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その3 シェルターでパルボが発生。子猫親猫12匹感染し、パルボと戦ったお話

前回までのお話はこちら
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パルボ治療薬としてのタミフル

11匹のシェルターの猫たちがパルボに感染し、なんとかありとあらゆるツテを使ってパルボの治療を行っていこうと決めた時に、「タミフル」が猫のパルボに有効だという話を聞き、主治医の先生にタミフルの投与についてお願いをしてみました。

当初、主治医の先生は、パルボの治療にタミフルというのは、アメリカで効果があったという報告があったが作用機序などは不明だとおっしゃって、もう少し調べてみる、、とおっしゃってくれました。

その後、タミフルの治療方法の文献と、タミフル自体を手に入れる製薬会社をみつけたということで、すぐにタミフル投与治療を開始することができたのです。

タミフルの投与方法

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タミフルの投与の仕方は経口投与。
シロップのように甘みがある液体のタミフルを、パルボの陽性が出た子達の口の中に1mlシリンジで入れ込むという投与方法でした。

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インターフェロンと抗生剤などの連続投与と共に、タミフル投与も始まりました。

インターフェロン連続投与は1週間。
タミフルも1週間投与しました。

一番症状が重かったシェリー・ラフロイグも、この治療を継続することで貧血もなおり、食欲も増えてきました。

その他の猫たちは、パルボらしい症状は全く出ておらず、ただ、ずーっと下痢が続いている状況でした。見た目は元気いっぱい。食欲も旺盛。子猫同士で遊びまくっております。。
母猫達も、いたって健康そうに見えます。。

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でも、PCR検査は陽性。検査会社によると、結構な量のウィルス量があるので、このウィルス量で健康そうに見えるなんてありえない。。とのこと。。

私達は、パルボウィルスも、人間の新型コロナウィルスのように常に変化して、弱毒化しているものがこの子達に感染したのでは???なんて想像したりもしました。

店舗の休業決断

でも、パルボウィルスが、このシェルターに蔓延しているのは事実。
これ以上、このウィルスを感染拡大させてはいけない。その思いで、徹底的な隔離除菌をしばらくの間行うことにしました。

そして、保護猫カフェもしばらく休業することにしたのです。

とにかく、万が一のことがあってはいけない。。絶対にここでパルボは封じ込める。
でも、ネコリパブリックは会社です。

パルボ治療中もスタッフにはお給料が発生し、家賃も発生し、もちろん光熱費も、、医療費だって一体全体いくらか分からない。
もちろん、なんとか運営を続けるために、物販などの収益を全て使っても、到底賄えないだろう、、と思いました。

コロナの緊急事態宣言で休業をせざるを得なかった時よりも、医療費や人件費がかかります。当時は、最低限のスタッフで、なんとか乗り越えていました。が、、パルボである以上、毎日の感染した猫たちの投薬やお世話。猫カフェ部分も消毒の徹底などが必要です。。

とにもかくにも、費用はなんとかしよう!と心に決めて、

2週間の潜伏期間は絶対に休業が必要だと判断しました。

公式発表の目的

公式発表は、SNSとホームページを使って行いました。

パルボウィルスを発生させたシェルターなどは、ほぼ公式発表は行わないことが多いようです。
その後の譲渡にも影響がでるかもしれないからです。

でも、私達が、このように公式に発表した理由は、やっぱり

猫を保護する団体として、保護猫カフェとして、生命に向き合う仕事として、絶対に隠すことなく、恥ずかしくない対応を、、という思いと、猫たちにとって、ワクチンがいかに必要で、有効性に公表することで多くの方々に知っていただくきっかけにしたいと思ったから、、、

パルボはどこにでもあるウイルス。そのために猫たちには3種混合ワクチンを接種がいかに大事かを広めたい、、と思ったからです。

毎日行った衛生管理

タミフルとインターフェロンをつかった積極的な治療の他に、毎日、徹底した衛生管理をしてくことにしました。

まず、GUで、安いズボン、靴下などを大量購入。
そして、スタッフTシャツを大量に用意して、作業するスタッフは着替えを行います。作業が終了したら、その服は専用のかごに入れ、その後、ビルコンにつけて、消毒後洗濯をする。乾燥機にかける。を毎日繰り返しました。

ビルコンはピンクの液体なので、みるみる洋服はピンク色に染まっていきました。ただ、やはり、パルボウィルスをシェルターより外に絶対に出したくないので、洋服の着替えの徹底はシェルターに入るスタッフ、お店に入るスタッフ徹底してもらいました。

もちろん、シェルターとお店の行き来は禁止。
シェルターに入るスタッフは、着替えたあとに更に防護服をきて、手袋をはめ、専用の靴を履き、ビルコンをつけたプールの上をとおります。

スタッフ同士のやりとりは、基本LINEで。

でも行き来する場合は着替えをする。というようにお願いしました。

パルボ発生当初は、いつも来ていただいていた猫部屋ボランティアさんにもお休みをしていただき、できるだけ少人数のスタッフのみでお世話をすることにしました。

その他にも
ビルコンを使って、シェルターも、猫カフェ部分も毎日食器を徹底的につけこんで消毒。その後バイオウィルで拭き取り。

毎日、バイオウィルをつかった床掃除、その際に使用したタオルは捨てる。
布類は全て一旦破棄。
猫用のベッドは、新しいバスタオルに変更。猫カフェ部分も同じく。

そして、感染している猫たちがつかったタオル類もすべて破棄。

そして、トイレの丸洗い、ビルコン消毒。これは、全てのトイレを毎日砂をすべて取り替えて、消毒を行う作業を、シェルター&猫カフェともに行いました。

また、猫カフェ部分は、床、壁、家具すべてに、バイオウィルを噴射して1分つけてタオルで拭き取る。タオルは破棄。この作業を空いた時間にずっと行っていました。

この作業、、、2日間するだけで、もう手持ちのタオルがなくなってきてしまいました。そこで、、、助けてください!とさらに声をあげることにしたのです。


支援物資が大量に届く、、

タオルがないのです。助けてください、、というSNSでの投稿をしたところ、、、、、
もう日本中の人が反応してくれたかと思うくらい、、大量のタオル、そしてアマゾン欲しい物リストに掲載している物資がネコリパブリック岐阜店に届き始めたのです。。。


つづく。。。


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