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穏やかな日差しに包まれた空間には小さな川が流れ、そのほとりには人の背丈より少し高い木々が並んでいる。木々の枝には感じのいい緑色の葉が茂りそよ風にさらさらと音を立てる。鳥たちが囀る声と川のせせらぎ、木々のさざめきが、一つの空気となって僕の頭を満たした時、気がついた匂い。

懐かしくて、優しくて甘いその香りは、まぎれもなく、桃。

ああ、そうか、あの人が言っていた場所はここなんだ。

安心した僕はそっと目を開いた。




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