348.『袋と穴』
『袋と穴』
袋に周りの思いが流れ込んでくる
あまりにもその量が多すぎるから
袋はパンパンに膨らんでしまうんだ
穴をあけなくてはじきに破裂しそう
穴をあける方法を早く見つけなくては
もがいてあがいて、煩悶・苦悩・葛藤
頭がおかしくなりそうな果てのさらに果て
ふと気づいたら既に袋に穴があいていた
学んできたすべてが穴をあけるすべ
経験してきたすべてが実践テクニック
無駄なものなんて何ひとつないんだ
思いの漏れ出す音がなんとも心地よい
思いが漏れ出せばこの袋は破裂しないけれど
周りへの影響をできるだけ少なく排出できたら
次の袋、そのまた次の袋が処理しやすいように
ほんのわずかの「思いやり」だけを付け加えて
2006年11月14日作『思念流入』
2022年6月4日加筆・改題
ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』
2022年7月3日放送分
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