チャハーンダイブ
生まれてこの方チャーハンのことを下に見ている。チャーハン好きの人間も下に見ている。
もともとそれほど味のついた米が好きではないのに加え、私の周りのチャーハン好きは普段はとても温厚で気遣いの出来る良い人なのだけれどもチャーハンの事になると前後不覚に陥ってしまうチャーハン狂が何人かいる。炒まった米の何が彼らを狂気に陥れてしまうのかと恐怖を感じている。
『チャーハンはバカの食べ物』という金言があるが、これには全くもって賛成であり立川談志の名言botにもつぶやかせたいと思っている次第である。
そんな私であるが、先日友人と草加のサウナセンターで爆風ロウリュを浴びて知能指数が低下したまま焼肉を食べ、その帰りの電車内で福しんの福しんサワーの色が真っ青でヤバいという会話をし、それは是非検証しなければいけないと、そのままの流れで沿線最寄りの福しんのある北千住駅で途中下車をして福しんにピットインした。
知能指数は相変わらず低下したままであったので、満腹にもかかわらず、福しんサワーに加え餃子と雲白肉そして半チャーハンを頼んだ。半チャーハンを頼んだのはノリであり、一杯のかけそばならぬ一杯の半チャーハンだなと思ったからである。意味はよくわからないがその時は面白いと思ったのである。
福しんサワーは確かに青く、それでいて酸味があった。美味しいクエン酸サワーだった。
思ったより青いなーとヘラヘラしながら餃子を齧っているところに、半チャーハンが運ばれてきた。
福しんのチャーハンはしっとり系で、今の胃袋にはオーバーキル気味だなぁと気後れしつつもレンゲを口に運んだ。
あれ?うめぇぞ??
レンゲが止まらない。半チャーハンの半分のクォーターチャーハンはあっという間に無くなった。
あれほど見下していたチャーハンをここまでかき込むとは。
さながらクリムゾンの女戦士の気分であった。
屈辱感と満足感を胸に福しん北千住店を後にした。
それからというものニチレイの本格炒めチャーハン(炒めチャーハンって、炊き込みではなくてちゃんと炒めてるアピールをしたいんだろうけどやはり知性を感じない)や、コンビニ、中華屋とチャーハンを求めてしまう自分がいる。
『ドブって意外と温かい』という金言もあるがこれにも全くもって賛成である。