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SCARLET NEXUSの体験版に一目惚れした話

・10580JPY

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 まもなく発売となるSCARLET NEXUSを予約購入した。10580円
様子を見る積りだったが、PS4版デモ(スメラギ編)をやった直後、流れる様に衝動買い。デモの最後に流れた主題歌も耳に残ったので、サントラ付きのDeluxe Editionにした。ゲーム一本に1万円以上出したのは久しぶりだった。


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 薄い本でモンスター娘に食べられそうな顔立ちが魅力のスメラギくん(左)を選択。とりあえず彼のルートを数周したが、キャラクター以上にアクション部分が想像以上に良かった。


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 重量感の無さそうな絵面に反し、ヒットストップと効果音がちゃんとあり、敵に斬りつけた感覚はしっかり有る。アニメ的な世界観から、この辺りの気持ち良さが薄いのではと不安があったが、無用だった様だ。敵一体一体は結構硬めで、多数のモブを蹴散らす爽快を期待するとやや肩透かしを食う。弱点攻撃、属性エンチャ、ジャスト回避からのカウンター、コンボと「念力」を連ねて敵を叩き潰す快感がウリだ。


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 そしてスメラギ編の看板が、その念力による投擲技と、仲間達による演出だ。基礎アクション部分に加えてこれらも気持ち良く、様子見予定だった私を一気にSteamストアページに駆り立てた主犯だ(流石にグラはPS4よりSteam版のほうが良いだろう…という理性だけはギリギリ働いた)。


看板1:投擲技

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 スメラギ君はそのへんに転がっているモノを念力で投げつける技を持っている。転がってるといっても石コロとかはでなく、自販機とか鉄骨とかバスとかコンクリ柱とか、妙に挽肉製造性に優れてそうな物ばかりだ。重力操作系のアニメキャラが何かデカイ物を飛ばしてドカ!バキ!グチャ!ってヤツ、アレを自分で、アクションゲーム上でやれる。エロ同人で受けに回りそうな顔をしてる割に随分殺意が高い。


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 特徴的なのは、これが必殺技とかサポート用とかではなく、メインのアクション部分に組み込まれている事だ。主にコンボの初段と〆に使われるのだが、特に初段が遠距離技になるのが有難い。 

 「敵を殴りにいくと丁度敵の攻撃とかち合い、こちらのモーションが潰されてイライラモヤモヤ…」

…という事が、アクションゲームをプレイしてるとよくあるだろう。

 「こっちの攻撃潰されるじゃねーかクソゲ」と文句をツイートしてみた所で「お前が下手なだけだろクソザコ」と煽られ、嫌な気分が残るだけ。レスバのスキルも無いから黙って不快感を押し殺し、やがてゲーム自体からフェードアウトしてしまう。コンボの初段を投擲技にしておくだけで、悲劇はだいぶ減りそうだ。距離を置いた状態からコンボを始められるので、周囲への注意も払い易い。遠くから削る安全な一手にもなり、シメの一撃に使うにも爽快という万能技だ。


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 コンボに絡まない単発技バージョンもあり、こちらもしっかり強力。周囲のオブジェクト配置に縛られる分、当たった時は強力。敵から目を離して周囲を確認する(使えるモノを探す)リスクに、大ダメージと派手な演出で答えてくれる。発動時にQTEが発生するが、嫌われる要素(失敗したら被ダメがあるとか)を排除した物なので心配無い。没入と爽快を増幅してくれる儀式だ。


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 敵が妙に硬めなのは、これらを駆使しての嬲り甲斐を確保する必要からだろう。エンチャやらジャスト回避やら投擲やら、思いつく限りの事を実行して火力を跳ね上がげるのがスメラギ編の楽しさだ。逆に投擲技を使わなかったり、弱点を意識せずに斬り続けると、イラつく程度に敵は硬い。仲間も「周りのモノちゃんと使えよ」と言ってくるし、素直に大質量を振り回す快感を堪能しておこう。


看板2:キャラ演出

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 もう一つの看板は、キャラ絡みの演出面。スメラギは投擲以外にも、エンチャやら無敵化やらの特殊技を持っている。これらには仲間達がバフを掛けてくれているという設定があり、発動する度にキャラの顔がカットインしてアピールする(一瞬なので邪魔にならない)。「私のチカラ、イイでしょ♡」的な台詞も言って来る。かわいい。


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 回避しそこねた攻撃を仲間が確率(?)で防いでくれたり、弱点っぽい何かを教えてくれたり、大技を決めると一緒に喜んでくれたり等、プレイヤーの判断一つ一つに反応を返してくれる。想い云々の話を、アクションに絡める事でテンポを崩さず表現している様だ。ダウンした敵にラッシュを掛ける直前、好みのキャラのカットインを入れてエンチャするのも脳汁が出る。


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 学芸会ノリで世界に立ち向かうアニメ的雰囲気と、緊張と爽快が両立した良質なアクション。双方共を一作に詰め込んでみせたゲームは、大作級ではまだまだ少ない。CODE VEINは粗削りだったし、GOD EATERは(私がプレイした限りの物は)アクションと言うよりハクスラだった。


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 手書きアニメ風3Dモデルをこの質と規模で作り、それを直接操作するアクションゲームは、私の守備範囲では他に見ない(格ゲーはやってない)。

ガワアニメになったニンジャガダクソが欲しい」

…と、100年ぐらい想い続けている私の飢えに、潤いの一滴になってくれそうな気配がする。もう一人のツンデレっぽい主人公には手をつけて無いが、スメラギ編の二つの看板反転させたテイストがウリの様だ。



ボリュームへの不安

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 体験版スメラギ編、個人的には大満足だった。が、デモでここまで楽しめると、「質に開発リソースを使い切ってしまい、量はスカスカになっているのでは」…という不安が沸く。製品版は体験版を薄く引き伸ばした物なのではないかと。スキルツリー画面は見ていてワクワクするが、アンロックした技が噛み合う敵は十分に用意されているだろうか。二人の主人公によるリプレイ性やボリュームも気になる。こればかりは製品版をクリアするまで判らない。来週末を待つ。