見た目を整える

前職のカフェではデザインというものにかなり力を入れていてカフェのデザインからズレるようなことをしてはいけないというか、たとえば、自分たちが使う仕事用具はお客さんから見えないようにするとか、シンプルを意識させるためにごちゃごちゃさせないとか…まぁつまりダサい見た目にはすんなよということは強く教え込まれてきた。

なので夫も私もその考えは体に染み付いていたし後輩たちにも指導していたり先輩とディスカッションしたり…見た目に関してはとてもこだわって働いてきた。

だが、実店舗。

もうそんな思いは捨てました。

まず、施工会社さんから店舗を引き渡されてコーヒーバーを整えるためにエスプレッソマシンやらグラインダーやらをセッティングしていったのだが、そこでふと、あ、コンセントがバーの上にある！！と気づいた。

今まで前職のカフェではバーの天板に穴を開けて下に設置したコンセントにソケットをさしてたのでコーヒー器具のコードが全てバー下に隠れる。
なのでコーヒーバーがとてもすっきりしていたのだが。

正直そんなことめっちゃ忘れてたぜ！

もう作ってしまった物は仕方ない。
バーの上のコンセントを使ってマシンやらのコードは丸見えやけどもうお客さんに見てもらうことにした（笑）
長すぎるコードはオレンジ色の輪ゴムでまとめた。
ザ・生活感。
早速バーの上がごちゃつく。

今まで「それって見た目的にどうですか？」とか言い合ってた前職でのこだわりは遠い彼方へ…。

また、どこかの投稿で前述したが収納場所がまるでない。
バー内でちょっと休憩するために購入した簡単な椅子がもはや荷物を置く場所になっていた。
休憩する時はその荷物を床に置いて休憩。
情けない。

オープン当初は「これどこに置けばいいの？」「スペースが全くない」が口癖だった。(今もそうかもしれないが)

さすがに悲惨すぎるということでメタルラックを購入してバー内においた。
元々家庭で冷蔵庫と食器棚の間とか…その絶妙な隙間を収納スペースにするためのラックで幅が15センチくらい。
なのでバー内に置いても全く邪魔ではない。

かつ、なんでも置ける。置き放題。
メタルラックが来たおかげで私たちのQOLがググーンと上がった。

しかし、それはお客さんから丸見えのところに置いてあるのでもう見た目が云々な話は誰も突っ込めない。

ティッシュとか玉ねぎとか置いてある。
生活感が出すぎてるけど働きやすい環境を整えるには仕方ない！と、割り切っています。

いや、むしろこれが私たちの本来のスタイルやったのかもしれない。
元々私たちは雑誌とか本とか紙ナプキンのストックとかが雑多に積まれたような…なんでそれがそこにあるのよ！？みたいなちょっとカオス感が漂う店にとても惹かれるし。

私たちはこれでいいんや。
少し生活感あった方がお客さんも落ち着くでしょう。

シンプルで洗練されたコーヒー店が多い中、うちはオシャレとは程遠い感じで居酒屋みたいなカウンターもあってなんだか個性的でええやないかと言い聞かせている。

実際、案外気に入っているんやけどね。