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第3回大文研実態調査(前編)~「鬼滅の刃」履修率~

先日実施した「第2回大文研実態調査」では、「サブスクリプション」の利用状況について調査しました。

「第3回大文研実態調査」では、鬼滅の刃ソシャゲに関する調査を実施しました。今回の記事では鬼滅の刃の調査結果について書きます。

序論:「鬼滅の刃」とは

鬼滅の刃」は2016年11号(2016年2月15日発売)から連載が開始された、吾峠呼世晴による漫画作品です。
BookLiveの「作品内容」欄に、あらすじが以下のように記載されています。

時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!

アニメは2019年4月から9月まで放送され、映画は2020年10月に公開されました。漫画は2020年12月に発売された23巻で完結しました。

コミックスのシリーズ累計発行部数は1億2000万部を突破し、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の興行収入は約324億円、動員数は約2400万人(公開73日間)となり、記録的な大ヒットとなっています。

ところが、11月20日のオンライン活動に参加していた部員8名が一人も鬼滅の刃の映画を観ていないことが判明しました。
世間と大文研の間には乖離があるかもしれないという仮説を検証するために、鬼滅の刃に関する調査を行うことにしました。

方法

【目的】大文研部員はあまり鬼滅の刃を見ていないかもしれない、という仮説を検証するため。

【調査方法】Googleフォームによるオンライン調査

【調査内容】鬼滅の刃の劇場版を観たか/漫画・アニメ・小説を見たか/いつから鬼滅の刃に触れたか

【調査期間】2020年11月24日(火)~2020年12月20日(日)

【回答率】53%(部員49人中26人が回答)

先行調査・予備調査

LINEリサーチが全国の15~59歳の男女1054名を対象に実施した、鬼滅の刃に関する調査がありました。(2020年12月8日~9日に実施)

テレビでアニメを見た人が約3割、コミックスを読んだ人と映画を観に行った人がそれぞれ約2割という結果でした。

続いて筆者のTwitterのアカウントを使い、鬼滅の刃の映画に関する予備調査を実施しました。(2020年11月22日に実施)
この回答者の集団には大学生・大学院生及び20代の社会人が多いと推測されます。

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映画館に観に行った人が35%、これから観に行く予定の人が15%でした。

結果(1):映画を観に行ったか?

まず、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編について質問しました。

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先ほどの予備調査と比べると映画を観に行った人の割合は低いですが、それでも約2割の部員が映画を観に行っていました。これから観に行く予定の部員も約2割でした。
先ほどの先行調査・予備調査の結果と大きな違いは見られませんでした。

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男女別に解析を行ってみたところ、女性の方が映画館に観に行った人の割合が高い傾向にありました。
LINEリサーチの結果でも同様の結果が示されています。(20代男性:約2割、20代女性:約3割)

結果(2):他の媒体は見ているか?

次に映画以外の媒体で「鬼滅の刃」を見たり読んだりしているかについて質問しました。

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先ほどの結果と併せると、アニメ(6割弱)>漫画(5割)>映画(2割)の順で見たり読んだりしている人が多かったです。この順番はLINEリサーチの調査結果と一致します。

ちなみに見たという回答が1つもなかった小説は既に7冊が刊行されています。スピンオフ短編集、漫画ノベライズ、アニメノベライズがあります。

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映画を観た・観に行く予定の層、地上波・配信で観る予定の層、観る予定はない層に分けて解析を行いました。
アニメを観たことと映画を観ることの間には相関がありそうでした。
一方、漫画を読んだことと映画を観ることの間の相関は強くなさそうでした。漫画は全部読んだけど映画は観に行かないという人も一定数いました。

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男女別解析を実施したところ、漫画を読んだ人は女性で少ない傾向がみられました。
女性においてアニメを見た人よりも漫画を読んだ人が少ない傾向は、LINEリサーチの調査結果でも同様でした。

結果(3):見始めたのはいつ?

漫画、アニメ、映画のいずれかを見始めたのはいつなのかについて質問しました。

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アニメ放送終了後から見始めた人が最も多かったです。一方で映画がきっかけになった人は少なかったです。

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男女別解析をしてみると大きな差が出ました。男性は「連載開始初期」や「コミックス第1巻~15巻発売時」が多く、アニメ化される前に漫画で読んでいた人が多かったです。
一方、女性は「アニメ放送時」や「アニメ放送終了後」が多く、アニメがきっかけの人が多いことが示唆されます。

まとめ

今回の調査で明らかになったことで、特に重要だと思われるのは以下の3点です。

1.劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を観に行った、もしくは観に行く予定の部員は4割程度で、世間と大きくは変わらない可能性が高い。
2.アニメや漫画を見たことがある部員は5~6割いる。
3.女性では、アニメを見たことがある人よりもマンガ読んだことがある人が少ない。

最初に立てた仮説(大文研部員はあまり鬼滅の刃を見ていないかもしれない)はおそらく間違っていると考えられます。少なくとも世間と同程度には見ていると思われます。

今回は結果の3点目についてさらに考えてみます。
以下の2つの記事において、鬼滅の刃のアニメ放送時及び放送終了後に女性人気が高まったことが指摘されています。世間一般でも、アニメ経由で鬼滅の刃を見始めた女性が多いことが示唆されます。

アニメで女性に人気が高まったのは鬼滅の刃がヒットした一つの要因だと考えられます。この他のヒットした要因について、2つの記事では、

・単行本の品薄が続き、そのことがSNSで拡散されたことにより飢餓感を煽り、加速度的に関心を呼んだ。(日経MJの記事)
・家族愛や兄弟愛、泥臭い修行や成長、迫力の剣戟や時に無慈悲な命のやりとりなどの万人受けしそうな魅力を持ち、普段布教しないような相手にもおすすめしやすい作品であった。(まんたんウェブの記事)

ということが挙げられています。

今回の記事は第3回大文研実態調査のうち「鬼滅の刃」に関する調査の結果について書きました。
次の記事で「ソシャゲ」に関する調査の結果について書く予定です。

おまけ:2020年を振り返って

2020年も残りわずかです。今年は課外活動団体にとっては苦難の1年だったと思います。
新学期にはビラ配りやクラブ紹介などの新入生を勧誘するための活動がほとんどできませんでした。市大祭をはじめとする学祭もすべて中止となりました。現在では対面活動が部分的に許可されていますが、未だに会食を伴う活動や合宿は禁止されています。

一方で、大文研はオンラインでの活動に向いているということにも気付かされました。そもそも普段の活動が雑談やゲームなどをすることなので、オンラインに置き換えるのは比較的容易な方だったと思われます。滝子キャンパス以外の人でも参加しやすいという点では、むしろオンライン活動の方が勝っているとも思います。このnoteを開始できたのも良かった点です。

2021年はできる限り早くこの事態が収束し、平常通りのキャンパスライフが戻ってくることを願っています。
そして対面活動とオンライン活動を両方ともうまく活用して、大文研の活動がさらに発展することを願っています。

筆者の投稿はこれで今年は最後になると思います。
皆様、よいお年をお迎えください。

(文責:ざっくぅ)

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