40

40歳になった。
2^5+8、キリの悪い数字である。
しかし30代でゆるゆると近づいてきた「おっさん」が
ガッチリ肩を組んで来た感じがある。
こんにちは、おっさん。

中学校の卒業文集に「三十路の約束」という
30代の自分を予言するコーナーがあり、
僕は「プー97%、BIGになる3%」と書いた。
30代はおろか40代に入るまでをかなり正確に予知している
自分の慧眼に驚くばかりである。
(当たり前だが、中学生の自分は3%側になるつもりで書いている)

20代半ばで音楽制作の会社を辞め個人事業主となり、今に至るまで経済的に破綻せずに暮らしてこれた事は大変ありがたい事だ。

10年位は音楽で自分のアウトプット先を探し続け、
どうにも向かう先を定めきれずグツグツと煮詰まっていたところに
それまでもニクロム線はんだごてを持っている程度にたしなんでいた
電子工作のエッセンスを掛けてみたらあれこれなんてケミストリー?
みたいな感じで楽しさが爆発し始めた感じはなんとなく覚えている。

2年ほど前に飼い猫の入院が相次ぎ、お金を稼ぎながら、病院に通い、新しい事にもチャレンジする、という生活を送っていたらあまりの密度と穴の空いた財布(比喩)に心が折れかけてしまった。
自分ではかなりギリギリの精神状態で、いきなり息苦しくなったり集中力が極端に下がったりと変調が起きていたので心療内科に行くと、病気ではないという診断。
ほっとしながら「まあ、今は仕方ないからお金のことを考えすぎないでしばらく体を休めよう」というスタンスに切り替えて乗り切ることができた。
多少なりともあった貯金に感謝。
(しかし心療内科、弱った人に「診察を予約できる日は一月以上先です」はきついよなぁ...と思ったのを覚えている)

それを意識してから少しずつ生活をMakerメインへと変えてきたのだが、そうするとなぜか色々な人から面白そうな事に声をかけていただくことが増えてきた。いっちばん最初に2018年のMaker Faire Tokyoで声をかけてくれ、その後のイベント登壇に誘ってくれたイチロヲさんには特に感謝している。

お金のことを考えすぎないとはいえお金を稼がないと生きていけないので、何をやっていてもマネタイズという言葉は常に頭の中にある。ちょっと面白いと思っているのが、Makerとして生きるために活動しているのではなく、生きて行ける場所を探してさまよって今Maker活動をしているということだ。

イベント展示などで作品を展示しているとたまに「どんな学校に行ったんですか」とか「何かそういうお仕事されてるんですか」とか聞かれるが、今まで書いた通りずっと音楽をやってきてそういうお仕事についたこともない。何もかもが我流だ。特別使える言語もないし、きちん理解できている回路知識もほとんどない。だからプロフェッショナルなエンジニアにおけるスキルセットは何一つ人に言えるものがない。人にアピールできる言葉が無い以上、「こんなもの作りました!」を見せるのが唯一のアピールだと思っている。

具体的にこうしてこうしてこうなる、というイメージがまだかけていないので、結局のところまだ向かう先を探している最中ということになる。
音楽だけでそれをやっていた時と違うのは、目の前にやるべきことやみにつけるべき技術が見渡す限り見えている、ということで、今はそれらを一つずつもしゃもしゃと咀嚼している最中だと思っている。

そして、具体的なスキルセットが無いとはいえ、思いついたものは何らかの形にはしてきたので、なんか作ってほしいとか、基板組み立ててとか、なんかアイディアある?
とかお話があれば声をかけていただけたらありがたい限りです(急に敬語)
なんせ、今のまま2年くらいたつと多分経済的に死んでしまうので。

書きなぐりなのでちょっとへんてこな文章になってしまったが、今まで感じてきた長いトンネルの先に出られる40代を目指して行く次第なので、生暖かい目線で見ていろこの野郎。

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