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才能タイプ



リーダーは、メンバーに指示をするのが仕事なので「人」に関する悩みはとても多いです。
部下に対して「なぜこんなこともできないのか」と思ってしまったり、もしくは「もっとこうしないとダメじゃないですか?」と逆詰めされることもあるかもしれません。

僕はリーダーとして、この問題にずっと悩まされました。具体的には後から書くとして、この「なんでこんなこともできないのか」は、実は「3つの才能」の問題でした。

才能の3タイプ

この世には異なる才能を持った3種のタイプの人がいます。

例えば、「イーロンマスクがTwitter社員を大量解雇した」というニュースに対して

「家族がいるのにかわいそう」と思うのが「凡人タイプ」
「経営者として合理的な判断だ」と思うのが「秀才タイプ」
そして、
「鮮やかな手法だ」と感心するのが「天才タイプ」です(笑)

キングダムだと、こんな感じです。キングダム知らなかったらすみません。

また、これらの才能タイプは優劣ではないです。「凡人」より「天才」が優れいているということでは全くありません。ポケモンの「電気タイプ」と「炎タイプ」に優劣がないのと同じです。

才能タイプによる得意・不得意

話を戻すと「なんでこんなこともできないのか」がなぜ発生するのかと言うと、別のタイプのことについてだからです。
例えば、数字で判断しないことで怒られるケースを思い返してみてください。「秀才タイプ」が「凡人タイプ」に対して怒っているのではないでしょうか。
また、発言のモラルが無いことで怒られるケースを思い出すと「凡人タイプ」が「秀才タイプ」「天才タイプ」に対して怒っています。

「なんでこんなこともできないのか」は「タイプ」の問題です。

「炎タイプ」のポケモンが、「水タイプ」のポケモンに対して「なんで"ひのこ"の技もできないの?」と言っているようなものと考えると、分かりやすいかもしれません。

水タイプのポケモンは「なんで僕は"ひのこ"が使えないのか?」と落ち込まないでください。「能力」ではなく「タイプ」の問題です。

才能の複合タイプ

ちなみに、「天才」「秀才」「凡人」と3つに分けましたが、「炎&水タイプ」のポケモンがいるように、「秀才&凡人」のように複数タイプを持つ人も存在します。
周りにいる人を思い浮かべると「ロジカル(秀才)だけど人の気持ちも理解してくれる共感性(凡人)のある優しい人」もいるはずです。
「斬新な発想をする(天才)し、それを論理的に説明(秀才)できる人」もメディアでよく見ます。
ちなみに、イーロンマスクは「天才&秀才」のタイプのLv.100です。

リーダーの才能別チームビルド

タイプの話をした上で、ここからは、それをどう活かすのかの話です。
ポケモンのパーティーを組む時に、タイプを考えるのと同じように、自分をリーダーとしたチームを作っていくときも、タイプを考えるとうまくいきます。

リーダーのタイプ別に、自分の強みをどう活かし、側近にどんな人を揃えると、良いチームを作っていけるかをつらつらと書いてみます。

言ってはいけないことも言ってしまうかもしれません。

凡人タイプのリーダー

凡人タイプのリーダーの強みは共感力ですが、自分にできることが少ないです。逆に言うと、それを認めて「人を活かす」ことに振り切れば、秀才タイプや天才タイプをボードメンバーに引き入れチームで戦うことができます。

凡人タイプの1番の武器は「人を動かす」ことで、そこにも様々な技があります。
例えば、仕事を依頼する時に「重要感」を持たせること。なぜこの仕事をあなたにお願いしたいのか、この仕事がどういう意義があるのか、そういったことを説明して依頼することで、協力的に取り組んでくれます。

数人のチームのリーダーで考えると、「しっかりしていること」は効果的です。
初歩的なことで言うと「タスク管理」です。自分やメンバーのタスク管理ができないと、いつもきっちりしている秀才タイプからは「そんなこともできないの?」と軽蔑されます(極論)
逆にタスク管理ができると、いつも遅刻してくる天才タイプからは「そんなことができるなんてすごい!」と尊敬されます(極論)
「目標設定」「タスク管理」は後天的にも身につくはずなので、できるようになるべきです。

大人数のチームのリーダーは、必殺技を使えると効果的です。
その必殺技というのは「ビジョン」や「覚悟」を言い続けることです。
秀才タイプが言えないような「愛」「世界」などクサいビジョンや想いを、漫画の主人公のように、心の底から、自分の言葉で堂々と掲げ、チームを鼓舞して率いることができるのは、凡人タイプのリーダーならではです。

秀才タイプのリーダー

秀才タイプの強みは再現性で仕事がバリバリできるのですが、共感性が低いので、チームの凡人タイプは疲弊しがちです。「あなたにはついていけない」と言われている秀才リーダーを何度も見ました。秀才リーダーは、自らの独走による組織の崩壊を防ぐように、組織を作ることが必要です。

もし側近に「秀才&凡人」タイプの人がいれば、下のメンバーとのコミュニケーションを任せていくことができます。

また、秀才リーダーの武器は再現性なので「組織のシステム構築」を工夫することで、チームを動かしていくことができます。全体目標達成のためのKSF(重要成功要因)を挙げ、役割と最重要KPIを割り振って目標設定し、活性化が得意な人に盛り上げてもらいます。

また、秀才リーダーは「意義」を話す習慣をつけると効果的です。「この事業は社会にどんな影響があるのか」「この仕事にどんな価値があるのか」などを話すと、疲弊しそうな辛い仕事も頑張ってくれる可能性が上がります。

天才タイプのリーダー

天才タイプのリーダーの武器は創造力です。しかし、説明力がないため、成果で証明するしかありません。誰も文句が言えないような分かりやすい実績がないと、チームを動かせないことが多いです。説明力がなくてチームがついて来れずに失敗しがちです。
また、凡人タイプに対等に意見をさせて失敗するケースもあります。多くの凡人タイプは「世の中の一般=正」「みんなが気持ちが良いこと=正」と考え、「人や世間と違う考え=誤」「不快な人が出ること=誤」と思っています。

天才リーダーの組織の作り方は、2つの方法があります。

1つは独裁です。リーダーに従うのが当たり前の組織にして、凡人タイプが意見をして「普通」にしてしまうことを防ぐということです。簡単なのは、外注で制作をすること。そうすればクライアントであるあなたの意向に従ってくれます。

もう1つは、理解者を仲間にすること。「秀才&凡人」の複合タイプが必要です。その人が翻訳し、秀才や凡人を動かしていくことができます。

個人的な経験の話

このような「天才・秀才・凡人」について考えるようになったのは、若手の頃に、悔しい経験があったからです。

自分は「創造性」が強みの天才タイプで、学生の頃から自分で独創的なアプリを作って大ヒットさせたり、入社後も役員が事業撤退しようとしていたゲームに可能性を感じて、任せてもらって独裁的に打開し、月商数億円に伸ばしました。

そこまでは良かったのですが、売上があがると、マネージャーや横軸組織のコンサルタントがつきました。そして、彼らと良い関係を築けなかったのです。

僕は、「現状維持は衰退」なので、今後の成長のために、開発に半年かかる最先端の機能を作ろうとしていました。
しかし、凡人タイプのマネージャーと、秀才タイプのコンサルタントに、「なぜ売上好調なのに半年も開発に工数をかけるのか」「なぜその機能なのか」と理詰めっぽいことをされ、色々あって、そのゲームはマネージャーに任せることになりました。
そして結局、凡庸な機能になり、売上は右肩下がりに衰退しました。

2人に理詰めされた会議室、その時に自分の説明力の無さを痛感したことを、今でも覚えています。
その後、論理性や説明力をつけるために勉強するようになりました。さらに人を見る解像度も上がり、チームの人材配置によって発生する力学も見えるようになりました。

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