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バンコクへ

2023年11月13日から18日までタイのバンコクへ旅行。
その時のこと。

スワンナプーム国際空港。旅のはじまり


東アジアや中東を結ぶハブ空港としての立ち位置を確立したバンコク

成田からバンコクへ。燃料費高騰が関係して、航空券は大学生の頃思い浮かべていたタイ旅行の値段の感覚とはかけ離れていた。手荷物検査場を出たところで待ち合わせ。エアアジアの機内アナウンスの邦訳はとてもゆっくりなスピードだった。タイの人たちの発音は本当に、男女問わず可愛げな鈴のような響きがする。海外に行く緊張感はもう全くなかった。何も怖いことはない反面、油断しすぎないようにしないといけない。窓際の人に怪訝な顔をされない程度に、首を伸ばして窓から空の下に目をやれば、海を渡って東南アジアの大地がいつ見ても新鮮な新鮮な緑色をして迫ってきた。だんだんと近づいてくる街並みの、高速道路を向こうまで見ると霧に包まれていくようにぼやけて見えていくのは、あれは大気汚染だろうか。幾つにも張り巡らされたような田んぼには、水がしっかりと張っていた。

保安場も、もうさすがにコロナ対策で特別何かしているわけでもなかった。スワンナプーム空港はおよそ一年ぶりだった(前回は2022年11月22日)。前回は成田からバンコクの便が遅れに遅れて、カツカツで設定していたデリーへの乗り継ぎが間に合わず、痛い目にあった因縁がある。ただ、その時もパスポートチェックのおばさんや、インフォメーションのお姉さんたちがとてもやさしかった印象があった。急いでいるからと、何人も抜かさせてもらったのにもかかわらず、荷物の流れてくるのが最後で、結果チェックインカウンター(同キャリアでないので再チェックインしなければならなかった。飛行機遅延を考慮すれば無謀だったか)はもぬけの殻で泣き寝入りした出発ロビー。その時に一夜を明かしたベンチの脇を通り、ケンタッキーを食べて(うん、水の味はいい感じだ)、あの時のインフォメーションを横目に市街地へ向かうARLに乗った。バリアフリーのため、というよりは速く移動したい人のためといったような高速のエスカレーターが懐かしかった。


THBは旅行期間中4.21円~4.28円を推移(2023対円最高値。。)
円表記は初めから円建てでの購入

◇航空機
・AirAsia航空機(NRT⇔BKK)(11/13 9:15-14:35): 41850円
・受託手荷物20Kg:800円
◇ケンタッキー@Airport
・水500ml    30THB
・チキンロール 54THB 
・チキンサンド 46THB



空港にAirport Rail Link=ARLの駅が直結している

券売機は少しアナログで、いくつかは故障中だった。タッチしにくいタッチパネル。なので地元の人も観光客も窓口で直接買っている人が多かった。目的地までのお金を支払うと、ホープ軒(最近タッチパネル式になった)のような、安っぽいプラスチックトークンが落ちてきた。回数券のようなものはないのだろうか。調べてみるとあるっぽかったので使ってもよかった。
ホームには警備員がいて、ホイッスルを持って出入りを管理していた。社内は冷房が強かった。これでは外気との気温差にやられてしまいそう。


摩天楼 in バンコク

高架から見る鉄道の汚い窓越しの、バンコク郊外のランドスケープ。ヘルメットのない二人乗りのスクーター(鉄道のCMではひっきりなしにヘルメットなしの運転は死を招くみたいなのが流れていた)。水の張った田んぼ。バナナのような木。集合住宅や均一につくられ家々が立ち並ぶディストリクト。貯水池のような水辺には何かの養殖網が浮いていた。タイ式の金ぴかな寺院。張り巡らされた運河の水位とそう変わらない高さに建てられた木造の家は古く、駅の裏でヒジャブを被った女の子やわんぱくそうな男の子が遊んでいた。次第に、けだるそうな陽の光に照らされた高層ビルが現れてきた。


・ARL(สุวรรณภูมิ~พญาไท):45THB


พญาไท(Phaya Thai )駅。アジアの熱気。ここでBTS Skytrainへ乗り換え。

・BTS(พญาไท~นานา)35THB


車体は汚れているが、中はきれい

BTSの中にはたくさんの人。片側には席がなくて、寄りかかるスペースになっていた。バンコクの人たちは真ん中をあけて皆、そこに寄りかかっていた。ARLよりずっときれいな窓から見る街の風景は、遠く高いところに目をやれば、高層ビル群並ぶ先端都市、線路沿いの真下に目を向けるとまだ汚い建物もたくさん残っていた。列車を待つ高架のプラットホームから覗いた、高架線の向こうに広がるどこか上海や香港をほうふつとさせるデザインのビルとそれに縁どられた青い空の風景は、旅を感じさせた。

日本企業や文化がここまで浸透しているとは、ということをこの先知ることになった。
นานา(Nana)駅には小さなローソンがあった
นานา駅の高架下。右に見えるのがSukhmvit Rd.

ホテルは中ランクくらいのものをブックした。最寄りのนานา駅は、降りてすぐに、そこが繁華街であることが判るような、バンコクの中でもそんな地区の一つなようだった。あの懐かしいアジアのカオティックなむんむんとした熱気、情報量の多い風景。それでもバンコクのそれはインドともベトナムとも違った。どうしてかはわからないけれど、そんな違いも降りてすぐに感じられるものだった。懐かしい車の渋滞とそこをすり抜けるバイクのエンジンの音。都会だ、けれどそれはまさしく東南アジアだった。สุขุมวิท(Sukhmvit)大通りの中央分離帯に白い長髪のホームレスのおじいさんが座っていった。駅の階段を降りたところのガードレールにはアフリカ系の若者が2人腰掛けて、何かを待っていた。この近くには、インド・アラブ系のやアフリカ系の通りがあるらしかった。欧米系のおじさんも多く、既にだいぶ多国籍の様相を呈していた。


Sukhmvit Soi 1/7。大きな通りから伸びる路地のことを”ソイ”という

ホテルに行くときに間違えて1本隣の通りに入ってしまったが、ここは有名な怪しいマッサージ屋が並ぶ通りだった。ニューハーフか女性か分からない美意識の高い方々が誘うような言葉をかけてきたり、スカートを少しめくって太ももを見せてきたりした。店から大勢出てきて準備をしたり、軒先で化粧をしながらボーイと話したり、店の奥は通りを向くカウンター席があって、まだ日も落ちていないのにそこで一杯やっている欧米系のおじさんがいた。あんまりいい匂いもしないのでそそくさと退散した。

泊まったのは、Eleven Hotel Bangkok。
ホテルのあるSoi Sukhumvit 11。思い出の通りだ

・Eleven Hotel Bangkok:9428.09THB(Booking.com)


駅前の大通りからホテルの通りに曲がる角には、たばこやらよくわからない大麻ではないと思うが薬草系の何かを小瓶にいれて売っている、というかその前に椅子を置いてつまらなそうにスマホをみているだけの男がいた。途中にあるホテルの入り口のスペースでおばさんが小さな青い屋台で値段も名前もない料理を作っていた。そのスパイスの聞いた香りと辺りを這うように立ち込める排気ガスと、ときどき気持ちの悪くなる下水の臭いと・・・ああ東南アジアに舞い戻ってきた。

ホテルの一階はあまり品のない流行りのパブのような飲み屋になっていた。受付のインド系のホテルマンは品のありそうな感じだった。部屋も小綺麗にしていて毎日水もサーブされていて、今までのバックパッカーの旅からすれば申し分はなかった。ジムやプールもついているみたいだけれど、行かなかった。それなら町を散策したかった。目の前の路地の奥まった側に、黒塗りの車なんかがよく停まっていた隠れ家的なピザ屋があって、そこは行ってみてもよかった。

スクンビット通りに続いてゆく渋滞
ホテルではデポジットに1000バーツを預けた

荷造りしたり、忘れ物してしまっていたら、時間も無くなった。日も暮れて、夜の妖しい光に照らされて、派手な色をしたトゥクトゥクがのろのろと乗客を探して目の前を通り過ぎた。公共交通機関を乗り継ぐのではなく、Uberを使って目的地までいくことにした。渋滞で候補の車がなかなか決まらなかった。だいぶ遠い割にリーズナブルな価格だった。

こんなところにも日本が
観光地と観光地の間にあるローカルが好き
日本でここまで派手なのは暴走族だけ。ツアー客用のトゥクトゥク

値段交渉もなく、特に会話もないUberのタクシーは現代的で快適でもあり、少し寂しくもある。タクシーは渋滞を抜けて、コンベンションセンターを過ぎて、バンコクの夜景を背に高架を走る。
 中心部とは違うローカルな暮らしが窓越しに通り過ぎていく。仰々しい漢字の看板の下薄明りに照らされた金物屋、歩道の屋台で何かを作るおばさんとそこに並ぶ半袖の行列は絶対おいしいんだろうな、いつも帰り際にあそこで食べよう、とか。ちょっとお腹を壊しそうな、白と赤のプラスチックの椅子が並べられた地元の安食堂もどこもすべてが、オレンジや白の弱々しげな光の下で揺らめいて見える。旅先の夜の町。


Uber(Nana駅~Asiatique Riverfront):313THB


各国からの観光客でにぎわう
安っちいホーンテッドハウスもあった。日本のより回転が速いらしいけど、インドが速すぎて・・
流行りの洋楽が流れ、ヒジャブを被った若い女の子たちが観覧車の前で自撮りをする

最初にやってきたのはAsiatique Riverfront。10年前にできた商業複合施設だ。ここで早速お土産の買い物を済ませてしまおう。その前にタイについて初めてのごはんごはん。レストランが集まるエリアを歩けば、日本語のカタコトを操る客引きのおばさんや兄ちゃんがしつこく勧誘してくる。それは、少しバックパッカー時代を思い出させるものだった。そして一番しつこかったインド系の兄貴がいる店にすることに。


むし暑い外気の中で、扇風機の風がかすかに涼しい。
生の野菜はちょびっとだけこわいかも
辛くて、汗が止まらない。ナンプラーが効いた日本では食べれない味。

料理は予想通りとても辛く、二人でひたすらに汗を流す羽目に。これは、この先が思いやられる・・・。パクチーなどはアレとして、日本とそう変わらない食材でここまで味に違いがあるのは、やはり調味料の違いか。料理の背後を探ると地理的な文化の違いが浮かび上がってくるような気がして楽しい。そんなことを考える暇もない辛さだ。初めての食事だけど、タイローカルとしてずっとは暮らせないかもな・・。


夜ごはん(上記二つにカレー、300mlくらいのスプライト2缶):800THB弱


それでも小腹が空いていたので、ローカル屋台風のフードコートへ。あくまで”風”であることが重要なのだ。本当のローカルな場所は異質過ぎてかえって多くの人から受け入れられない。日本の「ネオ・昭和居酒屋」なども同じだし、音楽や芸術の懐古主義的な作品も同じ。ただせっかく旅に来たからには、自分の文化や言葉がまったく通用しない部分に触れてみようとすることが必要だと思うのだ。しかし、今はそんなこともつべこべ言わず、おいしそうな惣菜を食べよう。

虫食が売られていたので、食べてみよう。若い店員は、熱心にほかの虫も売ろうとしていた。買った後もなにかしきりに言ってきたのでどうしたのだろうと思ったら、自分が代金を払っていなかった。。サソリやコオロギも売られていたけど、竹虫というのを選んでみた。ガの幼虫で、竹を食べて育つという。パックに醤油とパウダーと虫を一つかみに入れ振って食べるのだがまるでマクドナルドのチキンのよう。調味料の味が強くて虫本来の味がよくわからなかったが、なんとなく乾燥したエビのような味がした。栄養はありそうだった。春巻きも買って、彼女の持ってきたココナツにストローを指して、ぬるい汁を飲む。目の前の客の来ない屋台では、高校生くらいの男の子が手持無沙汰そうに突っ立っていて、時々自分と目が合っては少しはにかんでいる。

強烈なビジュアル。
アジア的異国情緒

・春巻き:100THB
・竹虫 :100TB


いいお土産を探して、散歩。絨毯屋や服屋では、インド系の男たちがほんとうなのかウソなのか分からない文句で自分たち観光客を誘っている。素敵な木彫りの店もあったけれど、優しそうなお姉さんがひっそりと売っているお狭いお店で、ゾウの模様が縫われたような小物入れを買った。

スーパーも入っていて、広い店内には日用食品からお土産まで広く売られている。少し庶民的には高めだろうか。コアラのマーチを買う。店員のホスピタリティがすごい。探しているものを率先して探してくれたり、果物やせんべいや、いろいろなものを試食させてくれる。観光客向けの場所だからだろうか。ドライフルーツのラインナップも多い。


・お土産の小物  :10THB×3
・コアラのマーチ :100THB×5
・水       :30THB×2


タイの人にとっては、もはや辛くないだろう。
きらびやか。

帰りもタクシー(Uber)を使って、夜も更けてきたけれど、次なる目的地、Mahanakhon Skywalkへ。この界隈は、高層ビル街。入り口はホテルのロータリーのようで、どこから入ればよいののか戸惑う。エレベーターに乗って、ゴージャスな螺旋階段を上る。途中にバー兼レストランのような、ブルーライトに包まれたフロアもあった。屋上には、こじゃれたポップソングが流れ、お酒を頼めるカウンターや、カップル向けのソファなどもあり、多国籍な人々で盛り上がっている。バンコクの街を一望。東京と似たようでどこか似ていない夜の街の光。ニューヨークを訪れたときも、最初の夜に摩天楼を一望したのだった。床がガラス張りになっている名物のスポットはスリル満点。若い係員が常駐していて、写真を撮ってくれた。

これはこわいね。

・Uber(Asiatique Riverfront→Mahanakhon Skywalk):117THB 
・Mahanakhon Skywalk:1080THB
・Uber(Mahanakhon Skywalk→Eleven Hotel ):210THB





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