変わってきた「新しい」をつくる形。

こんにちは、Nです。

最近はよく環境音(波の音や風の音)を取り入れたインストルメント(歌詞なし曲)やBGMを作っています。制作につかれきって癒しの時間を求めるために僕が心から崇拝しているビートルズやクリームといった60~70年代音楽を聴いていて、ふと思ったことがあったので記事にします。

時代を代表した新しいもの

時代は1960年代後半、一世を風靡したビートルズがインドのリシケシ修行を経てとんでもない変化が起きた「White Album」を出したのはよく知られた話。それまで~当時~そこから10年間はとにかくジャンルを超えた新しい音楽が生まれ続けた。それまではモヤモヤと形のつかめない、形容できない形として存在していた何かが彼らによって明確な「新しいもの」として世に出された。イメージとしては下の図のような形。

スライド1

ジャズ、とかロック、とかプログレ、とか歴史にしっかりと名を遺す新しい名詞を作るような音楽が当時の新しいものの作り方だった。

現在の新しいもの

一方現在。莫大に多様化した音楽の中で、単に聞くものだけではなく動画という新しい宣伝ツールを無意識に没入させるためのBGMだったり、ショッピングで楽しさを思いこませるための店内BGM、指定の時間を知らせる街のチャイムだったり音楽が使われる場面はより日常に溶け込んで、切り離せないものとなった。音楽を作る人・やる人もたくさん表れていく中で現在の新しいを作るのは以下のような形となっていると強く思う。

スライド2

「あの有名なあれっぽいやつ」に「ずっと昔にはやっていたこの雰囲気をプラス」した新しいものを作ろう

考えられるコードの組み合わせはもうほぼ出尽くしている、などと言われるように新規パターンや世の中になかった新しいものが現れることはほぼなくなった世界で新しいものを作るために最適化された作り方として、この手法が上がった。現に総売り上げ歴代トップを目指す映画のBGM制作で参考として「○○の映画のような、躍動感のあるかんじ」といった、以前の作品をベースとした説明が、ビジネスシーンでよく使われるようになったこともこの作り方を助長させているのかもしれない。偏にこれが悪いというわけではないが、新しい何かを作りたいといったモチベーションでものづくりをするうえで、例えば新しい曲を作るミュージシャンと新しいアプリ・サービスを作るエンジニアの間には新しいの作り方の差が、確かにそこにはあると思う。

本当に必要なことって?

この考え方が長らく心の中の片隅にありながら、生活していた僕は結論としては次のように考えた。
ものをつくるうえで新規性は重要なファクターの一つではあるが、それはあくまで完成後に第三者によって判定されるものであることは忘れてはいけないと思った。あくまで自分のモチベーションは誰に聞いてもらいたいか、どう思ってもらいたいか、何を伝えたいかといったヒューマンの部分を大切にすべきである。それを今までにない(著作権などの話も含めて)伝えられた時に達成感を感じられるし、またその次の目標にむかってものづくりを続けていくことでどんどんと良いものを世に流していき、それが結果として名を遺すことになる、そういった形がベストであると考えた。
きっとジョンレノンも偉人になりたいと思って音楽を作っていたのではなく、こんなに楽しいもので人を喜ばせられる、自分の感じる音楽への快感に惹かれて歌っていたのだろう。
自分の中の好奇心を決して閉ざしてはいけないと強く感じた。



N

私の常日頃の生活をベースに、皆さんの役に立てたり、探しているものを紹介できたらと思っています。今後もよろしくお願いします!