尾道の休日(2)
旅は早く起きて、早朝の空気を吸いに行くのが鉄則だ。一人布団を出てまだ清々しさの残る町を散歩する。
高台のお寺に上って、動き始めた尾道の町を眺めてみる。毎日これくらいの余裕があればいいなと思いながら。「今日も一日!」という気持ちになる。
二日目はしまなみ海道を今治までドライブすることに。せっかくなので向島から隣の小さな岩小島に行ってみる。道脇に車を止めて、何もない海岸に降りて穏やかな海を眺めると、ドライブ中に気づかなかった静けさがさざ波のように押し寄せてくる。夏のひとときだ。
サイクリングのときにも訪れた瀬戸田の商店街へ。知らない町をふらふら歩くだけ、それでも何か楽しい。
ビーチは風がとても強かった。水着を持ってくればよかった。気づけば砂浜からビーチを眺めるような年齢になってしまったなあ
この先の人生で「夏 景色」という言葉から脳内検索して真っ先に思い浮かんできそうなそんな風景。空も海も山も、夏以外では見られない鮮やかさで、自分の代わりに「今この夏を生きている!」と言っているみたいだった。
愛媛は今治までたどり着いたけれど、市街地まではいかず、四国まで来たということ達成感だけを胸にしまって、遅めの昼ご飯には鯛めしを。ご飯の後は、お店の目の前の海岸沿いを、堤防の上を歩いてみたりした。
関西を離れてから縁遠くなってしまった尾道。次回来訪したときには同じ海や町を観ても違うことを思うのだろう。
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