里犬@海外放浪中

7月から海外放浪中🇪🇬🇹🇷🇬🇷🇧🇬🇷🇸🇲🇪🇭🇷🇮🇹🇪🇸🇵🇹 noteでは旅行記を更新しています!

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マガジン

  • 無職放浪記〜トルコ編〜

    無職放浪記・第2章 【期間】2022年8月1日〜28日 【ルート】イスタンブール→アンカラ→カッパドキア→エイルディル

  • 無職放浪記〜エジプト編〜

    無職放浪記・第1章 【期間】2022年7月19日〜31日 【旅のルート】カイロ→ギザ→ルクソール→アスワン→アブ・シンベル 【話数】12話

最近の記事

ミストラは世界で最も美しい遺跡かもしれない【無職放浪記・ギリシャ編(6)】

 先に結論だけ書いておくとこのようなことになる。  今の時代に存在する最も美しい遺跡は、もしかしたらミストラかもしれない——と。  午前8時に荷物を担いでホテルを出た私は、近くのカフェでクロワッサンとコーヒーだけの簡単な朝食を済ませた。バス乗り場に移動すると、スパルタの隣村であるミストラへ行くバスを待つ。  この日、私はギリシャに数ある世界遺産の一つであるミストラ遺跡に向かおうとしていた。  と言っても、ミストラについては「世界遺産の遺跡である」「中世の宗教都市である」と

    • スパルタと残骸【無職放浪記・ギリシャ編(5)】

       ギリシャのペロポネソス半島を巡る旅をしている。  ミケーネの遺跡を見学した後、近くのアルゴスという街で宿を取った。次の目的地は南へ下った場所にあるスパルタなのだが、アルゴスから直通のバスはない。そのため、半島の交通の要所であるトリポリを経由する必要がある。  前日にチケット売り場の女性から午前9時20分にトリポリ行きのバスが出発すると聞いていた。余裕を持ってホテルを出たはずなのだが、アルゴスのバスターミナルに到着したのは出発時間ギリギリの9時10分のことだった。うっかり

      • ペロポネソス半島への旅【無職放浪記・ギリシャ編(4)】

         アテネのホテルを午前8時にチェックアウトした私は、バスターミナルを目指して市内を歩いていた。  私がバスに乗って向かおうとしているのは、アテネから西へ行った先にあるペロポネソス半島だ。  世界史をかじったことがある人ならば、ペロポネソスという名前になんとなく聞き覚えがあるかもしれない。この半島では“スパルタ教育”の名前の元になったスパルタや、青銅器文明が花開いたミケーネといった都市国家が栄えた歴史がある。  スパルタを中心とした半島勢力の同盟は、当時最も勢いのあった都市国

        • パルテノン神殿とアテネの街歩き【無職放浪記・ギリシャ編(3)】

           異国を旅していると、自分に合う街と合わない街があることに気がつく。  何が合って何が合わないのかはうまく言葉では説明できないが、すっと体に馴染むか、いつまでも違和感を感じているかという言い方がわかりやすいかもしれない。  そうした意味では、ギリシャの首都アテネは私にとって“合わない”方の街だった。       *  *  *  フェリーでキオス島からアテネの港に渡った私は、近くの駅まで歩いていき電車でオモニア広場へ向かった。オモニア広場周辺には手頃な料金のホテルが集ま

        ミストラは世界で最も美しい遺跡かもしれない【無職放浪記・ギリシャ編(6)】

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        • 無職放浪記〜トルコ編〜
          22本
        • 無職放浪記〜エジプト編〜
          12本

        記事

          船はアテネへ【無職放浪記・ギリシャ編(2)】

           ギリシャの海の玄関口であるキオス島は、のんびりとした空気の流れる過ごしやすい場所だった。  中心街周辺にある観光スポットといえば『キオスの風車』くらいのもので、ここを見てしまえば後は街をぶらぶらするか海を眺めてぼんやりするくらいしかやることはなくなる。  バスに乗れば幾何学模様の装飾があちこちに施されたピルギ村という村にも行くことができるのだが、残念ながら週末は運行しておらず断念した。  島の中ではあちこちにレンタカー屋を見かけるのだが、そうした交通事情があってのことだ

          船はアテネへ【無職放浪記・ギリシャ編(2)】

          キオス島のアレックスじいちゃん【無職放浪記・ギリシャ編(1)】

           トルコ西端の港町チェシュメを出港した船は30分ほど航海し、午後4時前にギリシャのキオス島に到着した。  船を降りると、すぐ目の前にギリシャに入国するための検査所がある。いくつか質問されることを想定していたのだが、パスポートを見た検査官の男性はちらりと私の顔を見ただけでポンと入国のスタンプを押した。海路での国境越えは初めてだったが、なんともあっけなく終わった。  港を出ると、海沿いに道が続いている。私は道沿いのカフェや売店を冷やかしながら歩いていった。  ギリシャ語の表

          キオス島のアレックスじいちゃん【無職放浪記・ギリシャ編(1)】

          船出の刻【無職放浪記・トルコ編(22)】

           トルコ西部の都市イズミルからギリシャのレスボス島へ渡るつもりが、15分差でフェリーを乗り逃した私は、失意のうちに宿へと帰ってきた。  一体自分はいつになったらトルコを出ることができるのだろうか。それとも、アナトリアの大地に骨を埋める運命にあるのだろうか——  藁にもすがる思いで宿のおやじに相談してみると、「それならチェシュメに行って、そこからキオス島に渡ればいい」とあっさり助言された。  地図を見てみると、チェシュメはイズミルからさらに西に進んだ半島の先にある。トルコの

          船出の刻【無職放浪記・トルコ編(22)】

          流されてイズミルへ【無職放浪記・トルコ編(21)】

           旅の計画が狂いに狂っている。  当初はトルコのリゾート地マルマリスからギリシャのロドス島に入る予定だったが、ハイシーズンや週末などの悪条件が重なって予約が取れず、結局フェリーに乗ることを断念せざるをえなかった。  私が次に向かうことにしたのは、トルコ第三の都市イズミルだ。ここからフェリーで一気にアテネまで行ってしまうというのが代替案だった。  本来の計画ならばアンタルヤからマルマリスに直行し、スマートにロドス島まで移動しているはずだった。しかし予期せぬ出来事が重なりに

          流されてイズミルへ【無職放浪記・トルコ編(21)】

          マルマリスの夕焼け【無職放浪記・トルコ編(20)】

           トルコの地中海沿いの街マルマリスへは、アンタルヤから直行のバスで向かうはずだった。  しかし、私の不注意から直行バスを乗り逃したことで、カシュ、フェティエといくつかの街を寄り道することとなる。ひとまず行けるところまで行こうとカシュに向かったら、そこで出会った韓国人の旅人ジュン君にフェティエのパラグライディングのことを教えてもらい、そのままフェティエに行ったという流れだ。  そんな“地中海沿いの街巡りの旅”も、ようやく当初の目的地であるマルマリスに行き着くことができた。

          マルマリスの夕焼け【無職放浪記・トルコ編(20)】

          “世界三大聖地”フェティエでパラグライディング【無職放浪記・トルコ編(19)】

           巨大な凧のような機体に乗って、自由に空を飛ぶアクティビティ、パラグライディング。  世界にはパラグライディングの“聖地”と呼べる場所がいくつかあり  スイスのインターラーケン  ネパールのポカラ  そしてトルコのフェティエ  この3つの都市が特に有名なのだという。言ってしまえば『パラグライディングの三大聖地』だろうか。  ところが、Googleで「パラグライディング 三大聖地」と日本語で検索してもそれらしきものはヒットしない。私がこのことを知ったのは、トルコの港町カシュ

          “世界三大聖地”フェティエでパラグライディング【無職放浪記・トルコ編(19)】

          旅の偶然【無職放浪記・トルコ編(18)】

           旅にはどうしても“偶然”というものがついて回る。  良い偶然があれば悪い偶然もあり、たまたま迷い込んだ道の先で絶景を見つけることもあれば、つまづいた先に牛の糞が待っていたなんてこともある。  しかし面白いことに、悪いと思っていた偶然が巡り巡って良い偶然に繋がるという結果にもなる。例えばつまづいて足についた牛の糞を洗い流そうと近くの民家で水をもらったら、そこの住民と仲良くなった……なんて展開もあるのだ。  これをことわざでは『禍福は糾える縄の如し』というのだが、旅では禍

          旅の偶然【無職放浪記・トルコ編(18)】

          リゾート地で寝込んでいた話(後編)【無職放浪記・トルコ編(17)】

          前編はこちら↓  翌朝。  前日の就寝時間が早かったためか、午前6時に目を覚ました。  起きたら嘘のように体が軽くなっていた……なんてことがあったらいいなと期待していたのだが、しっかりと熱っぽさと倦怠感は残っている。  ——今日が勝負の日だな。  体調を崩した状態が長引くのかどうか、この日にどれだけ回復ができるかにかかっていると私は直感した。リゾート地にいるのに部屋に引きこもるのはもったいないという思いはあったが、これから先の旅のことを考えるとここでしっかり治すべきだ

          リゾート地で寝込んでいた話(後編)【無職放浪記・トルコ編(17)】

          リゾート地で寝込んでいた話(前編)【無職放浪記・トルコ編(16)】

           自分に備わった“力”は何かと問われたら、私は多分「回復力」だと答えるだろう。  身体的な意味で言えば、昔から傷の治りも病気からの回復も早い方だった。メンタル的な意味でも、何か大きな失敗をして落ち込んでも次の日にはけろっと立ち直ってしまうのだ。  この回復力を活かし、「失敗して傷つく→回復する→適応する」のスパンを高速で回すことで、割とどのような環境に放り込まれても順応できるのが私の強みと言えば強みだった。  仕事をしている時は身体面よりもメンタル面で傷つくことが多いが、

          リゾート地で寝込んでいた話(前編)【無職放浪記・トルコ編(16)】

          ザリガニを食す【無職放浪記・トルコ編(15)】

           中国ではザリガニが人気食材で、ここ10年で消費が激増しているという。  日本では馴染みのない食材だが、食べたことのある人が言うには「味はエビとカニの中間」で「思っていたよりおいしい」とか。  エビとカニのいいとこ取りとは、どのような味なのだろうか。いつか機会があれば食べてみたいなと思っていたのだが、まさかトルコで実現するとは予想もしていなかった。       *  *  *  私はトルコ中部の町エイルディルに滞在していた。  一帯は湖水地方と呼ばれており、この街も三方

          ザリガニを食す【無職放浪記・トルコ編(15)】

          エイルディル湖を望む【無職放浪記・トルコ編(14)】

           カッパドキアの街ギョレメに滞在している間、私は周辺の奇岩スポットに歩いて出かけていってはヘトヘトになって戻ってくるというのを繰り返していた。  ラブバレーとローズバレーに行き、妖精が住んでいたという可愛らしい言い伝えが残る『妖精の煙突』という場所も訪れた。はっきりと測ったわけではないが、ここ数日は1日20キロは歩いていたと思う。  そんな日々を過ごしていたからだろうか。ある朝目覚めると、体が異様に疲れていることに気がついた。いつもは一晩寝れば回復できていたのだが、どうも体

          エイルディル湖を望む【無職放浪記・トルコ編(14)】

          カッパドキアの風景と私の心の天邪鬼【無職放浪記・トルコ編(13)】

           カッパドキアと言えば奇岩地帯に気球が浮かぶ風景を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。  写真でよく見かけるあの景色を見るためには、少し早起きをしなければならない。熱気球が空に浮かぶのは夜明け前から日の出の時間帯なのだ。  私はその日、スマホのアラームに起こされて午前4時半に目を覚ました。ドミトリーの同じ部屋に眠る人たちには、前日の夜に早起きをする旨を伝えてあったが、なるべく物音を立てないようにして身支度を整えると、まだ暗いギョレメの街へ飛び出した。  私が目指すのは

          カッパドキアの風景と私の心の天邪鬼【無職放浪記・トルコ編(13)】