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音楽、アメリカ文化

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アメリカ文化、ジャズ、ブルースについて。わりとしっかりした内容を。
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2023年4月の記事一覧

バード、ほんの一瞬のシカゴ

「出ていけ」 18歳ですでに立派にドラッグまみれになっていたチャーリー・パーカー(以下、バード)は、ハーラン・レナードのバンドを解雇され無職に。麻薬常用、仕事はすっぽかす、そんなバードに母親のアディは愛想をつかし、「出ていけ」と宣言。我慢ならないバードは妻に当たり散らし、家は混乱と不和の極みに。実はバードは41年にNYに進出する前に、39年にも一瞬だけ行っていますが、これはその初回の話。そんな訳でこの初回のNY行きは音楽的欲求というよりも、「家にいられなくなった」いう方が近

カンザスシティ。なぜこの田舎でジャズが?

ある生徒さんと、カウントベイシーの話題から、カンザスシティの話に。 「カンザスシティって、ジャズの中心だったんですか? なんであんな辺鄙な場所に?」 という質問。確かにカンザスシティはアメリカのど真ん中、人口50万人程度の地方都市。かなり田舎ですよね。 ジャズの歴史を追っていくと、NYやシカゴ、発祥の地であるニューオリンズと並び意外に「カンザスシティ」の名もよく出現します。なぜこんな辺鄙な場所がジャズの中心地だったのか。ニューオリンズ〜セントルイス〜シカゴ、というミシシッピ