『スモーク』見たよ。

相変わらずの停滞具合です。また問題なのは、読書に、映画鑑賞にと、インプットすることで停滞具合を用意に無視できてしまうこと。ネットに接続してると慰みは無限大に手に入ってしまう。

『スモーク』
あらすじっ
家出少年に出会ったり、小説執筆したり。

変な話だ。

再見。
いい話だったなあってのと、フォレスト・ウィテカーの演技がよかったくらいしか覚えてなかった。
それで見返してみると、思いの外へんな話だ。
単純にいい話と言うより、雰囲気が良かった。他愛もない会話の心地よい噛み合い具合を延々と聞いていられる。
理想とする会話。会話の内容というより、テンポとかグルーブ感みたいなものが心地よく、そんな友達ほしいなあと思えてくる。
出てくるほとんどがいい人だけど、ベースとしての人間臭さがあって鼻につかない。

変な話の部分が独特の味わいになっている。そもそも、短編を膨らましていて、主軸となる話の肉付けと言うよりは、枝葉を増やしているため、変な広がりがある。

劇的な再会のドラマよりも、その後の変な空気の余白が入っているのがまたよい。
悪い空気でもお涙頂戴でもない、なにかの雰囲気、タバコの煙のように消えていきそうな手触り。

なんて、
ここで出すたとえとしては凡庸すぎるもっと紫煙に紛れ込ませるような気の利いたことが言いたい。
でもそういった作為性はこの映画とは無縁な気がする。
私はそういった空気感が好きだけど、自分で体現することができない。そのあたりに、表現者としての限界があるのかもしれない。

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