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オタク、生まれて初めてJのCDを買う

先日、久しぶりにタワーレコードに行った。
サブスクリプションの便利さに甘えすっかりCDを買わなくなってしまったけれど、購買という形で推しに貢献することはオタクの基本だと思うので、久しぶりのタワレコで、生まれて初めてジャニーズの棚の前に立った。

私にはジャニオタの友人が何人かいるので、ジャニーズのCDがどういう販売形態を取っているのかは遥か昔より聞き及んでいた。

限定盤がAとBとあって、それぞれおまけに内容の異なるMVが収録されているDVDがついていて、通常盤もあって、しかもそれぞれジャケットとカップリング曲が違うんだよ……と。

……なんじゃそりゃ。

えっ?
何でそんなことするの?
そんなに曲がいっぱいあるならアルバム出すのじゃダメなの?
MVはクリップ集としてまとめて円盤にしてくれないの?

邦ロックの円盤と大きく異なる供給形態に目を丸くし、ジャニオタの友人たちはそれを当たり前のように全部買っていると知り目を剥き。

永らくV6のオタクである友人は推しグループの解散を心から嘆きながら、その一方で「解散により私はバージョン違いとは言え同じCDを何枚も買う因果から解放された」と言っていたのが何とも印象的だった。

それを踏まえて、さて私は何を買えばいいのだろう。

目の前にはキンプリのCDがさまざま並んでいる。
やはり最初は『シンデレラガール』だろうか。
それとも好きな曲が表題になっているモノを買おうか。
手当たり次第に棚から抜き出してみる。
そして気づく。
ジャケットの隅に小さく記載されている限定盤AだのBだの通常盤だのの文字。
なになに何がどう違うのか、確かめるだけでもジャニーズ素人にとっては一苦労。
いろいろ手にしているうちに、訳がわからなくなってきた。

(もう買うのやめようかな)
(やめよう)
(買い始めたらキリがない沼だ、今さら買うのは不毛だ、そうだ、やめよう)
(帰ろう)

手にしたCDをすべて棚に戻して店を出ようと思ったその時、何人もの女性が天井に向かってスマホを掲げているのが視界に入った。
あの人たちは何を撮っているのだろうと私も天井を見上げると、そこには岸くんが吊り下げられていた。

タワレコの天井に吊るされる岸くん

タワレコさんのマンスリープッシュということで、キンプリの面々が天井から高く吊るされていた。
壁面にSixTONESやSnowManのポスターがずらりと並んでいるのには気がついていたけど、頭上のキンプリのことはまるで知らなかった。

そもそもタワレコのどこにジャニーズの棚があるのかも知らなかった私は凄まじい緊張感で店に足を踏み入れた。入店時に天井を見上げる余裕などあるわけがない。

しかし熱心に天井にスマホを向けているティアラの皆さんのおかげで私も無事岸くんの存在に気づけた。
ありがとう皆さん。
廉くんの写真を熱心に撮っている小学生のお嬢さんの横で私も岸くんの写真を撮った。

そして思った。

この写真を撮ったからには何も買わずに帰るのは岸くんにもタワレコさんにも申し訳ない。
タワレコさんがひと月かけてキンプリを推してくれているのに報いるためにも何か買おう。
何か。

また別の小学生が、それも今度は低学年と思しきお嬢さんがママのスマホを借りて天井の神くんを一生懸命カメラに収めようとしていた。
あの子にとって神宮寺勇太はもしかしたら初恋の人なのかもしれない。
私にとっての岸くんは初恋の人でこそないけれど、間違いなく初恋のアイドルだ。
そうだ、何を悩むことがある。
単純なことだった。
岸くんのセンター曲を買おう。

……というわけで足早にキンプリの棚の前まで舞い戻り無事買えました。

We are young/Life goes on [CD+DVD]<初回限定盤B>

ドラマ『すきすきワンワン!』は実に良い物語だった。
良いドラマには良い主題歌があるというのはドラマ沼からやってきた私の持論なのだが、“We are young”は例に違わずドラマを彩る最高の一曲だった。
「これが私の生まれて初めて買ったジャニーズのCDです」と胸を張って言える。
私は最高の一枚を選んだと思う。

しかもレジを通したら可愛いレシートももらえた。
今タワレコってこんなこともしてくれるの?
オタクへの福利厚生手厚くない?

しかもよく見たら岸くんのレシート。
ランダム印刷で推しを引き当てたのかと思いテンション爆上がり。
しかし調べたところ月替わりでたまたま4月が岸くんだった模様。
それはそれで幸運!

今買ってよかった!

岸くんのレシート

レシートの感熱紙は経年劣化することがわかりきっているので、帰宅して真っ先にスキャンして白黒コピーした。

ありがとうタワレコ。
ベストアルバムもタワレコで予約します。

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