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それでもできることが、実際のところ何もないような時に

「生まれた場所が違うだけで、家庭が違うだけでなぜここまでの差をつけられなければいけないのか。彼らは別に頭がいいわけじゃないが、環境だけで私よりもずっと高い学歴を獲得していた」と語るブログがツイッターでバズを獲得していたので、ちょっといろいろ考えてしまった。

 もちろん、当該のエントリを作成したご本人については、全く知らない人だし、出ている文章以上の情報は私には何もないから、とくにコメントすることはない。ただ、このような吐露がひとまず受け入れられたというか、賛否はあれど、とりあえず議論の土俵として成立したらしいという本件にまつわる文脈それ自体に関しては、ちょっと興味深いと思った。私自身は、「生まれた場所が違うだけで、家庭が違うだけで」といったことを自分が考えたり、他人が言っていたりしたら、「しかしそれを言うなら、たまたま『頭がいい』者として生まれなかったり、醜く生まれてしまったり、その他様々な形で有利な資質を備えて誕生できなかった人たちにだって、同じことが言えるんじゃないか」と、まずは考えてしまうタイプだからである。

 たまにツイッターなどでも(それぞれの物語に基づいて断言的に)語られる「運と実力」問題に関しては、だいたい上のエントリで言い尽くしてしまっているから、ここで付け加えて言いたいことはそれ以上にはない。

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