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こちら側から射る

タロットカード 「太陽」

とんでもなく広い居間にあなたとわたし2人がにらめっこしていても、何も始まらないどころかやがて経年劣化に移行していくだろう。
窓の外を見ると、今まで虚無だった洞穴の奥に、生命を感じるようなエネルギーが溢れ出してゴボゴボと音がする。

流動的で排他的で魅惑的なこの次元において、時間という概念はありがたい存在なのかもしれない。
無かったものが有るようになり、冷たかったものが温かくなり、悲しかった人が中庸になり、消したい気持ちは鳥がついばんでどこかへ葬ってくれる。

もしも重い扉があなたの目の前で、運良くすーっと開くならば、足を踏み入れたら良い。裸足でも土足でも怪我をしていても。
意味など必要以上に考えなくても、こちら側から向こうを射れば、何かがどよめくだろう。微熱を帯びるくらいの明日があなたを手招きしているのだ。

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