淡色


ふとノートに書き留めた言葉、振り返ると笑みが溢れる、そんな言葉がたくさんあることが、いいのか、わからないけど

気持ちはそこに確かにあって、確かにそこに僕はいたんだって、わかるんだ

あの日はどうだったかなんて、思い出せる事は限られているけれど、確かにそこにはその日があったんだって、思えるものが、書いてある

君やあなたと見たものじゃないかもしれないけれど、僕はたしかに、それを見た

知らないうちに、僕は一人で景色を彩っているんだ

どうでもいい景色ばかりが増えすぎた頃を知ってるから、だから、僕は一人で彩らせるんだ

おんなじ絵を描くことに気を取られ、僕が見つかりづらくなる、今日この頃

太陽が落ちてもその絵は、薄まらない、なくならない、

それが例え悲しい絵だとしても、嬉しい絵だとしても、残る絵はおんなじで

ならばせめてと嬉しい絵だけを、残そうとするけどそんな器用じゃなくて

君やあなたが嬉しい絵だと思うものも、僕にとっては悲しい絵なこともあるんだ

どうにもならない絵ばかりが増えすぎた頃を知っているから、僕は一人で景色を彩っているんだ

僕が見る景色が全部、僕色に染まるその時、少し心がホッとするんだ

それまでの景色よりも、確かに僕がいる事がわかるから

見たい景色を全部、僕色に染めたいと思うんだ

わからなくなるその色を見ていることは、辛いから

でも、それは黒色に染まるだけだって

だから、淡色な景色に浸りたい



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