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ある歌人神官がみた明治

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物置から出てきた史料から、先祖は代々古い神社に仕えていたと判明。明治27年~明治33年に高祖父が詠んだ歌を紹介しつつ、ファミリーヒストリーを追っています。
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#寫眞

友達以上恋人未満は世を超えて。思わせぶりがすぎる/ある歌人神官がみた明治(10)

写真が好きだったのだろうか。葦の舎あるじは、しばしば自分の写真を人に渡したり、一緒に撮ったりする歌を詠んでいる。  明治30年前後の写真撮影料金がどれほどだったのか、残念ながら資料を持たない。安くはなかっただろう。  葦の舎あるじが写真を詠む初出は明治29年。「寫眞のうらに」と題している。 「わたし写真うつり超ブスだからぁ~」は、いつの時代も変わらない。この青年らしい自意識が好ましい。  明治30年にも、同様に写真の裏に書きつけたという歌が登場する。  明らかに、誰かに