明治28年のお正月風景/ある歌人神官がみた明治(4)
4代前の先祖「葦の舎あるじ」の歌集『随感録』は、おそらく明治27、28年から33年の間に詠まれたと推定できる225首が収められている。
明治28年 正月 のどけさは 都も鄙も変わらざりけり
詠んだ時期の記述がはっきりあるものは少ないが、およそ時系列に並んでいると考えていい。季節の移ろいに、ほとんど矛盾がない。
第4番の歌は「都にてはじめて年を迎へるおりによめり」という詞書がついている。
おそらく、國學院への進学で上京した際に詠んだのだろう。
この時期の作に「二