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The Last 5 Years感想文そしてどハマりしすぎた話


誰かに見られてもいいけど誰かに見られるためではない観劇日記その6

これより前に見た作品の感想いっぱいためてるのにすっとばして投稿。熱量がやばいので。

最初に述べておきますがめっちゃ長いですししかも見てない人は全くわけわからんところまで首をつっこんだ話をするので完全に自己満の感想文です。


TL5Y、もう配信も合わせると何回見たか分からない。5、6回くらいかな?
生で見たのは水田・昆ペアと平間・花乃ペアを1回ずつだけ。
木村・村川ペアだけはどうしても日程合わなくて泣く泣く生は諦め…。ディレイ配信でようやく見れました。


ある1組のカップルが出会ってから別れるまでの5年間を描いたミュージカル。ジェイミーは時間を順行、キャシーは時間を逆行する形でつくられているので作中で2人が同じ時を生きるのは出会って3年目の結婚式のシーンのみ。2人劇なのに2人が一緒になるのは約90分の中でたった7分間。


全ペアを見たがやはりペアによってあまりにも違いすぎる。スリルミーの時も思ったがここまで違うかと。
パンフレットで演出の香さんが「木村・村川ペアはお芝居」「平間・花乃ペアはミュージカル」「水田・昆ペアはその中間」になるように演出をつけたという話をされていて、上演前にそれを見て心の中で"その分け方めっちゃ分かる。"って思いました。
身長差だったり実際の年齢差だったりもペアによって全く違うのでそれもそれぞれのジェイミーとキャシーを描く上での重要な要素になっているのかなと。


ちょっとまずはペアごとの感想を軽く書いてみようかと。
ちなみにわたしは水田・昆ペア→平間・花乃ペア→木村・村川ペアの順で見ました。


木村・村川ペア
6人の中で最年少の達成くんがジェイミー、最年長の絵梨ちゃんがキャシーというペア。唯一実年齢でキャシーの方が年上ペアなんですよね。それもあってか無邪気で勢いのあるジェイミーを母性溢れるキャシーが優しく包み込むという印象が強い。完全にキャシーの方が大人びていた。細かいところだが木村ジェイミーは序盤は前髪あり、2年目あたりから前髪を分けていたこともあったので特に序盤のジェイミーはすごく幼く見えた。若気の至りという言葉がとても似合う。これから別れを迎えようとはとても思えない。一方で村川キャシーはM1、つまりジェイミーに立ち去られた後の表情があんまりにも切なくて辛かった。どちらかというとキャシーの気持ちに寄り添ってしまいたくなるペアであった。
お芝居メインで演出をつけたペアと聞いていたので2人の表情を見るのがとてもおもしろい。
#ラストファイブ推しはここ  というハッシュタグでSNSで細かい推しポイントを語れる場がある。
それで語ると木村ジェイミーは先程述べた登場の前髪ありの姿。幼くて驚いた。たつなりくんは前髪を分けているイメージしかなくて新鮮だった。
村川キャシーはM10でのオーディションに受かるために努力する場面。絵梨ちゃんのプランクの安定感が半端なさ過ぎて惚れた。あとはM8の結婚式で髪型が大きく変わるところ。か、かわいい…!と思わず声が出た。


水田・昆ペア
通称みずちゃんこんちゃん。このペアは最初だったのでストーリーをあまり知らずに見た。いい意味でふたりとも我が強いカップル。お互い自分の意思があってしっかり者同士と言った感じがする。ま、水田ジェイミーのヘラヘラ感は3人の中で1番だったが(褒めてる)。表現が難しいが非常に2人の関係性が平等、フラット、対等という印象。どちらが強いでもなく。そのせいかどちらに感情移入することでもなく観劇した記憶がある。
あと歌の安定感がとんでもない。あとで熱く語るがこの超絶激ムズ楽曲たちがこの2人にかかると簡単そうに聴こえてしまう。なぜ。
とにかくわたしはこのペアの関係性が大好きだ。ジェイミーとキャシーとしての関係性も好きだし航生くんと昆ちゃんという関係性であっても好きだ。配信の特典映像で「相手がみずちゃんでよかったよ~」「相手がこんちゃんでよかった、まじで」なんて話してたけど信頼性が滲み出ているこの関係性が大好きだ。身長差も…すき…
推しポイントは水田ジェイミーはM9でピアニストをバーテンダーに見たててグラス交換する時の顔。細すぎてごめんなさいw航生くん推しなので。お調子者で軽い感じが全面に出てるお顔してたので(褒めてる)。
昆キャシーは地方巡業中のM7。この曲もちろんどのキャシーも素敵なんだけど初めて見たのが昆キャシーだったからか非常に印象的。歌詞、歌声、踊り、全てが最高に可愛いの。


平間・花乃ペア
配信の時間がわたしの予定と合ったこともありこのペアだけやたら回数見ました。公式さんにフリーダムカップルなんて言われていたけど2人ともクセが強いというかなんというか。でも水田・昆ペアの我が強いとは真逆で2人ともすっごく繊細。だからこそ最後まで2人で支え合って生きてほしかったなと思う。相手を思いやるがゆえに自分を抑えて我慢が爆発してしまったのかなあとか考えてしまう。シュムールの時計じゃないけど何度でもタイムリープさせてあげてうまくやり直させてあげたい。そんな2人。このペアは平間ジェイミーがあまりにも切ない表情をするものだからジェイミーに寄り添ってしまいたくなる。M13なんて浮気したジェイミーを見ているはずなのにあんなに苦しまれるとジェイミーは悪くないよって言ってあげたい。
1番最後のシーン、5年目にキャシーと別れてしまうジェイミーのgoodbyeと1年目にまた明日ねと手を振るキャシーのgoodbyeが重なるところ。配信だと2人の表情がアップで並ぶように編集されているが、2人の表情の対比があまりにも苦しい。これから始まる幸せな生活に胸躍らせるキャシーの満面の笑みがジェイミーの切なさを倍増させる。とにかく見ていて1番辛いペアだった。
あとM11、ジェイミーとキャシーが大喧嘩するシーン(ジェイミー側の視点でしか描かれていない)、平間ジェイミーがブチ切れするとこ怖すぎて泣きそうになったw壮ちゃん怒らせるとああなるんだって思いました。
推しポイント、平間ジェイミーはやっぱりM6のシュムールじいさんかなあ。それぞれのジェイミーみんな可愛いポイントだけど。おじいちゃんになりきる壮ちゃん優勝。
花乃キャシーはまじで全部って言いたいところ。かのちゃんこのTL5Yで初めてお目にかかったのですがかんわいすぎて登場すぐに(かわいい…)と口パクしてしまった。マスクがあってよかった案件。完全に一目惚れした。推しポイントしいてあげればM5かな〜。髪型もワンピースも似合ってて可愛さ倍増なのよ。あとめちゃくちゃ個人的な話誕生日がわたしと一緒ってパンフレットで知って親近感。笑


各ペアの印象はこんなところ。他にも語っておきたいポイントが沢山ある。


まずは衣装。それぞれのジェイミー、キャシーは同じ場面では雰囲気の似た服だが少しずつ違う。衣装も3人いれば3パターンなのだ。特にキャシーの衣装。服のチョイスがあまりにも絶妙。M5のときのワンピースなんて柄や色がそれぞれにぴったりすぎて驚いた。公式Twitterに3人並んだ画像があるので是非見てもらいたい。


あとは楽曲。ちょっと楽曲についてクソ音楽にわかが熱く熱く語りたい。
航生くんが毎度ブログで曲が難しすぎるということを書いていた。平間・花乃ペアに至っては稽古が始まってすぐの頃は難しすぎて2人とも曲が大嫌いだったそう。そんなに言うってどんだけ難しいんだと思っていたが想像を遥かに越えてきた。難しいなんてレベルではないじゃないか。
わたしはそう音楽に精通しているわけではないが初回に観劇しただけで頭の中にとんでもない数の♭や♯が頭の中に浮かんだ。また転調した…!えっ、変拍子多すぎる…!こんな拍無視の入りどうやって入んの…!と。意味がわからない。でもどの曲も耳に残るメロディーで歌いたくなる。そこで英語版の楽譜をお取り寄せしました。

ボーカル+ピアノ譜だけどわたし楽譜読めないw
クラリネットの楽譜しか読めないのでピアノ譜読めないんすよw ヘ音記号は点と点の間がファ、しかしらないのでいちいちそっから数えて読んでる。そしていま2オクターブ半しかないミニキーボードを引っ張り出してきて一生懸命弾いてるけど地獄のような楽譜である。今のところM8しかまともにリズムも音も取れない。


そして楽譜を買って気づいたのはM3「Moving Too Fast」のとんでもない難易度だ。正直この曲がぶっちぎって難しいと思う。
この曲は恋も小説家としてもうまくいきすぎている調子に乗ったジェイミーが歌うポップでキャッチーな1曲だ。
後半、恐ろしい転調祭りが待っている。
A→F→A→B♭→B→C→A→B♭
はい?どんだけ変わるの?
個人的にA調とB調はなじみがなさすぎるんだけどこんなポンポン登場するものなの…?
しかも最高音は上のシ♭。はい?
これを男性に歌わせるんだからジェイソン・ロバート・ブラウンは相当狂ってる。鬼すぎる。
というかこんな楽譜どうやってつくるの…
なんだかポップな曲調にだまされたがとんでもない難曲だった。
楽譜を見た瞬間これを原曲キーで歌い切ったたつなりくん、航生くん、壮ちゃんに対するリスペクトが最高潮になった。ミュージカル俳優恐るべし。


それからこの作品が好きすぎるわたしは配信を見て全曲の日本語訳詞を書き取った。リスニング大会。

きしょって言ってくれ。
暇なんじゃないよ、やらなきゃいけないことやってないだけ。
とりあえず聞き取っただけなので今度はこれを楽譜に当てはめて〜
…やっぱりわたし暇なんだな。
日本語訳詞の楽譜をつくろうとしてるんですよ。

英語まともに読めないけど英語詞と日本語訳詞で比べてみても面白い発見がある。
さっきもでてきたM3のお話。歌詞で
「My heart's been stolen!  My ego's swolen!」
で英語詞で韻踏んでるところ
「僕は有頂天 みんなは仰天」という訳詞で踏んでるんですよね〜
直接的な意味とは離れるけど韻を踏む方をとったのしゃれてるなあと思いまして。
他にもなるほどこんな訳があるのかと見比べてはにやにやしている。おもしろい。
例えばジェイミーが異教徒のキャシーとの恋にのめり込むM2「Shiksa Goddess」で「ヘソにピアス いいじゃないか」という歌詞がある。原曲の英語詞では舌にピアスだった。アメリカでは舌にピアスくらいなら一般的と思っていたので日本でいうへそピアスと同等なのかと驚いた。
それから今回の再演にあたり今の若者に刺さる歌詞になるように訳し直しているそうで。そういう作り手さんの思いを知ることも楽しい。

個人的な推し曲はキャシーが歌うM5「I'm A Part of That」だ。「行くの ジェイミーランド」という歌詞の部分での音の跳躍が聴いていても歌っていてもめちゃくちゃ気持ちいい。笑 軽快で可愛らしい曲だが、"ジェイミーの創作活動において私もその一部よね?"というキャシーの不安を表している。同じI'm a part of that.を3回繰り返すという歌詞でも最初は「私はその一部 I'm a part of that」と訳されているのに最後には「私はその一部 一部でしょ」という訳に変わる。キャシーの繊細さを表す大好きな歌詞だ。いつか完璧に歌えるようになりたいけども…。

ジェイミーの曲だとM13「Nobody Needs to Know」が好きだがこれはわたしが邪な気持ちで見ているからだと思うので割愛しますね。

そして歌詞を全部書き出すと観劇していただけでは気づかなかったことに沢山気づく。まずは時間軸が同じ曲を並べてみる。2人が出会って初デートを終えた時がジェイミーはM2、キャシーがM14。ジェイミーが浮気をする時がジェイミーはM13、キャシーがM3。こう時間軸を合わせて歌詞を照らし合わせるとつながりが見える。そして余計にジェイミーの気持ちもキャシーの気持ちも分かる。どちらが悪いわけでもない。だからこそ別れるという選択肢を取ったことが切なく苦しい。
2人が唯一同じ時間軸で生きるM8。本当に幸せがこちらにも伝わるようなひと時で何度も泣きかけた場面だ(いや、平間・花乃ペア観劇時は普通に泣いてた)。ただただ幸せ溢れる夫婦。唯一2人で一緒に歌う曲がこのM8である。公式さんが言っていてハッとしたのだが、ジェイミーの歌詞は「共に人生羽ばたきたい」、キャシーの歌詞は「共に人生支え合いたい」だ。あの幸せ溢れる結婚式の場面でさえ、わずかなすれ違いがもうすでにあらわれている。求めている幸せの形が違っている。どうやら根本的に考え方が違ってしまっていたようだ。だから、やはりどちらが悪いわけでもない。

やはり結論はどちらが悪いわけでもない、だ。もちろんジェイミーが浮気という責められては仕方ないことをしているが、ジェイミーが一方的に悪いとは思えない。わたしがジェイミーを演じる3人が好きなせいなのか浮気容認派なせいなのかとは考えたが、きっとそうでなくともジェイミーを擁護したくなる人はいるはずだ。なんならキャシーはどうしてジェイミーの仕事のこと理解してあげられないのかとすら思う。でもキャシーはジェイミーに羽ばたいてほしいと願うよりただ一緒にいたいと願う。一般論で言えばこちらが多数派だろう。ジェイミーとキャシーは一般論で言う男性像と女性像の具現化だ。「仕事と私どっちが大事なのよ!」なんてよく聞くセリフだがキャシーも1度や2度はジェイミーに言ってるのではなかろうか。まあジェイミーのいう仕事(=パーティー)には女の影があるので余計にキャシーの言い分も理解できる。つまりはどっちの気持ちも分かるよと言いたい。まだジェイミーもキャシーも若いんだもの。2人とも一生懸命にやってこうなってしまったんだもの。でもだからと言ってじゃあ別れたのも仕方ないよねとは言いたくない。結局わたしはジェイミーとキャシーはどうしたら別れずに済んだのかと頭を悩ませる。でもどちらも悪くない。深い悩みの沼に足を踏み入れてしまった。


本当は1曲ずつ
ここでコードがセブンスに移行するんすね〜しゃれとる〜〜
とか語りたいけど日が暮れるどころかこの文章が下書きという墓場に眠ってしまう危険があるのでやめておきます。


まさかまさかここまでハマるとは思いもしなかったTL5Y。航生くんと壮ちゃん出るし見るぞーくらいの気持ちでチケットとったのに。リピートするたびに作品のこと楽曲のことジェイミーのことキャシーのこと好きになってたなあ。

こんな素敵な作品に出会えて幸せ。
また再演されますように。

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