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尾道の休日(2)


歓楽街は夜の妖しいネオンライトと同じくらい早朝のもの侘しさもいい

旅は早く起きて、早朝の空気を吸いに行くのが鉄則だ。一人布団を出てまだ清々しさの残る町を散歩する。


浄土寺。塔も本殿も朝陽で昨日を洗い流しているよう

高台のお寺に上って、動き始めた尾道の町を眺めてみる。毎日これくらいの余裕があればいいなと思いながら。「今日も一日!」という気持ちになる。




向島と尾道中心街をつなぐ渡し船
今日も暑くなりそう


渡しの先では、釣りをしている人がいる
「航路」では昔に来た時も朝にパンを買った



岩小島。何もないがある。堤防沿いの細道や、枝が折りてきてフロントガラスをたたくダート気味の道もあってそれはそれで冒険チックだった。農業などはあまり見なかったような

二日目はしまなみ海道を今治までドライブすることに。せっかくなので向島から隣の小さな岩小島に行ってみる。道脇に車を止めて、何もない海岸に降りて穏やかな海を眺めると、ドライブ中に気づかなかった静けさがさざ波のように押し寄せてくる。夏のひとときだ。

対岸の尾道市街


しまなみ海道を通るなら車でも自転車でも立ち寄りたいドルチェ。
テラスでアイスを食べながら夏の昼下がりの小さな幸せに浸ろう


高根島へ続く橋の下に車を停めて
鞆の浦までゆく船が出ている
商店街でほくほくのコロッケを食べよう
古民家ホテルでは高級客にスタッフ総出でお見送りをしていた

サイクリングのときにも訪れた瀬戸田の商店街へ。知らない町をふらふら歩くだけ、それでも何か楽しい。


瀬戸田サンセットビーチ

ビーチは風がとても強かった。水着を持ってくればよかった。気づけば砂浜からビーチを眺めるような年齢になってしまったなあ


亀老山展望公園
かつてここに上った昔の人たちは橋のない景色を見ていたのだろう
夏雲の向こうには何があるのだろうか
ジブリのようなアニメーションを描きたくなる景色だ
稜線越しに航跡が見える

この先の人生で「夏 景色」という言葉から脳内検索して真っ先に思い浮かんできそうなそんな風景。空も海も山も、夏以外では見られない鮮やかさで、自分の代わりに「今この夏を生きている!」と言っているみたいだった。


橋の造形美にもいつも驚かされる



伊豫水軍では豪華なランチをいただける
誰もいない海が一番好き
”どこまでもあの夏は青くかがやいていた~”(何の歌)
「夏のクラクション」のような一枚。カーブのむこうから白いクーペがやってきそう

愛媛は今治までたどり着いたけれど、市街地まではいかず、四国まで来たということ達成感だけを胸にしまって、遅めの昼ご飯には鯛めしを。ご飯の後は、お店の目の前の海岸沿いを、堤防の上を歩いてみたりした。


尾道ラーメンを忘れずに。食べたのはたぶん「丸ぼし」

関西を離れてから縁遠くなってしまった尾道。次回来訪したときには同じ海や町を観ても違うことを思うのだろう。

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