いまさら「閃光のハサウェイ」主題歌を翻訳
このゲームには勝者がいなくなった
何もかも変わってしまったから
より良い世界を作るために僕はやるつもりだ
メビウス、その暗さを粉々にしてみせる
僕が死んでも、僕が居たことを忘れないで
閃光が重なるとき
僕は最後の良心と一緒に果てるだろう
I could never see 決して会うことはない
ということで、「いない」のです。
the game 比喩で、まつりごと(政治)、戦争、国家間のパワーゲームなどのことでしょう。
things いろいろな物事全般、ですね。
for the better, for all of us より善きもの、みんなの為に
ここは意訳で、ハサウェイがテロ行為に勤しむ大義のことです。
tear apart (ばらばらに)引き裂く、細切れにする
the dark, möbius メビウスの輪は「終焉のないこと、果てない事柄」の象徴として使われています。しかし、正しい歌詞にはカンマがあるんですよね。なお、逆シャアのTM NETWORKの主題歌でも「メビウスの輪」が登場します。ここは外せない共有の表現なんですね。ただ、こっちの閃光のハサウェイの歌詞では、直前にカンマがあるので、「闇を切り裂くからね、覚悟してメビウス」という雰囲気に聞こえます。メビウスが悪者というわけじゃなくて、宇宙や時間などの器の意味なのかもしれませんね。
I am gone 私が居なくなっても(死ぬの婉曲表現)
think me 私のことに思いを巡らせて。ここは婉曲を含めた意訳にしました。
The moment the light comes on the lightはタイトルにあやかって「閃光」でしょうね! 閃光が迫り来る瞬間ということは、ビーム砲に直撃されたとき、なのかもしれません。つまり、「光が点く」じゃないとは思うわけですよ。さらに、onの次に何がくるか、meでしょうね! 次の語がIではじまるから。
what’s left that’s still good in me 私の中にある、依然として善いままで残っているもの
use up 使い切る、使い果たす
総合して、意訳のような場面だと考えました。
ああ、違うな――分かっちゃった。「僕が光ることで闇を成敗するから、見ていてね、メビウス。僕のことを忘れないで。光った瞬間、僕に残ってる善を全て使い果たすから」こういうことか。まさしく、閃光のハサウェイ。(きっと、結末のネタバレですね)
あの娘は奪われて二度と帰らない
思い出も消えた
僕をかき立てるのは怒りだ
だから絶対に赦せない
意訳を強めにしました。theyを使うのは誰とも形容しがたい、周囲の暗黙の者たちのことなので、この場合は、この文の書き手に対する集団としての敵対者なのだな、と分かります。
my joyは、初恋の相手クェス・パラヤのことでしょうね。クェスを奪い、あげく殺した憎い奴ら、というわけです。「赦す」の字は過去のことを指します。許さない、じゃなくて、「赦すことは不可能」なんです。だから、赦「せ」ない。
goneしたのは何か。その事実とか思い出ですかね。もう忘れ果てたはずのことだけど、keep me warmされてしまうのです。
求めるんだ(心を研ぎ澄ませ)
より優れた道を(強く願え)
風に抗して泣き叫ぶのだ
体制が内からくつがえるまで
一緒に来い(来てくれ)
力を合わせるんだ(共に闘おう)
終わらせるための道を、やり遂げるのだ
その為になら、悔やむことなんかない
Got toは慣用句でhave toやneed toの意味です。
Gotta =have got to しなくちゃいけない。正しい歌詞では、Gonnaするのは2番目で、それはwailじゃなくてwaveです。
wail 泣き叫ぶ、声を上げて泣く、(人の死を)嘆き悲しむ、泣きながら言う。gottaがあるので自動詞の扱いですね。
get it done 終わらせる、やってしまおう
前半分は自問自答のように訳しました。wayは後でも出てくるのでキーワードとして上手く纏まる単語がいいと思いました。求道者としても。To find a better way「上手な方法を見つけよう」ではなく。平易にするならするで工夫すればいいと思います。自分のブログではそれでまとめました。
the windとは何でしょうか。againstなので、逆風ということなんでしょうね。辛い時期ということなのかな。
wailは続く前置詞も代名詞も目的語もないため、意味を把握しづらいわけですが、クェスを失った嘆きを敵対者に向けて嘆く、ということでしょうね。
the systemは民衆を圧する体制のこと以外には考えられません。打倒することが大義ですから。
「結束すれば、私たちは強い」というのはダース・ベイダーがルーク・スカイウォーカーに放った誘い文句みたいですね。joinだったなら、「同志になれ」だと思うんですが。ここはcomeなんですよね。視聴者かギギか、その対象を誰にでも拡大できる表現です。
And the way to get it done を Anyway~としている歌詞が見られるんですが、間違いです。
So that I don’t have to feel sorry ゆえに、私は負い目を感じる必要はないのです。
反意的に、ハサウェイが自責の念(良心の呵責)をどうしようもできないことを知っているわけで、重要ですね。
このゲームには、一定のルールというものがない
上首尾だったはずが、いきなり真っ逆さまだ
因縁のネメシスはいい先生さ
君を地面にノしてやるべきかな?
そして、君の真価を分からせよう
僕たちは正しいことをする、だから味方になってくれ
collapse into ~に倒れ込む、落ち込む
Shoud I ~すべきかな?
bring you down (慣用句)がっかりさせる、打ち倒す
bring you down to ~に引っ張り下ろす
earth 地面、平易に空との対比の地面でしょう。もし、地球だったならthe earthであるべきですよね。
heaven 幸福な状態、天国
abyss 混沌、ふかい底。いわゆる地獄はthe abyss。天国、楽園はheavenでも通るのに、地獄は定冠詞がつくんですね。ここを~in your abyssとしている歌詞がありますが、きっと間違いです(少なくとも、Musixmatchの提供する歌詞とは異なります)。ヘッドフォンで聴くとyour abyssとは聞こえないです。
funny おかしい、こっけいな、奇妙な、不正な、インチキな。ここではチートもまかり通るというゲームのことだと思ったので、選ぶ言葉の難しい訳出はしませんでした。
I’m learning fromは、running fromと耳コピした人もいるかもしれませんが、ラーンと長く発音せずに、アール(巻き舌)じゃなくてエル(前歯の裏に舌をつける)ですよね。
old nemesisって何でしょうね? ネメシスは宿敵や、自分とうり二つで正反対の者を指します。アムロに対するシャアのような存在のことでしょうか。
そして、ここのyourとは誰なのでしょう? 新しい恋やギギ・アンダルシアのことではないと思います。ケネス・スレッグのことでしょうね。
あの娘は奪われて二度と帰らない
思い出も消えた
けれども、怒りが僕をかき立てる
だから絶対に赦せない
絶対に見つけなくては、より優れた道を
風に抗してうねるんだ
体制が内からくつがえるまで
一緒に来い(来てくれ)
力を合わせるんだ(共に闘おう)
終わらせるための道を、やり遂げるのだ
その為になら感情は殺す、悪いね
gonna =I'm going to するつもりだ
wave 波立つ、うねる、(目的語で)合図をする、手を振る
ここのwaveは手を振るではないと思いたいけど。風に向かって嘆いて、その次はもう少し激しくざわめくのじゃないかなぁ。(手を振ることで)さよならを告げるという意味もあるかもしれませんが、againstなので、静かすぎる気がします。とはいえ、目的語がない自動詞のwaveって他に何があるんだろう。人が「うねる」って何? そう考えると、手を振っちゃうのかな。ここの「風」とはそもそも何か、ということですよ。逆境かな。だとすると嘆いて、それを乗り越える(=手を振る)なのかも。
So that I don’t have to feel, sorry ここは、sorryの前にカンマ! つまり、「感じる必要性がないんだ、ごめんね」かな。
最後の一人を救ったら、僕は去る
いつも笑顔でいよう
生きる道を探そう、まだ死ねない
僕たちが去るときは一緒だ、共に道を見つけよう
put on ~を着る
get away 立ち去る、離れる(ことができる)、(旅行などに)出る、抜け出す
wash away 洗い落とす
I’ll get away when there’s no one to save
(平易な訳)救助を要する者がいない状態では、私は立ち去るだろう。
(別の意訳)救うべき人が居るから私はここに居る。
We'll get away(私たちは立ち去るだろう)とget a way(方法を獲得する)。ついでにいえば、find a way(方法を見つける)。これらをどう組み合わせて美味しくするか。「逃げ出す」なのか、それとも、「出て行ける」なのか。
will get awayをどう取るか。どの訳語を当てはめるかで意味が微妙にズレてきます。さらに、また出てきたway。傷心を抱えている(または、さらに抱えることになる?)ハサウェイの再起を促すかのようなlive again。
it won’t wash 慣用句で It won't work や It won't be believed の意味だそうです。ただし、ここではawayがつくので、この限りではないかな。「笑顔でいること、そうすれば、それは洗い流せない」。翻って、笑顔の大切さ、ってことでしょうかね。「笑顔の仮面を付けていれば、そのうちに馴染んでくるよ」かな。なので、次にlive againするwayを見つけよう、って言ってるんですね。
そうした思いを込めてご覧の意訳にしました。
希望はいつでもそこにある
僕たちはまだ輪を断ち切れる
その圧政だって必ず
一緒に目指そう、野生の花が咲く場所を
立てよ民衆、のような歌詞です。社会主義国家の元だったなら、けっこうアブナイかも。wild flowers growは自由に花が咲けるところって意味ですね。野花が咲く場所、つまり、「自由の国にしよう」かな。
Hope shines eternally 光り輝くのは希望なのですが、ハサウェイも光っちゃうみたいなので、光ることを訳出しないのはダメでしょうね。
すると、I’ll find a way, live again や We’ll get away が意味深になってきます。自爆じゃないのかな? これは原作読まないと! 「(アニメで)結末変えないで」と言っている人もいますし。
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