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悲しい小悪党の物語

そこまで言うと、西村は急に「あの笑顔は大変やな」と呟いた。「眼が笑っていない」という。「孤独の深さが伝わってくる。いつも表情を作ってる。人にどう思われるか、人にどう思わせるかを考えているんか」
(石井妙子著『女帝 小池百合子』より)

 いま話題の『女帝 小池百合子』を読んだんですが、これはヤバいですね。ほんとにヤバい。何がヤバいって、サイコホラーかサスペンスの小説だと言われても納得の内容なのに、実際には資料と取材に基づいたバッチバチのノンフィクションであるというのがとにかくヤバい。

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