北朝鮮の陰暦の数え方を調べてみた

はじめに

여러분 안녕하십니까. 오늘은 5월 9일, 화요일 음력으로 3월 스무날입니다. 지금부터 중앙텔레비죤방송을 시작하겠습니다.

朝鮮中央テレビのオープニング(千里馬のアレ)後に流れる、今日の日付と曜日のアナウンス。太陽暦で日付と曜日が読み上げられたあと、なぜか陰暦での日付が読み上げられる。

そして、太陽暦の数え方は [漢数字]月 [漢数字]日 [曜日] なのだが、その後の陰暦の数え方は [漢数字]月 [謎の数え方] という言い方をする。
一度でも朝鮮中央テレビをオープニングから見たことがある人、あるいは動画で放送順序紹介まで見たことがある人はおそらく不思議に思ったことがあるのではないだろうか。(実際、私はこの謎の数え方がわからず、今日が陰暦で何日なのかがわからなかった。)
ということで調べてみることにした。

方法

どのように月や日付を言っているのかを知る方法が朝鮮中央テレビくらいしかないため、朝鮮中央テレビの全放送アーカイブを見て調べる。
都合よくそんなの落っこちてるわけがないかと思っていたが、KCNA Watchというサイトがあり、そこでは朝鮮中央テレビのライブストリーミングやアーカイブ、さらには労働新聞などの機関紙、その他北朝鮮のウェブサイトが日々アーカイブされているようだ。
ということで、このサイトを使用して調べた。

月の数え方

月の数え方は2月から10月までは太陽暦と同じように漢数字(一部慣用音)で数える。ただし、1月は정월(正月)、11月は동지달[동지딸](冬至달)、12月は섣달という。すなわち、
1月→정월
2月→이월
3月→삼월
4月→사월
5月→오월
6月→류월
7月→칠월
8月→팔월
9月→구월
10月→시월
11月→동지달
12月→섣달
となる。

ただし太陽暦とは違い、陰暦では閏月を1ヶ月挿入する年がある。(周期はおよそ2~3年に一度。たまたま2023年はこの周期に該当したため、2月と3月の間に閏2月が挿入された。)
閏月を挿入する必要がある場合は、윤(閏)を月名の前に付ける。このとき、윤のㄴパッチムは連音しない。すなわち、
윤이월→×[유니월] ○[윤이월]

日付の数え方

日付は主に○日を表す固有数詞を使う。○日を表す固有数詞は以下の通り。
1日→하루
2日→이틀
3日→사흘
4日→나흘
5日→닷새
6日→엿새
7日→이레
8日→여드레
9日→아흐레
10日→열흘

1~10日までは、上記の固有数詞の前に초(初)をつける。すなわち、
초하루, 초이틀, 초사흘, 초나흘, 초닷새, 초엿새, 초이레, 초여드레, 초아흐레, 초열흘

11~19日までは、上記の固有数詞の前に열をつける。ただし、15日のみ보름という。すなわち、
열하루, 열이틀, 열사흘, 열나흘, 보름, 열엿새, 열이레, 열여드레, 열아흐레

20日以降は、上記の固有数詞の前に스무をつける。すなわち、
스무하루, 스무이틀, 스무사흘, 스무나흘, 스무닷새, 스무엿새, 스무이레, 스무여드레, 스무아흐레

月の最後の日は그믐という。例えば29日にその月が終わるのであれば、29日を스무아흐레の代わりに그믐という。30日にその月が終わるのであれば、30日を그믐という。
(※この感覚がわかりにくいとは思うが、日本語でいう晦日(≠三十日)と同じ。和暦で29日がその月の最終日ならそれが晦日と呼ばれ、30日がその月の最終日ならそれが晦日と呼ばれるのと同じことである。)

陰暦1月15日は대보름という。

最後に

ここまで陰暦の話をしてきたが、「じゃあどうやって陰暦を確認するんだ」となった人の為にちょっとした裏技を紹介しよう。

使うのはGoogleカレンダーの代替カレンダーという機能である。Googleカレンダーの設定に行くとビューの設定というのがある。そこに代替カレンダーというのがある。

これを韓国暦に設定してリロードすれば、カッコ書きで旧暦が表示される。

月は2023年5月と書いてある下に小さく書いてある。
というかこの機能が普通に優秀で、韓国暦だけでなくイラン暦やイスラム暦、ユダヤ暦、中国暦にも対応しているので、使っておいて損はない機能だと思う。

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