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失望なき朝、メンソール、喉を吹く風

インスタントの味噌汁、のための湯を沸かしながら、自炊の境界へ少しでも近づく足掻きとして、パウチに入った味噌や乾燥している豆腐とワカメに加え、白出汁を少しだけ入れる。高まった塩分濃度をちょうど良い塩梅にするために、丁寧につけられた円筒の内側の線、よりも目測1cmほど多めに湯を入れてかき混ぜた。

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必ずしも辛さを伴わない疲労が、新年度が始まってたかが3日間で、ごまかせないほどに蓄積している。薬によって弛緩させられた筋肉が訴えている。身体はもうまもなく起き上がっていることに限界を迎え、適当なところまで文章を書いた後に深い眠りにつく予感がしている。
いのちが歌っている。良識ある人間によって行われた十全な準備は、不健康な義務感を含まない。安心と空白。いつまでこれを握っていることができるのか分からないが、手放すことは避けたい。

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朝が来てしまうことの口惜しさ、住み慣れた夜に眠らなければならないという口惜しさが並立している。決して無理はしない、と誓った一方で、くらやみを楽しむ間隙の時間をもう少し享受したいと思うのは、若さゆえの我儘かもしれない。

眠る。

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