しゅわっとする日々　めんどくさいクエスト

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋＆フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。

こんにちは。松竹梅です。よろしくお願いします。

なんか世の中のことすべてがめんどくさいです。

朝起きるのもめんどくさいし、顔を洗って外出するのもめんどくさいです。今がとてもめんどくさいし、今までの人生ずっとめんどくさかったような気もします。

よく過去に戻って人生やりなおしたいなんていう人がいるけど、私はいやです。3時間前にだって戻りたくありません。めんどくさいから。未来も想像するだけでめんどくさいです。輪廻転生が本当にあるのか知らないけど、もしあるならまた生まれ変わるのめんどくさいです。もう1回小学校とか行かなければならないのかとか考えるだけでめんどくさいです。

そこでめんどくさい現実から目を背けるためにテレビゲームでもしようかと思うけど、それもめんどくさいです。操作方法をおぼえるのもめんどくさいし、勇者になって魔王を退治しに冒険の旅に出たりするのもめんどくさいです。

もっとめんどくさくないゲームがしたいです。

たとえば、プレイヤーは村人Aで、勇者の実家の3軒となりに住んでいます。冒険の旅に出る勇者を村人総出で見送ったあと、毎日うわさで勇者の活躍を伝え聞き一喜一憂します。最終的に勇者は魔王を倒して村人みんな大喜びして、プレイヤーの村人Aも「あの子の名前は私が付けたんですよ。」とか言って村人Bや村人Cに自慢します。そして村に凱旋した勇者に話しかけられたらこう言います。

「おかえり　ゆうしゃ　ああああ。ぼうけんの　たびは　さぞ　めんどくさかった　ことでしょう。」

そんなゲームがしたいです。

【今回の執筆担当者】
松竹梅／好きな食べ物は麺類と鍋もの、好きなチューハイはキリン本搾りレモン。幸せになりたいです。