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メシを減らして、とにかく走る

 さいきん私の周囲では多くの人が高い意識をもってダイエットに励んでおり、ゆえに様々なカロリー制限の方法論や効率的な運動の仕方についての議論などが流れてくる。そういうのを見ると食事や生活習慣を複雑にすることの苦手な私は(もちろん皮肉ではなく心から)「すごいなあ」と思ってしまうのだが、向いていないことをやっても続かないのは経験的にわかっているので、結局のところいつものシンプルな解決策に戻ってしまう。要するに、「メシを減らして、とにかく走る」というアレである。

 この個人的な方針をインターネットで口にすると、識者の方々からは「それだとスキニーファットに~」とか「ランニングのカロリー消費なんて~」とか色々と言われてしまうのだが、私自身はその結果として得られる体重・体脂肪計の数値や鏡で見る体型などについて満足しているので、とくに現在のやり方を変更する必要を認めていない。もちろん、人にはそれぞれの理想と体質と信念があるのだから、自分の方針を他者に押しつけたいという気持ちも全くないのだが。

 私はダイエットをする際にはとりあえず1日5km、月に100kmくらいを目安としてマメに走ることからはじめることにしていて、これは一つには体質的に筋肉がかなりつきやすいほうなので、軽い自重による筋トレだけでも並行してやっておけば、一般に言われるほど(私の)筋肉と基礎代謝は落ちないということを、経験的に知っているからである。

 ただ、上記のようなことは個人的にはむしろ「副次的」な事情で、私にとってより大きいのは、「走ることを習慣づけることによって、仕事の生産性が上がって生活リズムが整い、その結果として食事の量も減らせる」という要素のほうだ。実際、怠惰や仕事上の負担によって、定期的に走ることができなくなってくると、徐々に作業の効率が下がってきて生活リズムがガタガタになり、そこで食事の量も増えてきて、それが体型に表れるということになりがちである。そういう意味では、私にとってのジョギングはカロリー消費のためというよりも、ダイエット(というか、より実情に即して言えば人生そのもの)の、言わば「ペースメーカー」としての意義のほうが大きいと思う。

 以前の小沢まなみさんとの対談でも、「一般によいと言われてることが、必ずしもあなたにとってよいとは限らない」という話をしたが、まあ気質や体質というのは本当に人それぞれなので、当然ながら科学的な根拠のある正確な情報は適宜収集しつつ、その上で自身にとって実際に有益で必要なものを選択してゆくということが大切なのだと感じている。

 そんなわけで、今夜も私は重い腰を上げて外に走りに出るのである。勉強などにしてもそうなのだが、それが自分にとって有益だと知識や経験からどれほど理解していても、やっぱり実際に手をつけようとすると気が重くなるのは、本当にどうにもならないものですね。

(※この下に文章はありません。)

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