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『恋』小池真理子

2023年、20冊目⠉̮⃝

満場一致で直木賞受賞した作品。

再読です。と言っても二十歳そこそこで読んだと思うので内容はうろ覚え。よかった記憶だけは残ってたけど、その記憶は間違いじゃなかった。

連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬―当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、彼ら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が…。

「BOOK」データベースより

布美子と片瀬、雛子の関係は理解できないけどいつまでも続けばいいのにって思いながら読んでたから大久保の登場が嫌で嫌で…でも気になって気になって物語に引きずり込まれるように読み切った。
大久保が言うように布美子は確かに稚拙で、多分他の物語なら好きなキャラクターではないけど、布美子と鳥飼と読者が秘密を共有していくようにし向けられてるからどうしても肩入れしちゃう。
ふうちゃんに夢が現実であったことを最期に教えてあげたかった。

久しぶりに読んだけどやっぱりよかった。『恋』が一番よかった記憶あるけど『無伴奏』『欲望』あたりも再読したい。

阿刀田高の解説に秘密に関する指摘があるのですが、そういう受け取り方がする?この解説酷すぎ…と思ってしまいました。小池真理子があとがきの付記で書いてるように私も解釈していたので、直木賞の選考委員でもあった人が…と驚きました。

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