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その2 シェルターでパルボが発生。子猫親猫12匹感染し、パルボと戦ったお話

前回までのお話はこちら

PCRの検査全頭 陽性・・・・

簡易キットの検査で全員陰性でほっとしていたのもつかの間、、、
PCRの検査の結果が届きました、、結果は、なんと全頭 陽性・・・・それはそれは衝撃を受けました。

PCRをした子たちは、11頭。

最初に簡易検査でパルボ陽性になったシェリー。その兄弟のラフロイグ,

シェリーとラフロイグの面倒をみていたエリザベス。

シェリーラフロイグ2

エリザベス

そして、うっすら簡易検査で陽性になった子猫、ベンジャミン。

ベンジャミン


その兄弟の、シャーロット、ジャスティン。そのお母さんのオペラ。

オペラ一家

そして、まだワクチンを打っていなかった可憐一家。
母猫 可憐

可憐

子猫 ラム・ジン・カルア・カシス

じんらむかしすらむ


シェリーとベンジャミン以外は、簡易キットでは陰性。

なので、可憐一家は絶対に陰性だと思い、念の為、預かりさんの元へすでに移動しておりました。

もちろん念には念をということで、お預かりさんのもとでも完全隔離、そしてバイオウィルでの消毒の徹底は行っていただいていました。

とにかく!!!これ以上感染を拡大させない。
感染した子達をすべて、ネコリパ岐阜に併設しているシェルターで管理することにしました。

容態が急速に悪くなっていく子猫たち・・

PCR検査の結果は、追加料金を払って最速ででるよう依頼していたので、4日ほどで出たと記憶しています。

ただ、その4日間の間に、最初に簡易検査で陽性になったシェリーとそのラフロイグの体調がみるみる悪くなっていったのです。

シェリー貧血


真っ白になったシェリーとラフロイグの写真

もちろん陽性と判断された翌日から、この二匹は積極的治療を行っているにも関わらず、貧血が進行し、耳や口の中、肉球など本来ピンクだったところが、血の気がひいて、真っ白になっていったのです。

このときパルボの進行の速さ、そして子猫たちの体力を奪うスピードの速さを実感し危機感を強めました。

食欲もなくなっているので強制給餌を行い始めました。
強制給餌といってもシリンジにAD缶(栄養価の高いフード)を少し温め柔らかくして入れて、口元にぴゅっといれると自ら食べてくれていたので、食欲があることが救いでした。

シェルターの中にも小さな倉庫があったので、その倉庫の荷物をどけて症状が出始めているシェリーとラフロイグは完全隔離。

11匹全頭積極的治療を開始

その他の9匹はシェルターの中で、PCR検査の結果が分かった翌日から、まだ、パルボらしい症状は全くでてはいませんでしたが、シェリー、ラフロイグと同じ治療を開始し、家族ごとにケージで健康管理を続けました。

最初の治療内容はこちら
インターフェロン 0.1ml/kg 
エンロフロキサシン 0.1ml/kg
セレニア 0.1ml/kg
レバギニン 0.2cc
ソルラクト 20ml  点滴

この治療を1週間連続で行う。という内容です。

治療1

治療3

治療2

パルボの子は、病院につれていくことで病院にパルボウィルスが蔓延し一般のお客様にもご迷惑をおかけしてしまう可能性があります。また頭数も多いので、今回は、ネコリパブリックと提携している獣医さんたちに、バトンリレーで毎日往診にきていただくことにしました。

協力いただいた獣医さんは3名。
メインで治療をしていただいている先生がどうしても来れない時に、別の提携している獣医さんに入っていただくという形で、毎日の往診治療を行うことができました。

本当に、本当に、先生方のサポートなしでこういった形をとることは不可能だったので、助かりました。

また、毎日、獣医師の先生がきてくださることで、スタッフの安心感が違います。誰もが初めての経験で、この対応があっているのかどうかも分かりません。

試行錯誤しながら、ひとつひとつ細かいことも相談しながら、治療をすすめられたことは何よりも心強かったです。

様々なパルボ経験者にお話を聞く

今回、ネコリパ岐阜のシェルター部分で、パルボウィルスが発生し、なんとか全頭を救いたいという想いで、とにかくいろいろな経験者の方にお話をお伺いすることをしました。
残念ながら感染した子が亡くなってしまった方もいらっしゃいます。
また、なんとか生還させた!という方ともご縁があり、藁をもすがる想いで治療法などを聞きました。
その中で、この2つをやってみたい!!と主治医の先生に相談をしました。

タミフル投与
健康な猫の血清治療

タミフルはまさに人間のインフルエンザの治療薬として有名です。これが効いたという実例を、とある保護猫活動をしている方からお聞きました。

また、健康な猫の血清治療というのも、保護猫活動をされている先輩にお聞きしました。この治療を行った子は生還したのです。

主治医の先生が、残念ながら血清が作れない、、ということだったので、タミフルを手に入れることができるか製薬会社に問い合わせ。かつ、タミフルが猫パルボに有効であるという文献を探してくださり、早速、ネコリパの子達にタミフル治療を開始する段取りが整ったのです!!

どのような治療をしたのか、は次回のnoteで。

次回は、シェルターの衛生管理や、どんなふうに飼育管理をしていたのかをお話します。

つづく


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