『イル・ポスティーノ』見たよ。

さて、副鼻腔炎手術の経過が思いのほか悪いようです。粘膜が癒着したとか、アレルギーで炎症しているとかいろいろわるわるのようでして、ここぞとばかりにメンタルも下降させているところです。
一言でいうと、鼻痛くて何もする気が起きない。

ってことでメモ帳発掘。
雑談配信で、2023年(に鑑賞した)映画ベスト10に挙げたやつ。

『イル・ポスティーノ』
あらすじっ
田舎に有名な詩人が来てるらしいので、詩心を伝授してもらおうとする。

良い。

いい映画だよねえ。ってただそれだけの感想なのですけれど。
やはり私には日頃の詩心がたりんなあと思ったものです。

べつに生活にまったくの余裕がないというのでもないのですが、移ろいゆく日々の路傍を眺めて、私の目に映るのはいつもの道。変わる草木に詩情を掻き立てられはしない。
主人公マリオは偉大な詩人と友人になり、酒場の娘と恋をして、詩情を獲得していくってのがおおまかな話。
でも、面白いのは、恋をしたから詩人から口説くための詩を教えてもらうみたいな展開ではなく、詩を教えてもらい、そのあと恋をするという順になっている。

つまりは、マリオは表現を通して、周囲の世界に恋をする方法を学んだということだと思う。
それによって、共産主義への熱意も増したってことなのかなあ。

学のない私の感覚では、共産主義は、完全な性善説をもとにしたロマンチシズムに近い主義だと思っている。それだから、もっと人民たちは協力してより良い社会にできると期待してしまうのも、世界に恋できるほどの感性ゆかとも思えた。

私なんかは、映画を見ている間だけ、その感性が身についたかのように思えることをこの世の最期の心の拠り所としているので、その感覚を鑑賞後1日でも維持するのが精一杯だ。だから次から次へと新たなコンテンツで、ない感性を補填しようとしているのだなと深く再確認した次第です。

いい映画。ほんと。

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