仕事をはじめたあなたが、タスクを管理するときに考えるとよいこと

はじめに

*この文章は部下や後輩のために書いたものをそのまま転載しているので、僕の主張がかなり激しく、また読む対象として新入社員などを想定しています。ご注意ください。

タスク管理にも様々な手法があり、ぼくが考えたさいきょうのタスク管理術を探すのもとても楽しいと思います。あくまで一例ですのであしからず。


タスク管理の目的はなにか?

タスク管理の目的は4つあります。「情報の整理」「備忘録」「優先度の管理」「進捗の管理」です。

情報の整理

情報は多ければ、多いほどいいというものではありません。
特に脳みそのリソースが少ない生き物にとって、必要のない情報を表示しないというのはとても大事なことです。
たとえば、明後日買う食材について、今日覚えている必要はありませんし、覚えているべきでもありません。

必要なときに必要な情報を必要な量だけ見ることができることがベストです。

備忘録

仕事の量が増えたり、種類が増えると何が起こっているか全くわからなくなります。
人間は忘れる生き物です。その中でも特に忘れやすいのが僕です。
自分が何をすべきなのか、照らしてくれる光、それがタスク管理アプリです。

優先度の管理

タスクは泥のように無限にわいてきます。
優先度をつけて、重要度の高いものや、緊急度の高いものから片付けていかないといけません。

進捗の管理

あなたがどれだけタスクがすすめられているかを、上司や先輩やチームと共有する必要があります。
しかし、毎回毎回、あれどうなった?って聞かれるのはなかなかうっとうしいものがあるでしょう。
そして、僕(や細かいことが気になる上司)は気になったことを聞かずにはいられないという習性があります。

だから、僕が聞かなくてもタスク管理アプリを開けば把握できるように、タスク管理アプリで共有してください。


タスクの種類

まずはタスクの種類について説明します。
僕はタスクを大きく4つに分けています。「プロジェクト」、「スケジュール」、「ルーティン」、「スポット」です。

プロジェクト

この場合のプロジェクトは「たくさんのタスクからできてるもの」もしくは「なにかの目的で集められたチーム」ぐらいのニュアンスでとらえてください。

スケジュール

「はじめる時間、終わる時間が決まっているタスク」のことを「スケジュール」と呼びます。

ルーティン

「1回以上、繰り返しおこなうタスク」のことを「ルーティン」あるいは「ルーティンタスク」と呼びます。
毎日行うものも、年に1回行うものもルーティンです。

スポット

1回しか行わないタスクのことを「スポット」あるいは「スポットタスク」と呼びます。
すべてのタスクは「ルーティン」か「スポット」かに分けることができます。


どうやってタスクを整理するのか?

情報は多ければ、多いほどいいというものではありません。(2回め)
さらに人間は忘れる生き物です。その中でも特に忘れやすいのが僕です。(これも2回め)

まず、情報=タスクを整理するためにまず、リストを作りましょう。
リストはタスク管理の基本中の基本です。

1番身近で分かりやすいのは買い物リストだと思っています。
今日晩ごはん何をつくるの?どこで何を買うのか?書き出したことはありませんか?
ない人は凄く記憶力がいいのでしょう。

リストを作るときのポイント

全部書く、とにかく書く、書く、書く

まず、ペンを常に持っていてください。
何なら、プライベートのときも持っていた方がいいと思います。
もちろんスマホで記録しても構いませんが、ペンも必ず持っていてください。
できれば何も考えずにペンを取れるように同じ場所に入れておくといいと思います。「思いついたこと」と「書く」の間に「ペンを探す」という工程が入ると、思いついたことの鮮度が急激に落ちるからです。
個人的なおすすめはジェットストリームの0.7mmですが、別に気に入っているなら、なんでもいいです。

ペンは、消せないものにしたほうが良いと思います。
ノートやメモはテストではないので、間違ったことを消さなくてもいいし、なんなら何を間違ったかわかった方がいいことがよくあります。
なので消すなら二重線を引くとかにしましょう。

紙は割とどこでもある程度手に入るので、持ち歩かなくてもいいです。
僕は深く考える時以外は、紙はすぐ捨ててしまう派なのでブロックメモ(Rhodiaなど)やコピー用紙や、リーガルパッドが好きです。
切り放して管理できるし、スキャンなどもしやすいからです。

まずは1日1回書く

頭の中で「やらないといけないなー」と思っていることを1日に1回はすべて書きましょう。朝やっても夜やってもいいですが、個人的には朝一でやるのが1番いいと思います。

なんなら優雅にコーヒーでも飲みながらやるといいでしょう。
ちなみに僕は結構な頻度でやることを忘れます。

思いついたらすぐ書く

つぎに、やることを思いついたとき、思い出したら、すぐに書きましょう。

あなたの思いついたことは3秒後には記憶泥棒の妖精にさらわれてしまいます。
それをつなぎとめようと、妖精とつな引きをすると、脳みそのリソースをかなり割くことになってしまうので、お客様との商談中であっても、よっぽどのことがない限りすぐに書きましょう。普通はメモを取る姿勢を好意的に解釈してくれます。

覚えておこうとして、会話が上の空になってしまったり、挙句の果てにそれを指摘された時につい、記憶を手放してしまうよりずっとマシです。

細かく書く

書き出したら、プロパティ(属性)を書きましょう。

「だれがやるか」「いつやるか」「いつまでにやるか」「どこでやるか」「重要度」「緊急度」「やり方」「その他」です。

100%記入しないといけない!とまではいいませんが、ほとんどの場合、より多く項目が記入されている方が、あとあと楽です。
関連する資料などがあったら、それも添付しましょう。

思い出す(リマインド)する

書き出したら、それを思い出す(リマインド: Remind)するためのスイッチを最初にセットしましょう。(大抵の場合は開始日か、フォローアップタスクでまかなえると思います。)

かならずタスクを書き出した時点でやりましょう。
もし、決まらない、わからないなら、とりあえず明日とかにしておきましょう。必ずセットすることが重要です。

思い出し方には大きく分けて2種類あります。
僕は「プッシュ型」と「プル型」と呼んでいますが、「アクティブ型」「パッシヴ型」と呼ぶ人もいます。

プッシュ型(アクティブ型)
何もしなくても勝手に情報が入ってくるタイプ(型)の思い出し方です。
例えば、メールや、iPhoneの通知などです。

プル型(パッシヴ型)
自分から探しに行くタイプ(型)の思い出し方です。
例えば、Google検索や、紙の資料を探す、毎朝みる掲示板などです。

情報は多ければ、多いほどいいというものではありません。(2回め)
特に脳みそのリソースが少ない生き物にとって、必要のない情報を表示しないというのはとても大事なことです。
さらに、人間は忘れる生き物です。その中でも特に忘れやすいのが僕です。(これも2回め?3回目?かもしれない)
常に残っているタスク全部をプッシュリマインダーにしておけば、その瞬間は忘れることはないかもしれません。
しかし、脳みそのリソースを食い尽くしてしまい、何もできなくなるでしょう。
また逆に、全部のタスクをプルリマインダーにしておけば、脳のリソースは余裕があります、ただし何かを忘れることが多発するでしょう。
だから、プッシュとプルを両方使いこなす必要があります。


タスクに対するコミュニケーション

一つ一つのタスクは一人でやるものです。
ただし、みんなのタスクをつみかさねてプロジェクトを作る以上、コミュニケーションは必要です。
コミュニケーションといっても仲良くすることではありません。
意思疎通のことです。

理想のコミュニケーションはニュータイプ的なアレとかイノベイター的なアレとかなのですが、オールドタイプである我々には不可能だし、実際問題ある程度の錯覚などがある方が便利だと思います。
相手の感情や意見がダイレクトに伝わってきたら、おそらくカミーユ状態(精神崩壊した状態)になるでしょう。
エスパーならざるオールドタイプである僕たちに必要なコミュニケーションのコツがあります。

それは、「何の話かを最初に言う」「相手にどんな理由で何をしてほしいかを言う」「気楽に言う、気楽に聞く」「相手の感情を推測しすぎない」の4つです。
このコツはメールや、チャットなどの文章媒体のときでも、会話のときでも同じです。

コミュニケーションのコツ

何の話かを最初に言う

これは僕もよくやらかしてしまいます。
話しかける方はその話すテーマについて考えてるので準備万端です。
ですが、聞く方は今はじめてそのテーマについて考え出すのです。

特に僕のようにわけのわからんマルチタスクをしてしまってる人間には切り替えるための準備運動が必要です。
なので、何の話かを言ってください。
なるべく大きい話から言ってください。

例えば、「ITパスポートの勉強(大テーマ)でERPについて(小テーマ)聞きたいことがあるんです」のように言っていただけると、準備ができます。
これが「ERPについて聞きたいことがあるんです」だとERPについて何を話せばいいかはわかりません。

以前にそのテーマで話をしているんだったら「先週の〜〜の打ち合わせのときにお話に出てた〜〜なんですが」と言っていただけると、思い出せます。

また、会話の場合は 準備が出来てるかを観察してください
僕の顔を見てください。「うん、うん」って言ってても、多分聞いてません。
コイツ聞く準備できてねーな!と思ったら少し間を作ってください。

相手にどんな理由で何をしてほしいかを言う

僕は「〜〜が〜〜で、〜〜になって〜〜」というとりとめのない話も好きです。
特に僕の知らない分野についてお話いただけるとすごく楽しいです。
ただし、仕事の話をする時は先に全体像を話しましょう。
例えば、「A社へ提案する商品の価格設定について悩んでいて、意見が欲しい。いま120円で提案していて、仕入れ単価が90円なんですけど〜」と言われるのと「A社の見積もりなんですけど120円で出してて、仕入れ単価が90円で〜価格設定悩んでいるんです、意見が欲しい。」って言われるのとだとかなりスムーズさが違います。

仕入れ単価90円とか言われても、何の話かわからないと、その90円が適正かどうかもわかりません。また、理由(背景)がわからないと、適切なコミュニケーションができません。

「ただ愚痴を聞いて欲しい」のと「具体的な解決策を示して欲しい」のだと対応も変わって来ると思います。
なお、僕は愚痴を聞くのはだいぶ下手だと思います。

なんならGoogle HomeとかAlexaのほうが上手な可能性もありますが、愚痴を聞くのが嫌なわけではないので、僕でも良ければいつでも愚痴ってください。

相手の感情を推測しすぎない

文面でも会話でも相手の感情を推測しすぎないようにしましょう。
何も言えなくなってしまったりするのは一番良くない状態です。

僕の場合は怒られないかなーとか、この言い方だと不味いかなーとかはあんまり考えすぎなくて大丈夫です。

何がいいたいか分からない、内容を読む気にならないぐらい整理されてない場合、読みすらしない事もありますが、別に怒ってるわけでも、失望しているわけでもなく読む気にならない「だけ」です。

あー、これ読み方伝わんなかったなー、どう整理したら読めるかなーぐらいの受け止め方をしていただけるとありがたいです。
(そうでない人もいるので、そのあたりはがんばって見極めましょう)

気楽に言う、気楽に聞く

気をつけることをツラツラと書いてしまいましたが、気楽に言ってください、聞いてください。
ただ、手を抜きすぎないでください。

「気楽さ」と「手を抜くこと」は似てるようで全然違います。
コミュニケーションにおいて手を抜くというのは自分が支払うべきコストを3割増しで相手に払わせるようなものです。

逆に3割増しで払わせたとしても手を抜くべきときもあります。そのあたりの塩梅はかなり難しいので、最初は手を抜かないことをおすすめします。

とりあえずの終わりに

色々とつらつらと書きましたが、タスク管理については様々な思想、様々な手法があります。皆さんなりの性格や、特性もあると思うのでぜひ自分にあったやり方も探してみてください。
GTDやKANBAN、アイゼンハワーマトリックス、カエルを食べる、ポモドーロ、WBSなどです。個人的にはGTDや、KANBAN、アイゼンハワーは凄く学ぶ価値があるし、普遍性があると思います。
タスク管理アプリ「Todoist」を作っているdoistのブログなんかも参考になります
*ほとんど英語、たまに日本語もある
https://blog.doist.com/personal-productivity-methods/


参考書籍

GTD
全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
KANBAN
カンバン仕事術 チームではじめる見える化と改善


サポートされたお金が有益に使われる保証は全くありません。 ☆3礼装に変わるかもしれませんし、新しいガジェットやよくわからない文房具等に使われるかもしれません。