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「懲役339年」を読んでみた

全4巻で読みやすいです。
2周目は違った目線で読めるのが楽しい。そういう本が大好きだ。

ざっくりあらすじ

大罪人ハローが懲役339年を刑を言い渡されるところから、話は始まります。
この世界では宗教が浸透しており、その中で生まれ変わりが信じられています。
人間の寿命より長い懲役339年の刑を執行されたハローは、死んで転生した後も刑を全うしなければいけません。転生前の記憶など持っているはずもないのに、生まれながらに懲役刑が決まっているのです。

転生後、罪の記憶を持たないハローたちの刑との向き合い方。
ハローたちを取り巻く人々の信仰心の変化。
宗教と政治。権力と実力。
いろんな思惑と信念が、絡んでいく。
そして、そもそも懲役339年の判決が下されたハローの罪は?

感想

とにかく1巻が面白い。特に1話目が最高に面白い。導入として最高です。転生を信じる世界観にスッと入ることができました。
1話読み切りだったものが、人気で続きの話が出たのかなと思います。

二代目ハローから何かを学んだ人たちが、三代目ハローにそれを活かそうとする。それが何代目まで受け継がれ、どこで途切れてしまうのか、それは何故なのか。
どの時代もハローを取り巻く環境には全て理由がある。
それらを読み解いていくのが面白い。推理とは違う読み解き。

ハローは大罪人でありながら、懲役339年という判決によって未だかつてない影響力を持ってしまった。
何度死に、転生しても変わらない影響力を持って生まれてくる。
ハローを閉じ込め続けたい故の懲役339年だったのだろうけど、その罪の重さが力になってしまうという皮肉さがおもしろい。

私は無宗教なので、宗教についてあまり考えたことがなかったけれど、この漫画で歴史以外の観点で宗教を考えることができたのは楽しかった。宗教が政治と絡む例として分かり易かった。フィクションだけど。
現実主義者が宗教の元に生まれる辛さもいろいろなかたちがあるんだな、と。
私が宗教で思い浮かべるものが、神とか無神論が主なので「徳」と転生というあり得ないものを信じるという宗教観だったこともおもしろかった。
自分が信じてきた世界が、理論で論破される時、私だったら受け入れることにどのくらい時間がかかるだろう。そんなことも考えて、楽しめました。

話はしっかり1本の線で繋がっていて、伏線回収も気持ち良かったです。
ただ、後半は時間が流れ過ぎたせいか1巻の面白かった軸がなくなってしまったのは残念だけど、そのおかげで4巻で上手に話がまとまっているのかな。


あまり感想を文章にして書くことがないので、まだまだ文章が下手だなー…。
上手になったら、また書き直してみたい。自分に期待。



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