呪文みたいな
山よりも海が好きだと言う君ときれいな魚をながめに行った
「そういえば昼メシ食ってねえよな、俺ら」見つけた小さな暖簾をくぐる
ウニイクラホタテサーモンエビマグロ 呪文みたいなユージューフダン
丁寧にすくう真っ赤なつぶつぶは生まれるまえの君に似ていた
飲み込んだあとで瞳を見開いてなんて言うのか当ててみせるよ
しあわせな時間だったね死にたての海の仲間を食べた帰りは
_「おいしい短歌」2016.11.23(海鮮丼/ネネネ)
こはぎさんの企画、「おいしい短歌」に載せていただいた連作6首です。たくさんの方達のおいしい歌といっしょにわたしの海鮮丼の歌も並んでいて嬉しくなりました。
お肉も好きですが、魚が大好きです。海のそばの町で生まれ、叔父が漁師だったので小さな頃から海にもぐってタコを捕まえるような女の子でした。
みなさまが海鮮を食べるとき、ふと心によぎるような歌になりますように。
いただいたサポートは制作活動費に充てています。メッセージもいつもありがとう、これからも書いていきます。