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屋号の由来

夫も私もアメリカからきたコーヒー屋で元々働いていて最初夫は東京の品川店に配属された。

当時の元職場は働き方がアメリカナイズで海外のカフェに来たかのようなフリースタイルな接客をしていたと言う。
実際働いてる人も海外で過ごしてきた人やいろんな経験を積んで面白い人が多かったし、みんな個性を出していて唯一無二な感じだった。

そんな同僚や先輩たちに囲まれて京都の端っこからやってきた夫もなにか個性を出したいな〜とくすぶっており、せっかく東京のビジネス街・品川にいるのだから自分も品川らしくサラリーマンのようなパリッとしたシャツを着てネクタイを締めて働こうと決めたのが最初だったそう。

当時、働く同僚たちの中でそのスタイルはなかったらしく夫はネクタイキャラとしての地位を確立。

京都に新店舗ができると聞き、地元に帰りたいと志願して異動。
京都でもネクタイを締めて働いていた。

そこで京都店オープンに伴って増員として私入社。
2年ほど夫の下で働き、夫に東京への異動辞令が出たのと同時期に結婚。
私も会社にわがままを言ってヨメとして東京に異動させてもらった。


社員同士で交流する機会は多くある会社だったため違う店舗間でも同僚という名の友達はたくさんできるけど、夫も2年ぶりに東京に帰ると新しい人たちが数え切れないほど入社していたので、初めましての人がほとんどだった。

夫は新宿店、私は違う店舗に配属になったのだが、私はその配属先やヘルプで働いた他店舗の社員との世間話の中で「結婚した夫が新宿にいるねん」と話したところ「あ、あのネクタイの人?」とは飽きるほど言われたことだった。

また、夫を知る先輩が私を誰かに紹介する時に「この人の旦那は新宿のネクタイしてる人やで」と言ってくれたこともよくあった。

夫の方が馴染みがあって知ってる同僚が多い東京の元職場であったが、私とよく働く機会があり、かつ夫を知らない同僚たちにとっては「コイツと新宿店のネクタイの人は夫婦」という認識が定着した。

みんな夫のことをネクタイで見分けてるんやな…と私はそこで感じた。


東京で2年ほど働いた後また会社にわがままを言って関西に戻らせてもらうことになり、いよいよ地元で自分たちのコーヒー屋としての活動を始めようか…!となったとき。

屋号はネクタイでいいんじゃねと提案した。
もう散々アンタ=ネクタイの人って言われ続けてきたんやからと。
それがお互いしっくりきて屋号は「ネクタイコーヒー」に決定。

ただ、私たちのこだわりは絶対にカタカナだった。

私は絶大なるおばあちゃん子で夫もたぶんじじっ子ばばっ子だと思う。
年配の方には気軽にたくさん来てもらいたいから簡単で、また、小さいお子さんでも覚えられるように英語の名前にするのはやめた。
(調べたら英語ではネクタイはTieでNecktieはちょっと古い言い方?だった。
それもピンとこなかった。)

そもそも私たちに英語は似合わない。
私たち自身がそんなかっこいい見た目でもないし(笑)
私たちの雰囲気から見ても日本らしくカタカナで名乗ることにした。


ネクタイコーヒーと名乗るせいで夫は前職をやめてからもネクタイを締めることになってしまったけどそれはそれでよかったかもしれない。

夫がコーヒーの職を目指したきっかけとなったあの喫茶店の人も、私たちが敬愛する渋谷の名店・茶亭羽當の方々もみんなシャツにネクタイだ。
目指すべき存在としてリスペクトと共にネクタイを締めてもらおう。

私はキャラじゃないから締めないけど(笑)

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