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しゅわっとする日々 「感謝の言葉」

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》。雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。

こんにちは、松竹梅です。よろしくおねがいします。

私には顔も見たくない人がいます。何年か前にありえない態度をとられてほんと嫌いになりました。その人を仮にAとします。

私は作業所に通ってるのですが、Aも同じ作業所にいます。それで、今年のはじめ辺りからよりによってAとごく近くで作業しなければならない羽目になったのです。それがここ最近すごくストレスでした。

そんなある日というかつい先日、その日も私はAの近くで作業してたのですが、とあることでAの手を借りることになってしまったのです。私はAごときに助けてもらいたくなどなかったのですが不本意ながら手を借りました。

それで私も一応いい歳した大人なので、内心ほんと嫌だったけど平静を装ってAに感謝の言葉を伝えました。するとAは、ぎょっとするというか一瞬気まずそうな顔をしたのです。

その時私は感じました。勝ったと。私はAの優位に立ったと。

なぜこれが勝ったことになるのかわからないですが勝ったのです。それ以降Aのことを思い出してむしゃくしゃすることも少し減りました。

今回のことで私はこの世の仕組みをひとつ知ったような気がしました。そしてこれからも折を見てはAに感謝の言葉を伝えたいです。更なる勝利のために。



赦す気はさらさら無くて心太  松竹梅


【今回の執筆担当者】
松竹梅/好きな食べ物は麺類と鍋もの、好きなチューハイはキリン本搾りレモン。幸せになりたいです。


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