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風邪をひきました♪

ここ数年、風邪をひかなかった。いや、ひかないように細心の注意を払って来た。風邪など引いていられない立場と状況だったので。

が、今回の旅から帰った途端、風邪をひいた。10℃の気温差も堪えたけれど、いちばんの原因は気の緩みだと思う。守るべき存在がいなくなり、気持ちを張り詰めている必要がなくなった。その事実を受け入れ難かった心が少しずつ解き放たれ始めているのかも知れない。

昨年暮れと、年明け早々に母と愛犬が相次いで旅立った。ひと月違いの同じ命日。豪雪に埋もれた冬を越し、春が来ても、夏が近づいても、悲しみは薄れず、むしろ自責の念が募り、喪失感と虚無感も深まって、寄るべない心許なさに囚われていた。

老親の身の回りの手伝いをするために帰郷し、昨年でちょうど10年。父も、母も、愛犬たちも見送った。11年目のここからまた、自分の人生の新しいステージが始まるのだろうけれど、明るい未来など全く思い描けない。ただただ悲観的になり、涙に暮れ、心を病む一歩手前だったかも。

自分の病気の治療に一つの区切りがついた6月、思い切って記念の旅に出た。行き先は、かつて移住したいとまで考えていた愛しの石垣島。母と愛犬の月命日には、満天の星空を眺めるツアーに参加した。7月、東京在住中は四季折々に日帰りでも遊びに行っていた大好きな京都に行き、月命日に、両親が眠る菩提寺の総本山に詣でた。が、それで心が軽くなったかと言えばそうでもなく、家に戻ればまた元の木阿弥で…。

ところが、今回、急遽決まった想定外の旅で、心の変化があった。前の2回と同様に、どこか後ろめたさを抱えて旅立ったのだけれど、帰りの飛行機で「そうか、これからは、いつでも好きな時に旅に出かけられるんだ」と胸が高鳴った。また旅に出るという目標ができて、帰ってからもポジティブなテンションをキープできている。

帰郷前は、仕事の隙間を縫って弾丸で出かける旅が、癒しであり、カンフル剤であり、充足感を味わえる時間だった。あの頃のような贅沢な旅はもうできないけれど、自分なりの価値観があり、たっぷり時間がある今は、自由な旅をマイペースで楽しめる。リゾートバイトをするという目標も出来た。

何にせよ、風邪をひけるくらいの緩さが戻ったなんて、ありがたい。自分の心配だけして生きていればいい気楽さよ。母や父や愛犬たちからもらったたくさんの愛に日々感謝しつつ、悲しみの冬を迎え撃つよー。

今回の旅のきっかけをくれた風くんに感謝。彼のライブチケットが当選した幸運に感謝。素晴らしかったライブに感謝。次はどこのライブ会場に行けるかな。

画像は、お気に入りの指無し手袋。手首と手の甲が包まれていると、指先は全然冷たくならない。このメリノウール製がいちばん好きで、色違いも持っている。

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