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この世に確かなモノ無し! 〜全てはキミの思い込みなんだよ



色即是空 空即是色

紀元前6世紀頃に釈迦を開祖とする宗教がインド北東部ではじまった。
仏教である。
現在その信者は世界中に約5億人ともいわれる。日本でもキリスト教を越えるメジャーな宗教として圧倒的な信者数を誇る。
その仏典ともいうべきものに「般若心境」(摩訶般若波羅蜜多心経)があるが、これはもともとサンスクリット語で書かれていたものを高僧として有名な玄奘三蔵によって訳された。
そしてそこにある一文、

色即是空 空即是色

これは本仏典の核心部分といわれる。
さて、どういう意味なのか。

この世のありとあらゆるモノは、おまえの妄想にすぎない。目で見て手で触れていても、耳で、舌で感じてもそれは錯覚にすぎない。本当のモノなどおまえにわかるはずがないのだ。何故ならば、おまえは人間だからだ。

「そんな馬鹿な!」
多くはそう思うだろう。例えばテーブルの上に赤いリンゴがあったとして、それが「妄想や錯覚のわけがない!」と自身をもって主張するだろう。
けれど、それこそが幼少期からすり込まれた思い込みなのだ。

近年になって、実はこの色即是空は正しかったことを生物学が証明した。
人間は「世界を直接見ることが出来ない」のだ。
眼で見た光景は直接脳へは届かない。眼球から入ったは全て電気信号に変換され、その後に脳内で展開される。つまり脳が創り出すイメージなのだ。わかりやすく言うと光を直接焼き付けるフィルムカメラではなく、僕らの脳はデジタルカメラとおなじレンズの奥に設置されたセンサーによってデジタルデータに変換され、それがパソコンやスマホ内でイメージ展開されるのと同じなのだ。
あくまでも計算結果によって再構築されたイメージであり、しかも人間の脳はそのイメージを過去の記憶から引用する。見ている映像は今ではなく過去の記憶だとも言えるだろう。
まさに妄想であり錯覚なのだ。

これを逆手にとった引き寄せ術がアファメーションだ!

思い込みの力がいかに凄いか、空即是色はまさにそれを証明している。
「赤いと信じていたリンゴが本当は青かったなんて!」

……もちろん釈迦にいわせれば「青くもないぞ。そもそもリンゴなんて存在しない」と言うかもしれない。

けれど「青い」と毎日真剣に思い込めば、リンゴはやがて青く見えてくる。これこそが思い込みの力だ。
欠陥は利点になる。ピンチはチャンスという言葉もある通り完璧なものより余裕を持たせた設計のほうが修正が効きやすい。

例えば、日本の軍艦(護衛艦)はその多くは完成品を建造しない。
「え、そんないい加減なことをやっていたのか。おれたちの税金を返せ!」
と怒る納税者各位は少し落ち着いて欲しい。最初から完璧なフネとして就役させるととても使い勝手が悪いのだ。
一番わかりやすい事例をだせば「これはクウボだろう!」とマスコミが騒ぎ立てた護衛艦「いずも」と「かが」を思い出して欲しい。
この2艦は比較的低予算でいわゆる「空母化」を果たした。何故か。最初から「ひょっとしたらジェット戦闘機を運用するかも」という想定のもと余裕をもった建造をおこなっていたからだ。
(あるいは将来「病院船」として運用可能なように集中治療室や手術にも応用可能な「床に設置された流し」が装備されている)
当初は「ヘリだけの運用にこんな広い格納庫は無駄だよね」「乗員の数以上の寝室スペースなんて意味ないでしょう」とさんざ言われた。けれどそれらは戦闘機とそのパイロットや専属整備員を乗艦させることに応用出来た。これらは欠点ではなく利点だったわけだ。

僕ら人間も、実はとても融通の利く設計になっていたんだ。
本当の姿を確認出来ない眼や耳、手で触れられるのに実は存在しないかもしれない、いい加減な感覚器官。けれどそれは欠点でなく利点。そこに、それは「あるッ!」と信じ込むことで存在しないはずのモノが実在する。

「おれには何も無い。財産も家族も、仕事だって日雇いのアルバイトだ」
そんな風に考えている人が居たとしよう。でも、たまたまそう思い込んでいるだけなのかもしれない。本当は「全て持っている」のに勘違いをしているのかもしれない。
そして、それが勘違いだとわかったら幸運を引き寄せよう。思い込み、信じ、笑顔で暮らしてみよう。
だって、いま「おれは不幸だ」と勘違いしているだけなのだから。自分の脳内に展開する嘘の自分を捨てて、幸せな気持ちに浸ってみよう。


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