはり学習指導です。給食・清掃や短学活の指導を行うことはあっても、教育相談を行う機会はほぼないし、学校内の問題に触れる機会も少ないと思います。そういう問題に触れることがあれば、それはとても貴重なものでしょう。教職の講義では扱っているはずですが、やはり実際に教壇に立つにあたって不安はつきものです。この類の本を1冊手元に置いておくと、少しは不安が和らぐかな…なんて、読みながら思いました。
なお、この本は大学の図書館から借りたものであることに加えて、2015年出版と多少古い本となっていますが、調べたところ2020年2月に改訂第2版が出版されていました。

「教えて考えさせる授業」を創る ―基礎基本の定着・深化・活用を促す「習得型」授業設計―

著: 市川伸一/初版発行: 2008年6月/発行: 図書文化社

この本も図書館で借りたものですが、表紙の文言が、私の目指す授業そのものでした。それが、

学力差がある現実の教室で、どの子にも確かな理解・定着・参加が生まれる授業をどう創るか。いま、授業づくりの基本を問い直す。

「教えて考えさせる授業」を創る ―基礎基本の定着・深化・活用を促す「習得型」授業設計―より

というもの。小学校では内容の難易度、また高校では入試においてある程度学力差が縮まること、これらを考慮すると、中学校は小学校や高校と比べて学力差の開きが最も激しくなる校種だと感じます。教育実習でも、学力差の問題に直面し、授業づくりを検討した記憶があります。

この本では、授業を2つのタイプに分類しています。1つは、知識・技能をしっかり学習する「習得型」、もう1つは知識・技能を用いて問いを立てて考えていく「探究型」です。学校教育では、この2つのタイプを、教科や単元の性質に応じながら適宜組み合わせていますが、総合を除く各教科とも大半が「習得型」の授業です。この本では、習得型の授業について、未習の基本的事項は教師からしっかり"教える"、そして理解確認、理解深化をはかり、自己評価として「分かったこと」「分からないこと」を書くことで"考えさせる"、この2つを軸に展開することを提案しています。自分でも本を読みながら具体的な単元について想像してみましたが、これがまあ難しそう。何を教えて何を考えさせるのか、単元を通した計画をしっかり立てなければいけません。

詳しいことを書き出すときりがないですし、実際に読んでいただきたいのでこの辺にしておきますが、教育実習から抱えていた私の1つのもやもやが多少晴れるかなという1冊でした。まあ、実際に現場に出てやってみないと分からないことが多いなとも最近感じているので、4月になるのが楽しみです。

予習の科学

著: 篠ヶ谷圭太/初版発行: 2022年7月/発行: 図書文化社

先の「教えて考えさせる授業」でも、"教科書を読み、分からないことがあれば付箋を貼る"ことを予習として課している実践がありました。私の学生時代を振り返ってみると、数学の予習をしたことはほぼ皆無である一方、国語や英語など、予習を課されていた教科も多くありました。

本書では、「深い理解」につなげることを目的に、予習を導入することの効果や課題について検証されています。加えて、同じ予習をさせていたとしても、その効果には個人差があり、どのような要因が個人差につながるのか、などさまざまな角度から"予習"について述べられた一冊になっています。昨年7月の発行と比較的新しい本ではありますが、ベースとなった論文は10年ほど前に書かれているものだそうです。


本格的な受験シーズンに突入すると同時に、大学も期末テストの季節になりました。私は今期ゼミと教職実践演習以外のみの履修となっています。教職実践演習は年内に最終レポートまで終了しているのであとは単位が来るのを待つのみで、ゼミは今週でラスト(厳密には来週までありますが、私の発表は来週はないことになっています)。今後時間ができると思うので、共通テストや高校入試を解いてみて、感じたことを記事にしたいと思います。

…その前に数学オリンピックやりなさい、ねぎとろ。

Sunday, 2022/01/15

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?