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劇的勝利でCSL1部を制したNAGAREYAMA F.C.!関東リーグ昇格への挑戦が始まる。

勝たなければ自力での2位以上が消滅する厳しい試合

2024年10月13日(日)、千葉県社会人サッカーリーグ1部の最終節となる、後期リーグの第5節が開催されました。

今節のお相手は、房総ローヴァーズ木更津FCさん。今年3度目の対戦となりますのでもはやお馴染みですが、現時点での首位チーム。
最終節は、首位と2位のトップ2チームの首位対決となりました。
ただ、首位対決とは言えお互いに置かれた状況はシビアで。
3位のVONDS市原Vertさん、4位のHCSフットボールクラブさんとの勝ち点差が詰まっているため、両チームとも負ければ3位以下への転落の可能性も。
房総ローヴァーズ木更津FCさんは勝利か引き分けで1位が確定するので、「負けなければ良い」状況。
対するNAGAREYAMA F.C.は「勝利」しか2位以内が確定しないという状況。
NAGAREYAMA F.C.の方がより厳しい立場で臨む一戦となりました。

最終節の対戦カードと結果での勝ち点&得失点差の状況
黄色が2位以内確定の条件

この辺り、この試合にあたってのいつものマッチデイプログラム的なフリーペーパーにもまとめていますので、よろしければご覧ください。
(開始前の早めの時間だけにしか配布できず、せっかくお越し頂いたのにお渡しできなかった方が多かったと思います。申し訳ございませんでした。)


木更津に駆けつけた多くのファンサポーター…これぞ、流山魂!

この試合の会場は、木更津市にあるローヴァーズドリームフィールド。
その名の通り房総ローヴァーズ木更津FCさんのホームグラウンドで、鳴り物も声出し応援も幕の掲示もOKな、最高の会場。
天候は快晴で、この会場特有の強い風もこの日は無く。サッカーの試合をするには、最高のコンディションでした。
そしてこの日は、NAGAREYAMA F.C.を応援しようと多くの方が現地に応援に来てくれていました!恐らく100名近く来てくれていたような。
流山市からは遠い会場なのに…本当にありがたい!!
房総ローヴァーズ木更津FCさんの方でも、自身のスクールやアカデミー関係者を多く集客しており。かなり大人数だったのですが、NAGAREYAMA F.C.も負けじと多くの方が応援に集まってくれて、本当に心強かったです!

両チーム互いに応援ありで、アツい雰囲気を作り出すことが出来ました!


総力戦!#26三好 崇斗選手がアンカー、#2岡田 俊祐選手がSBで

今節のNAGAREYAMA F.C.のスカッドはこちら。

千葉県社会人サッカーリーグ1部 後期リーグ 第5節

GKは#1板橋 柊哉選手。
DFは右から#2岡田 俊祐選手、#5長坂 拓紀選手、#9橋本 真吾選手、#16延山 光聖選手。
MFは右から、#24栢野 史也選手、#26三好 崇斗選手、#23長野 峻己選手。
FWは右から#15板垣 敢大選手、#13板倉 航希選手、#10寺内 大登選手。

前節からは、#11山口 賢人選手に代わり#15板垣 敢大選手が、#22澤口 瑛都選手に代わり#2岡田 俊祐選手が入り、岡田選手は右のSBへ。前節右のSBだった#26三好 崇斗選手がアンカーに入りました。

ベンチには#3牧野 純己選手、#6山室 伊ノ介選手、#7砂田 琢己選手、#8小野田 大樹選手、#14高木 一希選手、#17今山 育巳選手、#18加藤 康徳選手が入りました。

ダンコ勝つ!!

絶対に得点が必要なNAGAREYAMA F.C.がリスクを負って、前に

試合はこの試合の結果に何が求められるか、両チームの状況がそのまま表れた展開となりました。

自力で2位以内を確定させるためには勝つしかないNAGAREYAMA F.C.はDFラインを高く保ち、積極的に前からプレッシャーをかけ、得点を狙いにいきます。
対して負けなければ優勝が決まる房総ローヴァーズ木更津FCさんは無理に前にプレッシャーに行かず、両SBは低い位置を保つことが多く。
極力失点のリスクは避け、失点しない戦い方を選択していました。

房総ローヴァーズ木更津FCさんは攻撃時、ロングフィードを#14梶山選手に当ててからの落としを他の選手が回収しての縦に早い攻め、あるいは両サイドバックが相手選手を引き付けて呼び込んでから#14梶山選手に当てて逆サイドのSHでサイドの裏のスペースを狙う、という縦に早い攻撃が多く、SBの攻撃参加はほとんど無しというローリスクな戦い方。
それでも何度かチャンスになりかけますが、今日のNAGAREYAMA F.C.は非常に良く集中していて。ロングフィードからの落としを自由に拾わせない、裏を突いた攻撃は高いDFラインでしっかりオフサイドを取る、という見事な守備が出来ていて、シュートらしいシュートを打たれることはほとんどありませんでした。

NAGAREYAMA F.C.は前からプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪いたいところでしたが、房総ローヴァーズ木更津FCさんの最終ラインと中盤の選手との連動した早いパス回しを捕まえきれず、なかなかボールホルダーへアタックすることが出来ず。
追い込みながら長いボールを蹴らせた後のボールは回収できるものの、高い位置でボールを奪うことが出来ず、良い形でのシュートチャンスを作ることが出来ませんでした。

それでも、ロングボールやセットプレーからの流れで相手を押し込んで何度かシュートまでは持ち込んだものの、得点はならず。
エリア内になかなか侵入をさせてもらえない前半でした。

前半はそのまま、スコアレスで折り返します。

非常に集中していた最終ライン
初めてのアンカーもポジショニングの良さで卒なくこなしてくれた三好選手
サイドを突いてくる相手に対してしっかり蓋をしてくれた岡田選手
ハーフタイムでは目の前で今山選手の左足を堪能(笑)

後半も、展開は前半と変わらず。
お互いに運動量があり球際も激しく。良く動き良く戦う、白熱したゲーム展開。決め手がないまま、NAGAREYAMA F.C.にとってはじりじりした展開が続き、時間だけが過ぎていきました。

流れが変わり始めたのは、後半35分頃。
引き分けでは自力での2位以内が消滅するNAGAREYAMA F.C.が、さらにリスクを取って前がかりに。
後半35分、#15板垣 敢大選手がアイディアあるボールコントロールで自身のスピードを活かして裏に抜け出しましたが、ここは相手選手にファールで止められ、チャンスにならず。
更に後半38分、#1板橋 柊哉選手の低い弾道でのロングフィードはゴールラインを割るか割らないかぎりぎりの長さでしたが、#10寺内 大登選手がもの凄いスピードで追いつき、ボールをコントロール。
NAGAREYAMA F.C.のファンサポーターの前で繰り広げられたこれらのプレーに、NAGAREYAMA F.C.応援席のボルテージは最高潮に。

そして後半41分、待ち望んだ瞬間が訪れます。
NAGAREYAMA F.C.のコーナーキックのチャンス、一度は相手にクリアされ自陣までボールが戻されるも、NAGAREYAMA F.C.がしっかりとボールをキープ。再びボール前に長いボールをあげると、相手DFは何とか頭でクリア。そのこぼれ球をバイタルエリアでフリーで受けた#9橋本 真吾選手が、トラップから全く無駄のない完璧なハーフボレー。速く低く抑えられた弾道のシュートは相手GKに飛ぶタイミングを与えず、見事にゴールネットを揺らしました。
試合終盤、NAGAREYAMA F.C.の大きな大きな先制点!
沸き立つNAGAREYAMA F.C.の応援席!!
最高の瞬間でした!!!

結局、最後までそのリードを守り切ったNAGAREYAMA F.C.が、1-0で勝利。
逆転での千葉県社会人サッカーリーグ優勝、そして関東リーグ昇格をかけた関東社会人サッカー大会への出場権を獲得しました!

前線で体を張って起点になり、労をいとわず
相手DFにプレッシャーをかけ続けてくれた板倉選手
最後まで足が止まらず、ドリブルで相手をかわしてチャンスを作ってくれた寺内選手
会場の雰囲気を変えた寺内選手のプレー!
娘が撮影…タイミングバッチリ!でもブレブレ笑

試合を決定づけたあの瞬間を生んだのは

試合後のインタビューで、高監督は「非常に厳しい試合。ミスとした方が負けるような試合になる。」とお話していました。
この試合、両チームとも非常に集中力が高く、致命的なミスはほとんどなかったように思います。
そんな中で、あのNAGAREYAMA F.C.の得点のシーンだけは、ミスとは少し違いますが、房総ローヴァーズ木更津FCさんに一瞬の隙が生じた瞬間でした。

コーナーキックを跳ね返し、カウンターに打って出ようとする房総ローヴァーズ木更津FCさんの前線と中盤の選手たち。
結局そのクリアボールはNAGAREYAMA F.C.が落ち着いてコントロールして再び房総ローヴァーズ木更津FCさんのゴール前にロングボールが放り込まれたのですが、その瞬間、前に圧力をかけた前線と中盤の選手と、ロングボールの処理に後ろに下がったDFラインの選手との間に、大きなスペースが生まれていました。
そのスペースをしっかり狙っていたのが、終盤、リスクを負って高い位置に上がっていた#9橋本 真吾選手。完全にフリーになっていた橋本選手が、それでもお見事しか言いようのない完璧なトラップとハーフボレーを沈め、あの劇的なシーンが生まれました。

それまで危険なスペースはしっかり埋めていた房総ローヴァーズ木更津FCさん。そのブロックは本当に硬くて、この試合、エリア内からのシュートはセットプレーを除けば一本もなかったと思います。
それほどまでに固く厚い4-5-1のブロックで、NAGAREYAMA F.C.の攻撃を跳ね返し続けた房総ローヴァース木更津FCさんのDF陣。それが、あの一瞬だけは、判断の誤りと切り替えの遅さが生まれていました。恐らくですが、その裏には85分の間に蓄積された頭と体の疲労があったのではないでしょうか。その疲労が、一瞬の判断の遅れを生じさせたのではないかと。
そこに至るまでの疲弊を招いたのは、まさしくNAGAREYAMA F.C.の選手たちの粘り強いアプローチの繰り返しがあってこそ。躱されても粘り強く走り続け、プレッシャーをかけ続けた85分間。あの粘りがあったからこそ、この劇的なゴールは生まれたのだと思います。

そして何より…その唯一ともいえる隙をゴールへと結びつけてしまった、橋本選手の凄さたるや!
リスクを負ってのポジショニング、勝負勘。
そして、あの場面でトラップからの完璧なハーフボレーを決めてしまう、技術とメンタル。
ここ一番で最大の仕事をやってのけ、感情を爆発させて応援席に飛び込んできてくれた我らが#9…ホント、最高の男です!!

誇らしげに揺れる#9!

劇的勝利の裏で輝いた、粘り強い守備と走り

そしてもう一つ、この試合で特に素晴らしかったのが、守備。
まずは、DF陣。
失点したら一気に苦しくなるのは当然わかっていて、その恐ろしさの中で勇気をもって高い位置を保ち続けたDF陣。
相手の長いボールに対してはしっかり体を当てて自由にコントロールさせず、裏のスペースを狙われてもラインを崩すことなく最後まで集中した守備でシャットアウト。
もの凄い重圧の中で体を保って集中を切らさなかったDF陣は、この試合勝利の影の功労者でした!

そして中盤から前線にかけての選手の守備も素晴らしかった!
房総ローヴァーズ木更津FCさんの巧みなボール回しに何度も外されながらも、繰り返し繰り返しプレッシャーを掛け続けたFW陣。
そして、DF陣が跳ね返したボールの奪取、セカンドボールを拾った相手選手に早いチェックで自由を与えさせなかったMF陣。
終盤、試合を決めた房総ローヴァーズ木更津FCさんに一瞬の隙を生ませる原動力となった、彼らの粘り強い走り。プレッシャー。
最後まで足を止めず、圧倒的な走力を見せてくれた選手たち。
ホント、みんな素晴らしかった!

粘り強く、二度追い、三度追い…みんな、走りに走った!ナイスラン!

あの試合とのオーバーラップ…託されたバトン

勝つことでしか次に進む道が開けない中で、しっかり勝ちきったこと。
それを成し遂げた選手たち。本当に凄くて、誇らしいです!!
思い返せば、昨年2023年の9月10日。
2部リーグ優勝を決めた船橋FCさんとの試合でも、最後の最後、相手のゴールをこじ開けるきっかけを作ったのは、リスクを負って高い位置に駆け上がった#9橋本 真吾選手でした。
あの時は、#4平久 将土選手と#9橋本 真吾選手とのCBコンビで。
点を取るしかないという今日の試合と同じようなシチュエーションから、#9橋本 真吾選手のゴールが生まれたんですよね。
あの時、橋本選手が高い位置に上がった後、後ろのスペースを支えてくれたのは#4平久 将土選手でした。そしてこの試合でその場所にいたのは、#5長坂 拓紀選手と、#16延山 光聖選手。
橋本選手に、リスクを負ってでも前に行くという決断をさせる。
自分が抜けても後ろを任せられると思えるだけの信頼感。
それがあったからこそ、橋本選手は攻めに出られたのかな、と思います。
先日、現役引退をした#4平久 将土選手。そのバトンは、若い二人に託され、それをしっかり受け取ってくれたのかな。
ベンチに掛けている#4のユニフォームも、ようやく肩の荷がおりたような。
そんなことを感じました。

#4の想いを受け継いで、大きく羽ばたいてほしい

千葉県社会人サッカーリーグ1部は劇的な幕切れとなりましたが、NAGAREYAMA F.C.の2024年の戦いは、まだ終わりません。
むしろ、これからが本当の挑戦です。
千葉県を制したNAGAREYAMA F.C.に与えられた、関東社会人サッカー大会への挑戦権。
関東社会人サッカーリーグへの昇格をかけた、各県の王者…猛者たちによる熾烈なトーナメント戦が始まります。
NAGAREYAMA F.C.の初戦は、11月2日。
埼玉県1部リーグのFCカラスト埼玉南西さんとの対戦です。
関東リーグ昇格に向け、ここからが本当の勝負のはじまり!
まだまだ、熱いシーズンは終わりませんよ!!

今週は以上になります。最後までお読み頂き、ありがとうございました!

普段は落ち着いた橋本選手の試合終了後挨拶も、今週は気持ち高ぶるもので、最高でした!



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